第22回視覚リハ大会 『招待講演』 「網膜色素変性、治療への最前線」

この記事は、2013年6月1日配信。

第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
 共催 新潟ロービジョン研究会2013

「網膜色素変性、治療への最前線」
  山本修一 (千葉大学大学院医学研究院教授 眼科学)

 網膜色素変性は長らく「不治の病」とされてきましたが、研究の急速な進歩により、治療が現実のものとなりつつあります。網膜色素変性の治療戦略は、①遺伝子治療、②網膜神経保護、③人工網膜、④網膜再生・移植に大別されます。 

 レーベル先天盲における遺伝子治療の成功は、世界的に華々しく報じられ、現在は第2相臨床試験が米英の施設で施行中です。神経保護では、米国における毛様体神経栄養因子(CNTF)の臨床試験が進行中であり、視機能の維持、視細胞数の減少抑制が確認されています。また日本では、0.15%ウノプロストン(オキュセバ(r))点眼液による第2相臨床試験で網膜感度悪化の抑制が確認され、第3相臨床試験がすでに始まっています。さらに人工網膜は、米、独、日でそれぞれ臨床試験が進行しています。 

 これらの治療法は、直ちにすべての患者さんに適応可能というわけではありませんが、間近に見える明るい希望の光であることは間違いありません。

 

【略歴】
 1983年 千葉大学医学部卒業
 1989年 千葉大学大学院医学研究科修了
 1990年 富山医科薬科大学眼科講師
 1991年 コロンビア大学眼研究所研究員
 1994年 富山医科薬科大学眼科助教授
 1997年 東邦大学佐倉病院眼科助教授
 2001年 東邦大学佐倉病院眼科教授
 2003年 千葉大学大学院医学研究院眼科学教授
 2007年 千葉大学医学部附属病院副病院長併任
 2008年 日本網膜色素変性症協会(JRPS)副会長  



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