報告:第112回(05‐7月) 済生会新潟第二病院眼科勉強会  盲学校弁論大会
2005年7月13日

報告:第112回(05‐7月) 済生会新潟第二病院眼科勉強会
  期日:平成17年7月13日(水) 16:30~18:00
  場所:済生会新潟第二病院 眼科外来

『盲学校弁論大会 イン 済生会』
1)「点字で変わった私」 片野知美(中学部3年)
2)「私はあきらめない」 風岡秀典(高等部普通科2年)
3)「マッサージ業 戦国時代を生きぬく」 齋藤貴史(高等部専攻科理療科3年) 

【講演内容】
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1)「点字で変わった私」 片野知美(中学部3年) 

 小学校の頃は、字を見ると目が疲れ、頭が痛くなるので、本が大嫌いだった。小学校6年の時に、眼科医に「網膜色素変性」と告知された。その時はまだ視力は残っていたが、自分で盲学校への進学を決意した。盲学校で必死に点字を覚え、読書の楽しさを知った。読書が出来るようになり、何事にも自信が持てるようになった。「やれば出切る!」もっと点訳本が早く出版して欲しい。これからは自分から社会に向けて様々な事を発信していきたい。

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2)「私はあきらめない」 風岡秀典(高等部普通科2年)

 エンジニアになることが小さい頃からの夢だった。中学3年の時に「網膜色素変性」の診断。落ち込んだ。高校から盲学校へ進学。小さい頃からの夢「車・バイクのエンジニア」を諦めかけた頃、本田宗一郎展をみた。昭和20年ごろのマシンが今でも通用する。失敗にめげない開拓魂。プロジェクトXで、チューンの神様・ポップ吉村のことを知り、NHKに手紙をかいたら、本人から返事がきた。ポップ吉村の工場を訪ねることが出来た。私はバイクのエンジニアになる夢を諦めない。

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3)「マッサージ業 戦国時代を生きぬく」 齋藤貴史(高等部専攻科理療科3年)

 いわゆるマッサージ業は、国家試験を合格した免許所持者にしかできないが、無資格でマッサージ行為を行っている所には、整体・カイロプラクティック・リフレクソロジー(足裏健康法)、エステ等がある。それに対抗するためには、実力をつけること、そして将来はマッサージ研究機関を設立したい。無免許のマッサージ行為を取り締まることに行政は無力である。このマッサージ業界戦国時代を勝ち抜くには、実力で勝負するのが一番。不借身命。目標の達成のためには、私はどんな苦労もいとわない。

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【後 記】

 6月に北信越盲学校弁論大会に参加した3人の生徒に、済生会での弁論をお願いしました。片野さんは期末試験が終わったばかり、飛岡さんと斉藤さんは翌日も試験という状況で、一生懸命弁論を披露してくれました。爽やかな生き方、考え方に触れるからでしょうか、盲学校の生徒の弁論には毎回感動します。 

 片野さん 「将来の夢は?」との問いに、「これまでは多くの人に支えてもらった。これからは私が多くの人を支えたい」と語った一言が印象に残っています。

 飛岡さん 中学の頃の夢を未だに追い続けるという好青年。何度失敗しても決して諦めない。夢を追いかける少年は昔はよくいたものですが、現在のように偏差値で進路を決められてしまう進路指導では、ほとんどいない。爽やかさと凄さを感じました。

 斉藤さん 無免許が横行しているマッサージ業界に対して行政を批判するだけでなく、自らの技術を高め将来はマッサージ研究所を作り、マッサージの技術を追求したいという夢を語ってくれました。毎日夜遅くまで研鑚しているとのこと。大きなビジョンを緻密に実行に移している様を感じ、応援したくなりました。

 

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【全国盲学校弁論大会】

 1928(昭和3)年、点字大阪毎日(当時)創刊5周年を記念して「全国盲学生雄弁大会」の名称で開催された。当時はラジオ放送が始まったころであった。視覚障害者の存在を世の中にアピールし、社会との接点を持つうえで絶好の機会だった。時代や社会の流れに積極的にかかわっていこうという内容が多かった。

 大会は戦争末期から一時中断。47(同22)年に復活。75(同50)年の第44回からは名称を「全国盲学校弁論大会」に変更した。最近の弁論内容は、自らの障害の実態をより具体的に訴え、視覚障害者に対する社会的理解を一層促そうとする傾向がある。

 大会の参加資格は盲学校に在籍する中学部以上の生徒。高等部には、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の資格取得を目指す科があり、再起をかけて入学した中高年の中途視覚障害者も多く、幅広い年代の生徒が同じ土俵で競うのも特徴。

http://www.mainichi.co.jp/universalon/clipping/200210/440.html