案内 第259(17-09)済生会新潟第二病院眼科勉強会  小田浩一
2017年8月31日

案内 第259(17-09)済生会新潟第二病院眼科勉強会  小田浩一
  日時:平成29年09月13日(水)16:30 ~ 18:00
  場所:済生会新潟第二病院眼科外来
 演題:「視覚障害研究・開発の過去・現在・未来」
 講師:小田浩一 (東京女子大学教授)  

【講演抄録】
 研究者・大学教員としてのキャリアもあと10年で終わりの節目になるので、これまでの自分の仕事を振り返りながら、未来を展望してみる。振り返ってみると、これまでに研究に従事してきたテーマはおもに4つある。

 旧国立特殊教育総合研究所に赴任した当時に与えられたテーマは、コンピュータの視覚障害教育への応用であった。これは今流に言えば、ICTと視覚障害という大きなテーマになる。そういうテーマを与えられながらPCを操作していると自閉症だの、マシンが障害児の役に立つはずがないだのひどい批判を受けていた。オーストラリアに行ってユリーカA4という視覚障害のユーザ専用のPCの開発もした。あまりにも抵抗が大きいので、普及のためにPC講習会を開催したり、東京女子大学に転職後は大学のサーバをつかって全国規模のメーリングリストや視覚障害補助具のデータベースの公開などもした。Webアクセシビリティの初期の普及活動もした。杏林アイセンターでもロービジョン外来開設時はPC訓練にかなり力を入れていた。そのうちどっとブームが来たので、このテーマには少し距離を置くことにした。現在はタブレットPCが全盛で、今後はAIやVRがまた新しい可能性を開いていくと思われる。

 これと並行して、点字の研究をしながら文字のデザイン・媒体に興味をもち、点字フォントの開発をした。フォントの研究もそこから研究テーマの1つになった。その後の触覚でも視覚でも読みやすいForeFingerMの開発や最近の共同印刷との共同開発の小春良読体につながる。

 1987年にニューヨークに留学してロービジョンと読書の心理学を勉強してもどってから、これがメインの研究テーマになった。MNREADという読書評価チャートの日本版の開発を中心に、多くの研究が生まれている。読書に影響しそうないろいろなパラメータについて地味に調べているが、今年の国際学会では、欧米の研究者からそういう研究が必要だという意見が出ていた。

 杏林アイセンターに教え子が就職してからロービジョン外来に関わることになり、ロービジョン・リハビリテーション自体が4つ目のテーマになった。臨床から生まれるさまざまなニーズが重要な研究や実践を導いてくれる。今年の国際ロービジョン学会では、オランダのリハビリテーションのシステムを見学し、車の保険のようなシステムを見て将来の在り方について考えさせられた。 

【略 歴】
 1981年 千葉大学人文学部心理学専攻卒業
 1984年 東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退
 1984年 国立特殊教育総合研究所視覚障害教育研究員
 1987年 アメリカ合衆国ニューヨーク大学在外研究員
 1992年 東京女子大学現代文化学部講師
 2009年~ 東京女子大学現代教養学部教授 

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『済生会新潟第二病院 眼科勉強会』
 1996年(平成8年)6月から、毎月欠かさずに続けています。誰でも参加出来ます。
 話題は眼科のことに限らず、何でもありです。参加者は毎回約20から30名くらいです。患者さん、市民の方、医者、看護師、病院スタッフ、学生、その他興味のある方が参加しています。眼科の外来で行いますから、せいぜい5m四方の狭い部屋で、寺子屋的な雰囲気を持った勉強会です。 ゲストの方に約一時間お話して頂き、その後30分の意見交換があります。
  2018年3月で終了の予定。

  日時:毎月第2水曜日16:30~18:00(原則)
  場所:済生会新潟第二病院眼科外来    

*勉強会のこれまでの報告は、下記でご覧頂けます。
 1)ホームページ「すずらん」
  新潟市西蒲区の視覚に障がいのある人とボランティアで構成している音声パソコン教室ホームページ
 
 http://occhie3.sakura.ne.jp/suzuran/
 2)済生会新潟第二病院 ホームページ
 
  http://www.ngt.saiseikai.or.jp/section/ophthalmology/study.html
 3)安藤 伸朗 ホームページ
 
  http://andonoburo.net/
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【今後の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
平成29年09月02日(土) 開場13時半 研究会14時~17時50分
  新潟ロービジョン研究会2017
    会場:新潟大学医学部有壬記念館(ゆうじんきねんかん)
     2階会議室
 テーマ:「私と視覚リハビリテーション」
1)司会進行
   加藤聡(東大眼科)
   仲泊聡(理化学研究所)
   安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
  特別コメンテーター
   中村 透(川崎市視覚障害者情報文化センター)
   大島光芳(新潟県上越市) 
2)プログラム
 「眼科医40年 患者さんに学んだケアマインド」
    安藤伸朗(済生会新潟第二病院眼科)
 「私と視覚障害リハビリテーション」
    山田 幸男(新潟県保健衛生センター/信楽園病院/
     
     NPO法人障害者支援センター「オアシス」)
 「眼科医オールジャパンでできるロービジョンケアを考える」
    清水朋美 (国立障害者リハビリテーションセンター病院眼科)
 「ロービジョンケアとの出会い」
    高橋政代 (理化学研究所CDB 網膜再生医療研究開発プロジェクト)
 全体討論  

平成29年10月18日(水)16:30 ~ 18:00
 第260回(17-10)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  済生会新潟第二病院眼科「目の愛護デー講演会」
  「90歳が究め続けた緑内障の素顔と人生と」
  岩田和雄 (新潟大学名誉教授) 

平成29年11月08日(水)16:30 ~ 18:00
 第261回(17-11)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  演題未定
   仲泊 聡(理化学研究所 研究員;眼科医) 

平成29年11月18日(土)午後
 済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座
  会場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室
 演題:「人生の手応えを共にさがし求めて〜死にゆく人たちと語り合った20年〜」
 講師:細井順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市)
 
 http://andonoburo.net/on/5831 

平成29年12月13日(水)16:30 ~ 18:00
 
第262(17-12)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  演題未定
   関 恒子(長野県松本市)

平成30年01月10日(水)16:30 ~ 18:00
 第263回(18-01)済生会新潟第二病院眼科勉強会
 「ロービジョンケアを始めて分かったこと」
   加藤 聡(東京大学眼科准教授)