報告 『第99回 済生会眼科勉強会』 盲学校弁論大会in済生会 パート1
日時: 平成16年7月14日(水) 16:30~18:00
場所: 済生会新潟第二病院 眼科外来
1)櫻井孝志 中学部3年 「へレンケラーをめざして」
2)大渕真理子 中学部3年 「ボランティアを通して」
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1)櫻井孝志 中学部3年 「へレンケラーをめざして」
生来難聴です。幼稚園の時左眼に怪我、小学校1年の時に右眼に怪我をして、以来私は両目両耳に障害を持ってしまいました。小学校2年から5年まで学校に行けずに家で過ごしていました。障害があって何が一番辛かったかと云うと、学校に行けずに家で過ごした日々もそうですが、50音の発音が出来ないことです。
サウンドテーブルテニス(盲人卓球)の大会がありました。ボールの音を頼りにゲームを行ないます。その時補聴器の電池が切れていて、リーグ戦で9戦全敗でした。悔しかったのは負けたことでなく、補聴器の管理を出来なかったことでした。
確かに、日々の会話やスポーツに不自由を感じることもあります。しかし、へレンケラーに比べれば、私なんかまだまだ努力が足りないです。一歩でも近づけるよう頑張っていきたいです。
【プロフィール】燕市 勉強では歴史、特に日本史が大好き。
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2)大渕真理子 中学部3年 「ボランティアを通して」
視覚障害者がボランティアをするというと、多くの方はびっくりします。確かに拡大本、朗読など、いつもはボランティアをやってもらっています。では障害者が出来るボランティアはないのでしょうか?社会に役に立てることを出来ないのでしょうか?
私の父は、特別養護老人ホームで働いています。小さい頃からホームで遊んでいました。そこでは洗濯物をたたむとか、肩や足を揉んであげることなど出来ることがあります。そうしたことで、おじいちゃんやおばあちゃんが喜んでくれます。入浴後のヘアドライヤー、髪だけでなく足にも当ててあげると、「気持ちがいい」と言ってくれます。私にも人に喜んでもらえることが出来るんです!
外に出ると、時々嫌なことや傷つくこともあります。小学校の子供達から「ネーネー、その目どうしたの?」と聞かれると、傷つき外に出るのが嫌になります。でも私は、家に引きこもるより、社会に出て人に喜んでもらえることを多くしたいです。
私の4歳年上の姉は、視能訓練士の学校に入学して勉強に励んでいます。お姉さんに感謝すると共に、私も早く社会に出て人の役に立つことをやりたいと思います。視覚障害を持つ私ですが、おじけることなく社会へ巣立っていきたいと思います。
【プロフィール】小千谷市 昨年に引き続いての登場、現在ボランティアで活躍中。
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《会場からの声》
●まっすぐな二人のお話、今回も感動しました。とても健全に成長していることが判ります。家庭の大切さも伝わりました(NA)。
●今日はどうもありがとうございました。中学生二人のとても素晴らしい弁論を聞くことができ、実に感動し、励まされました。非常によい体験ができたと思います。二人とも自分といった存在をしっかり持ち、それを言葉で表現し、心に響きました。自分も見習わないといけないと痛感いたしました。本当によい勉強になりました(SY)。
●弁論大会用なのだから短時間なのでしょうが、あのお2人はもっとたくさんの魅力を感じさせるのだから、もっと長いお話を聴きたかったなぁ(TA)。
●「弁論大会」。お二人の、爽やかで明るい態度。しっかり周りを見つめつつ、自分の考え素直に発表されたと思います。真理子さんの応援の為、そして、温かなご家族の方々にお会い出来るかと思いつつ、おじゃましたしだいですが、それが叶いました。「まりこちゃん」と肩をたたいて話し掛けましたら、あの頃を覚えていてくださり「うれしい」と言って、私の手を握ってくれました。あの頃を覚えていてくれたのですね。感動でした。お二人のすこやかな成長を願っています。この会で、心の栄養も沢山頂きますが、人と人との出会い再会の場もいただき感謝いたします(YO)。
●話すのが苦手な真理子にとって、その場で皆さんの感想が聞けたことは大変励みになります。またいろいろな場を与えて頂いたなかで沢山の方たちにお会いし、心が少しでも豊かになってくれたらと思っています。皆さんからいただいたご意見や感想を糧にこれからもすなおに成長してもらいたいと思います。これからもよろしくお願いします(O親)。