日時:2016年1月23日(土) 14時半開場 15時~18時
会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
要事前登録
「学問のすすめ」講演会は済生会新潟第二病院眼科で2010年2月より開始した企画です。若い医師とそれを支える指導者に、夢と希望を持って学問そして臨床に励んでもらおうと始めました。
第10回講演会を予定しました。講師の先生には、若い人へのメッセージを添えて、取り組んでこられた研究テーマを中心に、これまでの学究生活について自叙伝風に語って頂きます。今回は、出田秀尚先生(出田眼科名誉院長)の抄録を掲載します。
どなたでも参加できます。多くの皆様の参加をお待ちしております。
「学問のすすめ」第10回講演会 済生会新潟第二病院眼科
15時〜
座長 長谷部 日(新潟大学医学部眼科)
演題1:「好きこそものの上手なれ;Tell it like it is !」
講師 門之園 一明(横浜市立大学教授)
16時半〜
座長 安藤伸朗(済生会新潟第二病院眼科)
演題2:「医療における心」
講師:出田 秀尚(出田眼科名誉院長)
19時 終了
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演題2:「医療における心」
講師:出田 秀尚(出田眼科名誉院長)
【抄 録】
Ⅰ.はじめに
医療に限らず全ての職業において大切なことは、車の両輪としての技と心である。技術については理論的に説明出来、学ぶことが可能であるが、心の方はこれが難しい。それを敢えて、総論と各論に分けて述べる。
Ⅱ.総論
ギリシャ時代に医の倫理としての心得が記録されているが、日本にはもっと以前から古来の教義があった。演者らが保存している武田流流鏑馬がこれを伝えている。天地人は、人が見なければならない宇宙と云う目線を教えている。万民息災・五穀豊穣・天下泰平は、人が努めなければならない努力目標である。倫理の原点はこれに遡ることが出来る。
Ⅲ.各論
演者が長年の診療で、患者と対峙してきた中で様々の決断を迫られた事例集を、昨年「医者どんの言志録」として一冊の本にまとめた。診断・治療・手術の能力の向上,看護師や周囲のスタッフの協力,患者との人間関係,同業医師や関連業者との関係,家族や社会との関係,自らの健康の問題などについて事例を挙げながらお話をしたい。
Ⅳ.むすび
医師も患者も人は皆な未経験の道を歩いている。理論は存在しない情の次元である。そのためには、自らの力で問題を解決するための創造的な力を必要とする。創造的な力は、自然が醸造してくれる。演者がロービジョン患者に行っている自然に触れる旅を紹介して、結びとしたい。
【プロフィール】出田 秀尚(いでた ひでなを)
1963年 熊本大学医学部卒業
1968年 熊本大学大学院修了(眼科),医学博士
1969~1971年 ニューヨーク市立大学,ニューヨーク医科大学眼科研究員
1972~1974年 ハーバード大学マサチューセッツ眼耳鼻科病院にて眼科臨床網膜フェロー
1974年 熊本大学眼科講師
1977年 文部省在外研究員
1979年 出田眼科病院々長
2009年 出田眼科病院名誉院長
歴任:Schepens International Society理事,日本眼科学会評議員,日本眼科医会常任理事,熊本県眼科医会々長,日本眼科医会代議員議長
表彰:日本眼科医会々長表彰,熊本市永年学校医功労賞受賞,日本網膜硝子体学会特別賞受賞,American Academy of Ophthalmology Achievement Award受賞,熊本県学校保健功労賞表彰
現在:日本網膜硝子体学会名誉会員,日本眼科医会顧問,熊本県眼科医会監査,武田流騎射流鏑馬保存会顧問,熊本走ろう会相談役
@事前登録制
参加費は無料ですが、会場準備の都合もあり、事前登録制(締切1月15日)です。参加希望の方は下記の要領で申し込み下さい。
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【事前登録】「学問のすすめ」第10回講演会 済生会新潟第二病院
申込期間期限 平成28年01月15日(金)
申し込み先:済生会新潟第二病院眼科 安藤伸朗
e-mail: gankando@sweet.ocn.ne.jp
Fax: 025-233-6220
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【参加申し込み】「学問のすすめ」第10回講演会 済生会新潟第二病院
氏名~
所属(勤務先)~
職業~
住所(都道府県名と市町村名のみお願いします)
連絡方法(可能な限り、メールでの連絡先をお願い致します)
e-mail アドレス~
Fax番号~
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注:専門の職員はおりません。電話でのお問い合わせには応じることが出来ません。お問い合わせ等は、メールでお願い致します。
@「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」
福沢諭吉の「学問のすすめ」の一説としてあまりに有名ですが、本当に意味するところは以下の通りです。
人は生まれながら貴賎上下の差別ない。けれども今広くこの人間世界を見渡すと、賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。その違いは何だろう?。それは甚だ明らかだ。賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。
人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれどただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるのだ。