案内:「学問のすすめ」第10回講演会 済生会新潟第二病院眼科 門之園 一明
2015年12月13日

日時:2016年1月23日(土) 14時半開場 15時~18時
会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
要事前登録 

 「学問のすすめ」講演会は済生会新潟第二病院眼科で2010年2月より開始した企画です。若い医師とそれを支える指導者に、夢と希望を持って学問そして臨床に励んでもらおうと始めました。
 第10回講演会を予定しました。講師の先生には、若い人へのメッセージを添えて、取り組んでこられた研究テーマを中心に、これまでの学究生活について自叙伝風に語って頂きます。今回は、門之園一明先生(横浜市立大学教授;眼科)の抄録を掲載します。
 どなたでも参加できます。多くの皆様の参加をお待ちしております。 

「学問のすすめ」第10回講演会 済生会新潟第二病院眼科
15時〜
 座長 長谷部 日(新潟大学医学部眼科)
 演題1:「好きこそものの上手なれ;Tell it like it is !」
 講師 門之園 一明(横浜市立大学教授)

16時半〜
 座長 安藤伸朗(済生会新潟第二病院眼科) 
 演題2:「医療における心」
 講師:出田 秀尚(出田眼科名誉院長)
19時 終了
 

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演題1:「好きこそものの上手なれ;Tell it like it is !」
講師 門之園 一明(横浜市立大学教授)
【抄 録】
 「網膜剥離の父」って知っていますか。医局のフェローに聞いても、はっ?という感じなので、実はあまり知っている眼科医は少ないのではないでしょうか。 

 スイスのJules Goninが今から120年以上も前に、その頃、剥離の原因が分からなかった頃に、網膜裂孔が原因であると唱えて、それを実証した偉人です。時代に翻弄された人物とも言われています。ほとんどの網膜剥離が失明をしている恐ろしい病であった時代に、実に輝かしい仕事です。僕が研修を始めた、昭和の最後から平成にかけて、網膜剥離は研修医にとって、ひときわ、心がざわめく疾患でした。何といっても、手術には何時間もかかりますし、治療成績も芳しくなく、患者は悲壮感にくれているので、剥離が来ると大変な病気が来たなと、皆、そわそわしたわけです。当時、眼科は網膜剥離に始まり、網膜剥離に終わることを実感し、この疾患に非常に興味をもちました。 

 当時の僕が務めていた医局は、網膜剥離手術の専門ではなかったので大変に苦労しました。師匠は目の前にいるのではなく、探すものであると信じ聞かせ、この道の大家と呼ばれる先生のところへ何度となく足を運びました。大所帯の医局出身を羨ましくも思いました。技術を直接的に授かるものであった時代は、一見非効率ですが、スキル伝授以外に師匠からその精神性や生き様などを学ぶことのできるとても良い時代した。 

 そのような時代では、多くの青春の貴重な時間を病院や手術室で消費したことを残念にも思いますが、いくつか学んだこともあります。手術の上達は数であること、反面教師をもつこと、そして、論文を書くこと。特に、最後の論文とは、とても重要なことです。臨床医学なので、なにも大きな賞を目指す必要はありません。ただ、自分の正しいと信じていることを患者に提供するためには、他者の評価が必要ですよね。外科医は職人ですが、レストランの料理人と大きく異なる点です。論文を通して、専門家の厳しい視線に耐えた技術や学問こそが、本当に患者に幸福をあたえるのだと思いますし、少なくともそれを心がけることが臨床医には大切と思います。丁度、ゴナンが厳しい生涯をかけて網膜剥離を治したように。 

【略 歴】門之園一明
 1988年 横浜市立大学医学部卒業
 2000年 横浜市立大学眼科講師
 2007年 横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科教授
 2014年 横浜市立大学医学部視覚再生外科学講座教授
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@事前登録制
 参加費は無料ですが、会場準備の都合もあり、事前登録制(締切1月15日)です。参加希望の方は下記の要領で申し込み下さい。
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【事前登録】「学問のすすめ」第10回講演会 済生会新潟第二病院
 申込期間期限 平成28年01月15日(金)
 申し込み先:済生会新潟第二病院眼科 安藤伸朗 
  e-mail: gankando@sweet.ocn.ne.jp
  Fax: 025-233-6220
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【参加申し込み】「学問のすすめ」第10回講演会 済生会新潟第二病院
  氏名~
  所属(勤務先)~ 
  職業~ 
 住所(都道府県名と市町村名のみお願いします)
 連絡方法(可能な限り、メールでの連絡先をお願い致します)
   e-mail アドレス~
   Fax番号~
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注:専門の職員はおりません。電話でのお問い合わせには応じることが出来ません。お問い合わせ等は、メールでお願い致します。

 

@「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」
 福沢諭吉の「学問のすすめ」の一説としてあまりに有名ですが、本当に意味するところは以下の通りです。
 人は生まれながら貴賎上下の差別ない。けれども今広くこの人間世界を見渡すと、賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。その違いは何だろう?。それは甚だ明らかだ。賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。
 人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれどただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるのだ。