案内:『第229回(15‐03月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会』  岸 博実
2015年2月22日

 演題:「視覚障害者の求めた“豊かな自己実現”―その基盤となった教育―」
 講師:岸 博実(京都府立盲学校教諭・日本盲教育史研究会事務局長)
  日時:平成27年03月11日(水)16:30 ~ 18:00 
  場所:済生会新潟第二病院 眼科外来  

 済生会新潟第二病院眼科で、1996年(平成8年)6月から毎月行なっている勉強会の案内です。参加出来ない方は、近況報告の代わりにお読み頂けましたら幸いです。興味があって参加可能な方は、遠慮なくご参加下さい。どなたでも大歓迎です(参加無料、事前登録なし、保険証不要)。ただし、お茶等のサービスもありません。悪しからず。 

【抄 録】
 日本の盲人は“記憶”と“手技”を駆使して職業を獲得してきた。徳川時代には「自治」を経験し、教育機関も設けた。明治以降の盲教育は、西欧の知見に触発されつつ、日本的な特性を持って構築された。教育目的に掲げられた「自助」論を問い直す必要があろう。
 まず、明治以降の<教育権>思潮を小西信八の言説と教員組織の営みを通してなぞり、「盲・ろう教育の義務化と分離」が希求された経緯と、特別支援教育の課題を考える。
 次に、視覚障害当事者の営為を振り返る。好本督や鳥居嘉三郎による「同窓会」・「日本盲人会」の結成が点字新聞等の発行へとつながった。高等教育を志した青年の先駆性、木下和三郎『盲人歩行論』の先見性にも光を当て、「自己実現」追求の意義を確かめる。
 さらに、「人類の文字が東西ともに凹字から始まったのはなぜか」の考察を入り口に、「紙と平らな文字(墨字)」時代の明と暗をみつめ、凸字から点字へと飛躍した画期的な展開をおさえる。「文字の世界の新人」である点字の魅力と将来像を吟味する。
 最後に、新潟ゆかりの先人たち-小西信八が示した点字を最初に読みこなした小林新吉、高田訓矇学校を興した大森隆碩たち、『玄海』(辞書)や『内国地図』(教科書)を点訳した東京盲唖学校訓導・大森ミツ-に思いを馳せたい。
 <高田盲学校史料>の中から埋もれた希少資料を紹介し、新潟の視覚障害教育史資料の保存及び活用への期待を述べたい。 

【略 歴】
 1972年(昭和47年)   広島大学教育学部卒業
 1974年(昭和49年)~  京都府立盲学校教諭
 2011年(平成23年)~  点字毎日・点字ジャーナルに盲教育史連載 
 2012年(平成24年)~  日本盲教育史研究会事務局長
 2013年(平成25年)~  滋賀大学教育学部非常勤講師
           6月 盲人史国際セミナーinパリで招待講演を担当
 2014年(平成26年)7月 第23回視覚リハビリテーション研究発表大会で講座を担当

 

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 今回の勉強会の一部は、「新潟大学工学部渡辺研究室」と「新潟市障がい者ITサポートセンター」のご協力によりネット配信致します。以下のURLにアクセスして下さい。下記のいずれでも視聴できます。
   http://www.ustream.tv/channel/niigata-saiseikai
   http://nitsc.eng.niigata-u.ac.jp/saiseikai/
 当日の視聴のみ可能です。当方では録画はしておりません。録画することは禁じておりませんが、個人的な使用のみにお願いします。
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『済生会新潟第二病院 眼科勉強会』
 1996年(平成8年)6月から、毎月欠かさずに続けています。誰でも参加出来ます。話題は眼科のことに限らず、何でもありです。参加者は毎回約20から30名くらいです。患者さん、市民の方、医者、看護師、病院スタッフ、学生、その他興味のある方が参加しています。眼科の外来で行いますから、せいぜい5m四方の狭い部屋で、寺子屋的な雰囲気を持った勉強会です。ゲストの方に約一時間お話して頂き、その後30分の意見交換があります。
 日時:毎月第2水曜日16:30~18:00(原則として)
 場所:済生会新潟第二病院眼科外来      

*勉強会のこれまでの報告は、下記でご覧頂けます。
 1)ホームページ「すずらん」
  新潟市西蒲区の視覚に障がいのある人とボランティアで構成している音声パソコン教室ホームページ
  http://www11.ocn.ne.jp/~suzuran/saisei.html
 2)済生会新潟第二病院 ホームページ
    http://www.ngt.saiseikai.or.jp/section/ophthalmology/study.html
 3)安藤 伸朗 ホームページ
    http://andonoburo.net/ 

【今後の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
平成27年4月8日(水)16:30~18:00
 第230回(15‐04月)済生会新潟第二病院眼科勉強会
 「知る・学ぶ、そしてユーモアを忘れずに挑戦していくことの大切さ
      ―『慢性眼科患者』の経験から私が学んだこと」
   阿部直子(アイサポート仙台 主任相談員/社会福祉士) 

平成27年5月13日(水)16:30~18:00
 第231回(15‐05月)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  「(仮称)障がいのある人もない人も一人ひとりが大切にされ
            いかされる新潟市づくり条例検討会に参加して」
   遁所 直樹 (社会福祉法人 自立生活福祉会事務局長) 

平成27年6月3日(水)16:30~18:00
 第232回(15‐06月)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  「我が国の視覚障害者のリハビリテーションの歴史」
    吉野由美子 (視覚障害リハビリテーション協会) 

平成27年7月
 第233回(15‐07月)済生会新潟第二病院眼科勉強会
 新潟盲学校弁論大会 イン 済生会 (予定) 

平成27年8月5日(水)16:30~18:00
 第234回(15‐08月)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  演題未定
   立神粧子 (フェリス女学院大学) 

平成27年9月9日(水)16:30~18:00
 第235回(15-09)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  演題未定
   清水美知子(歩行訓練士;埼玉県)