報告 『第100回 済生会眼科勉強会』 盲学校弁論大会in済生会 パート2
日時: 平成16年7月30日(金) 16:00~17:00
1)岩野ちはる 高等部本科保健理療科2年 「元気の素」
2)富樫又十郎 高等部専攻科理療科1年 「これから」
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1)岩野ちはる 高等部本科保健理療科2年 「元気の素」
私には、沢山の友人がいます。いわゆるストリート・ミュージシャンの友人も多いです。年齢も考え方も出身地も様々な彼らと話をしていると、「生きる指針」となる言葉をかけてもらうことが多々あります。「目が悪いと、耳がいいというから、音楽は得意なんだね。アッ差別しているんじゃないんだよ」。「どれくらい見えないの?全く見えないと思っていた。少しは見えるのなら、これからはガイドの仕方を変えなくては、、、」。
最近進路のことについて悩んでいます。盲学校には幼稚部、小学部、中学部、高等部と過ごしてきました。毎日を何となく過ごしてきました。ここに来て将来何になろうかと考え始めると、悩みが大きくなりました。「実は進路について迷っている」とストリート・ミュージシャンの友人に話すと、「今、絶対にこれになりたいというものがないのであれば、このまま流れに乗って進めばいいんじゃないかな」「理療は気が進まないというけれど、結構やりがいのあることかもしれないよ」。経験や意見を押し付けるのでなく、親身に私のことを思っていってくれる彼らが、私の「元気の素」なのです。【プロフィール】見附市 ギター片手に歌うのが大好き
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2)富樫又十郎 高等部専攻科理療科1年 「これから」
平成4年に網膜色素変性と診断されました。当時は症状もそれほどでなく、無視していました。平成13年にはついに視覚障害のために身体障害者手帳を交付されました。平成14年秋には極端に視力が低下しまし、今春盲学校に入学しました。
視覚障害になると、何かと歯がゆいことが多くなります。病気の進行から、読書や日常生活も困難になり、これまで歩んできた自分の人生が足元から崩れてくるように感じました。これまで得意の法律を活かして国家公務員として活躍し、余暇には空手をやってきました。でも今では日常の生活すら不便です。ただただ生きる、いや生かされていることが嫌になり、死にたいと思うようになりました。
そんな自分を奮い立たせたのは若き日の思いでした。その頃を思い出し、朝4時に起きて裸足で走りました。雪の上でした。信濃川の堤防の上を、1時間も走ると全身から汗が出て、湯気が立ちました。その日を堺に生活を変えました。これからの余生を明るく生きていこう、熱烈な恋もしたい、、、。いや余生ではなく、還暦を過ぎた「これから」が私の新たな人生です。
【プロフィール】新潟市 文武両道、現在猛勉強中
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《メールで》
●100回目なので、一人でも話が聞けるかと思って駆け付けたのですが、間に合わなくて残念でした。でも、100回目だからと大げさなことをしないで、淡々と普通に行ったのがかえってよかったですね。医師と患者との距離を縮め、患者側もここだと医療一般について言いたいことを言える雰囲気もありますね。テーマ、話してもらう人、参加する人も幅広いですね(NM)
●ハンデを持たれた方が、そのハンデを乗り越える勇気を持った時、いきいきと輝いいるはずです。そんな彼らの発表を是非お聞きしたかったです(HK)。
●第100回の眼科勉強会おめでとうございます。一口に100回と言ってもテーマや講師やいろいろの面でご苦労があったことと思います。申し訳ありませんが私は出席できませんがこれからもがんばって下さい(KY)。
●100回、おめでとうございます。何事も継続することは非常に難しいです。「継続は力なり」と言われますが、それに加えて恩師の先生から教えてもらった言葉―「本物は続く」、をお祝いの言葉として送らせて頂きます。これからも益々発展されますことをお祈り申し上げます(MK)。
●100回記念おめでとうございます。続けることは大変ですが、今後も目の不自由な方々のためにご活躍を祈念致します(MK)。
●第100回眼科勉強会、おめでとうございます。平成8年から続けられたこと、すばらしい財産ですね。こちらまでうれしくなります(YK)。
●一言で100回とおっしゃいますが、並大抵のエネルギーでは継続できないと、敬服いたしております。また、どこかでお目にかかりましょう(MN)。
●毎回大変興味深い話題を提供しておられる勉強会が100回を迎えられるとのこと,誠におめでとうございます。興味の幅の広さと人脈の広さにいつも驚嘆しております。ますますのご発展を祈念し,200回記念の報に接することを楽しみにしております(KT)。
●いつも勉強会のご連絡をいただき有り難うございます。今度は100回目の記念すべき会を開催されることに心よりお祝い申し上げます(MI)。
●いつも単なる勉強会のご案内ではなく、特に第99回、第100回は盲学校弁論大会の弁士のかたの紹介など、読ませていただくだけで身近にすばらしい考え方、生き方をしている方がいることを紹介して頂けるので、眼科勉強会をこのまま続けさせていただくことにいたしました。何よりも、講師を招いての勉強会を毎月欠かさず、100回続けられたことには敬服いたします(KT)。
●眼科勉強会100回おめでとうございます。弁論大会の内容だけ読ませてもらっても日頃、患者さんに伝えたいことが語られているように思い、たくさんの人に聞かせたいと思いました。感動的、刺激的な会になったことと思います(MT)。
●素敵ですね。是非眼が見えないことで悩んでおられる方々に聞かせてあげたいですね。先日、眼の見えないバイオリン演奏者のお話をテレビの声だけ聞きました。益々生きるって素晴らしいと感じました。また、五体満足な私が負けてなるものかと奮い立ちました。何人かの人たちが、お話を聞いて生きる勇気を得られると良いですね(FS)。
●恥ずかしながら、盲学校生徒の弁論大会があることさえ知りませんでした。しかも戦前昭和3年から開催されている歴史のある弁論会とは。もっとマスコミが大きく取り上げて、視覚障害者の活躍を晴眼者にアッピールして欲しいものです。彼らの励みにもなり、差別意識の解消にも繋がるでしょう(TY)。
●プロフィールを拝見し、富樫又十郎さんのように還暦を過ぎてから新たな人生をスタートされているだけでも素敵なのに、障害を抱えていながら、学校に入学されるその意志の強さも、大変興味深いです。岩野ちはるさんは、ストリート・ミュージシャンの友人がたくさんおられるということから、きっと行動的な女性であろうと思いました。輝いているお二人の講演をお聞きしたかったです(HK)。
勉強会が100回を迎えたこともあり、多くの皆さんにメールを頂きました。参加されなくてもこうした応援メッセージを頂くと『元気の源』になります。ありがとうございました。次回以降の勉強会も盛りだくさんです。参加可能な方、是非ご参加ください。参加できない方、時間がありましたらメールでご意見や感想などお寄せ下さい。