済生会新潟第二病院眼科では、講師をお呼びしてカンファレンスを行っています。
今回は、寺島浩子先生(新潟大学眼科講師)です。 多くの方々の参加、歓迎です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
済生会新潟第二病院 (第4回)眼科カンファレンス
日時:2013年3月12日(火)18:30~
会場:済生会新潟第二病院 眼科外来
講師:寺島浩子 (新潟大学大学院医歯学総合研究科視覚病態学分野)
演題:「黄斑剥離を伴う裂孔原性網膜剥離の長期視力予後」
参加希望の方は、下記まで連絡ください。
安藤 e-mail gankando@sweet.ocn.ne.jp
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【抄録】黄斑剥離を伴う裂孔原性網膜剥離の長期視力予後
寺島浩子(新潟大学大学院医歯学総合研究科視覚病態学分野)
【抄録】
黄斑剥離を伴う裂孔原性網膜剥離の長期視力予後因子の検討を行う. 対象は2007年4月~2011年12月の期間に新潟大学および長岡中央綜合病院 にて裂孔原性網膜剥離に対して初回手術を施行した364例371眼のうち術後12か月以上経過観察ができた黄斑剥離を伴う症例81例82眼(男性48眼:女性34眼). 平均経過観察期間32.7カ月, 術式の内訳は強膜バックリング手術34眼,20G硝子体手術32眼,25G硝子体手術16眼であった.
術後成績は, 初回復位率が77/82眼(94%), 最終復位率は80/82眼(98%), 再発率は10眼(12%)であった. 術前平均小数視力0.08から最終0.57へと有意な改善を認め6カ月以降ほぼ安定し最終視力値に達した.術式によらず術後最終視力は同等の結果であった.
最終時視力良好群(1.0以上)35眼, 視力不良群(0.5以下)25眼の2群に分けて比較検討したところ, 術後視力予後に関連する因子は術前視力, 推定黄斑剥離期間, 剥離範囲, 手術回数, 再発の有無, 術後黄斑上膜の合併であった. 特に黄斑剥離期間が3日以内と極早期に手術を行った症例12眼は, 術後最終視力において8眼(67%)が1.0以上を維持していた. それに比較して黄斑剥離期間が2週間を超えた症例24眼のうち1.0以上は7眼(29%)にとどまり, 視力予後は黄斑剥離期間に依存する.また黄斑上膜を合併した9眼の術後平均小数視力は0.23で黄斑上膜を合併しなかった群の0.64に比較して有意に悪い結果であった.
以上より長期的に良好な視力を得るには, 早期に手術を行い再手術や黄斑上膜合併の回避が大切と思われる.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これまでの済生会新潟第二病院 眼科カンファレンス
(第1回)眼科カンファレンス
日時:2012年10月2日(火)19:00~
会場:済生会新潟第二病院 眼科外来
講師:八百枝 潔 (眼科八百枝医院;新潟大学大学院医歯学総合研究科視覚病態学分野)
演題:「緑内障治療薬による眼循環への影響」
(第2回)眼科カンファレンス
日時:2012年11月20日(火)18:30~
会場:済生会新潟第二病院 眼科外来
講師:河嶋 洋一 (参天製薬:医薬事業部技術開発)
演題:「点眼薬の開発と眼内薬物動態」
(第3回)眼科カンファレンス
日時:2013年1月8日(火)18:00~
会場:済生会新潟第二病院 眼科外来
講師:長谷部 日 (新潟大学眼科)
演題:「硝子体手術との15年間、そしてこれから」
演題:「視覚障害者とスマートフォン」
講師:渡辺 哲也 (新潟大学 工学部 福祉人間工学科)
日時:平成25年3月13日(水)16:30 ~ 18:00
場所:済生会新潟第二病院 眼科外来
【抄録】
昨今、携帯電話の新機種は全てスマートフォンとなり、タブレット端末が様々なメーカーから販売され、事実上標準的な基本ソフトWindowsも新バージョンではタッチ操作が主体となる。この状況に危機感を覚えているのが全盲の携帯電話・PC利用者である。その衝撃は、パソコンのインタフェースが文字中心のCUIからグラフィカルなGUIへ移行した1990年代の「GUIショック」に酷似している。しかしスマートフォンは、以下のように、GUI OSと決定的に異なる点がある。
