第22回視覚リハ大会・ランチョン1「最近の眼科医療とロービジョンケア」(2)

この記事は、2013年6月4日配信。

第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
 ランチョンセミナー 1「最近の眼科医療とロービジョンケア」
  (2)『医療のなかでのロービジョンケアの役割』
   新井 千賀子 (視能訓練士:杏林大学)
    日時 : 2013年6月22日(土)11:55〜12:45
    会場 : チサンホテル 4階 越後の間(東)
    共催  新潟ロービジョン研究会2013 

 昨年の診療報酬改定でロービジョンケア検査診断料が認められたことは、医療の中で視覚障害に対応することが公的に認識された事を意味している。いくつかの課題はあるものの、視覚障害リハビリテーションの大きなmilestoneである。とはいえ、まだロービジョンケアはやっとスタート地点にたったにすぎない。ロービジョンケアは医療のなかでどんな役割をするものなのだろうか。 

 「人が自殺を考えたりするような危機的状況になるのは、仲間と希望とお金を同時に喪失した時だ」と 学生時代に ある人から言われたことがある。その後、リハビリテーションの授業でも同じことを教わったので、これはあながち間違いではないらしい。ロービジョンケアをやっているうちに、私はこれをかなり意識するようなった。

 多くの人は病院にいけば病気は良くなると思っている。しかし、実際には治療で回復して以前と同じ見え方になるという病気は少ない。回復が困難である病気であると診断された患者さんはどんなに視機能が高くても将来への希望を見失う。そして、こんな病気にかかっているのは自分一人だと思ったり、問題を親しい人たちと共有できずに孤独感を深めていく。さらに、就労継続が難しいと思い始め経済的な問題を抱える。この状況は、「仲間と希望とお金を同時に喪失する状況」に近くなる。

 この危機的な状況を回避する一つの方法としてロービジョンケアがある。このように考えると、ロービジョンケアの役割の別の側面も見えてくる。どんな医療者も治療や回復の困難を患者に伝える事は心が痛むはずで相応の負担がある。ロービジョンケアを導入することで、患者さんの深刻な問題が少しでも軽くなることは、患者だけでなく医療者の為にも大切な役割があると考えている。

 このような役割を果たせるロービジョンケアとはどんなものだろうか?。スタート地点にたった今、これからのロービジョンケアを医療の中でどう構築していくかを考えたい。

 

【略歴】
 1992年 筑波大学大学院教育研究科修士課程障害児教育専攻 卒業 修士(教育)
 1996年 国立小児病院付属視能訓練士学院 卒業
 1997年 国立特殊教育総合研究所(現:国立特別支援教育総合研究所)研究員
 2000年 Light House International Arlrene R.Gordon 研究所 文部科学省在外研究員
 2001年 国立特殊教育総合研究所(現:国立特別支援教育総合研究所)研究員
 2005年 杏林アイセンター ロービジョンルーム 現在に至る 

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【ランチョンセミナー】 (協賛:新潟ロービジョン研究会2013)
     6月22日(土)11:55〜12:45   (昼食~数に限りがあります)
  会場1.チサンホテル 4階 越後の間(東)
    最新の眼科医療とロービジョンケア
    「ここまで進化している!眼科の検査と治療の最前線」
          長谷部 日 (新潟大学医学部講師;眼科)
    「医療のなかでのロービジョンケアの役割」
          新井 千賀子 (視能訓練士:杏林大学)

  会場2.ときめいと 2階 会議室AB
    「『生きる』を変える,携帯端末と視覚リハ事情」
          三宅 琢(Gift Hands)、氏間 和仁(広島大学) 

*第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
 プログラム:http://andonoburo.net/on/1871 

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『第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会』
 期 日: 2013年6月21日(金)プレカンファレンス
                22日(土)・23日(日) 本大会
 会 場:「チサン ホテル & コンファレンスセンター 新潟」4階
       http://www.solarehotels.com/chisun/hotel-niigata/ 
     「新潟大学駅南キャンパスときめいと」 2階
       http://www1.niigata-u.ac.jp/tokimate/outline.html
 メインテーマ: 「見えない」を「見える」にする「心・技・体」
 主   催 : 視覚障害リハビリテーション協会
 主   管 : 第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会実行委員会
 大 会 長 :  安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院)
 実行委員長 : 渡辺 哲也 (新潟大学工学部 福祉人間工学科)
 ホームページ: http://www.jarvi2013.net/
 詳細な情報 : http://andonoburo.net/on/1690 

【事務局】
  第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会実行委員会事務局
   〒950-2181 新潟市西区五十嵐2の町8050番地
   新潟大学 工学部 福祉人間工学科 渡辺研究室内
  E-mail : jarvi2013info@eng.niigata-u.ac.jp
  FAX:025-262-7198



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