・全盲者向けに、画面の音声化機能を標準で装備している、または無料でプラグインを入手できる。有料のアプリも既に存在する。
・弱視者向けに、画面の拡大機能・反転表示を標準で装備している機種もある。
・触覚的なポインティングが可能(マウス操作では目と手の協調動作が必要とされたが、タッチ操作の場合、指だけと音声で操作対象を直接指示できる)。
このように、GUIショック時のような全く使えなくなるというおそれはないが、さりとて触覚的手がかりのない画面上で正確に操作できるかについては不安が残る。そこで、タッチパネルを見ないでどの程度の正確性と速度をもって操作できるかを実験的に調べることとした。現在、実験が進行中であり、3月の発表時にはその結果を紹介したい。
【略歴】
平成 3年 3月 北海道大学 工学部 電気工学科 卒業
平成 5年 3月 北海道大学 工学研究科 生体工学専攻 修了
平成 5年 4月 農林水産省 水産庁 水産工学研究所 研究員
平成 6年 5月 日本障害者雇用促進協会 障害者職業総合センター 研究員
平成13年4月 国立特殊教育総合研究所 研究員
平成21年4月 新潟大学 工学部 福祉人間工学科 准教授
情報通信技術(ICT)を用いた視覚障害者支援に従事。これまでの開発成果は、スクリーンリーダ”95Reader”、電子レーズライタ”Mimizu”、漢字の詳細読み”田町読み”(iPad・iPhoneに搭載)、触地図作成システム”tmacs”など。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
興味があって参加可能な方は、遠慮なくご参加下さい。どなたでも大歓迎です。(参加無料、事前登録なし、保険証不要)。ただし、お茶等のサービスもありません。悪しからず。
今回の勉強会の一部は、「新潟大学工学部渡辺研究室」と「新潟市障がい者ITサポートセンター」のご協力によりネット配信致します。以下のURLにアクセスして下さい。下記のいずれでも視聴できます。
http://www.ustream.tv/channel/niigata-saiseikai
http://nitsc.eng.niigata-u.ac.jp/saiseikai/
録画はしておりません。当日の視聴のみ可能です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『済生会新潟第二病院 眼科勉強会』
1996年(平成8年)6月から、毎月欠かさずに続けています。誰でも参加出来ます。話題は眼科のことに限らず、何でもありです。
参加者は毎回約20から30名くらいです。患者さん、市民の方、医者、看護師、病院スタッフ、学生、その他興味のある方が参加しています。
眼科の外来で行いますから、せいぜい5m四方の狭い部屋で、寺子屋的な雰囲気を持った勉強会です。ゲストの方に約一時間お話して頂き、その後30分の意見交換があります。
日時:毎月第2水曜日16:30~18:00(原則として)
場所:済生会新潟第二病院眼科外来
*勉強会のこれまでの報告は、下記でご覧頂けます。
1)ホームページ「すずらん」
新潟市西蒲区の視覚に障がいのある人とボランティアで構成している 音声パソコン教室ホームページ
http://www11.ocn.ne.jp/~suzuran/saisei.html
2)済生会新潟第二病院 ホームページ
http://www.ngt.saiseikai.or.jp/02/ganka/index5.html
3)安藤 伸朗 ホームページ
http://andonoburo.net/
【今後の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
平成25年4月10日(水)16:30 ~ 18:00
「私の目指す視覚リハビリテーションとは」
吉野 由美子 (視覚障害リハビリテーション協会会長)
平成25年5月8日(水)16:30~18:00
「インクルーシブ教育システム構築と視覚障害教育
~盲学校に求められるもの~」
小西 明 (新潟県立新潟盲学校:校長)
平成25年6月12日(水)16:30~18:00
「視覚障害グループセラピーの考察」
小島 紀代子 (NPOオアシス)
