「夢について」 第213回(13‐11月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会(案内)
2013年10月29日

案内:第213回(13‐11月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会
 演題:「夢について」
 講師:櫻井 浩治 (精神科医、新潟市)
  日時:平成25年11月13日(水)16:30 ~ 18:00
  場所:済生会新潟第二病院 眼科外来  

【抄録】
 「夢」は不思議な現象です。「眠る」ということは、心臓や呼吸や胃腸など、身体の生きていくのに必要な生物的な部分以外は自然に動いていますが、見たり聴いたりすることや考えたり判断する、という精神の働き、つまり意識がはっきりとしていない状態に、一過性になることです。「夢」はこうした「眠り」の状態の中で、不可思議な映像を眠っているはずの脳に映し出し、見る人を驚かせたり、泣かせたり、楽しませたりする訳です。 

 この不思議な現象の「夢」が、眠りの中で生じるのかは現代医学でも分かっていません。分かっているのは、人間には、多分人類発生の頃より「夢」をみていたに違いない、という事実です。このことは、人間、というより動物が、何故眠らなければならないのかが分かっていないのと同じです。 

 ただ現代では、眠っている時も脳は完全に休息しているのではなく、「夢」という現象で休むことは無く働いていて、しかも人間を含む動物にとって必要だからこそ、そのような現象があるのだ、と考えられるようになりました。

 このことは「脳波」という脳の細胞の働きで生じる微量な電気的変動を観測できる機械が発明され、成人では約70分の「ノンレム期」とそれに引き続く約20分の「レム期」という2種類で合成された「眠り」の状態が、一晩に5回ほど繰り返されていて、しかもこの「レム期」で「夢」の殆どが見られている、ということが分かってからです。

 当日は、この「夢」の現象を、古代ではどのように考えていたかを「源氏物語」を例にして紹介し、近代の「夢分析」という治療法に触れ、同時に現代の脳科学からみた「夢」の実態についての仮説について、お話ししようと思います。

【略歴】
 1936年(昭和11)1月 新潟県地蔵堂町(現燕市)に生まれる。
 1964年(昭和39)新潟大学医学部卒業、慶応義塾大学医学部精神神経科学教室にて精神医学、心身医学を研鑽
 1969年(昭和44)10月、新潟大学医学部に勤務
 1998年(平成10)日本心身医学会総会(新潟)会長
 2001年(平成13)新潟大学医学部保健学科定年退職
       同年 新潟医療福祉大学に勤務
 2007年(平成19)河渡病院精神科デイケア棟勤務
    現在に至る

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 興味があって参加可能な方は、遠慮なくご参加下さい。どなたでも大歓迎です(参加無料、事前登録なし、保険証不要)。 ただし、お茶等のサービスもありません。悪しからず。

 今回の勉強会の一部は、「新潟大学工学部渡辺研究室」と「新潟市障がい者ITサポートセンター」のご協力によりネット配信致します。以下のURLにアクセスして下さい。下記のいずれでも視聴できます。
   http://www.ustream.tv/channel/niigata-saiseikai 
   http://nitsc.eng.niigata-u.ac.jp/saiseikai/ 
 録画はしておりません。当日の視聴のみ可能です。

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『済生会新潟第二病院 眼科勉強会』
 1996年(平成8年)6月から、毎月欠かさずに続けています。誰でも参加出来ます。話題は眼科のことに限らず、何でもありです。参加者は毎回約20から30名くらいです。患者さん、市民の方、医者、看護師、病院スタッフ、学生、その他興味のある方が参加しています。眼科の外来で行いますから、せいぜい5m四方の狭い部屋で、寺子屋的な雰囲気を持った勉強会です。ゲストの方に約一時間お話して頂き、その後30分の意見交換があります。 

   日時:毎月第2水曜日16:30~18:00(原則として)
   場所:済生会新潟第二病院眼科外来 

*勉強会のこれまでの報告は、下記でご覧頂けます。
 1)ホームページ「すずらん」
  新潟市西蒲区の視覚に障がいのある人とボランティアで構成している音声パソコン教室ホームページ
  http://www11.ocn.ne.jp/~suzuran/saisei.html

 2)済生会新潟第二病院 ホームページ
  http://www.ngt.saiseikai.or.jp/02/ganka/index5.html 

 3)安藤 伸朗 ホームページ
  http://andonoburo.net/

 

【次回以降の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
 平成25年12月11日(水)16:30~18:00
  「見えない・見えにくいという現実とのつきあい方」
    稲垣 吉彦 (有限会社アットイーズ;取締役社長) 

 平成26年01月8日(水)16:30~18:00
  「大震災でつかめない大多数の視覚障害者への強いこだわり
        ~ 一人の中途失明者に何もできず落ちこんで50年」
    加藤 俊和(社福:日本盲人福祉委員会 災害支援担当) 

 平成26年02月12日(水)16:30~18:00
   演題未定
    関 恒子 (松本市) 

 平成26年03月12(水)16:30 ~ 18:00 
  「私はなぜ“健康ファイル”を勧めるのか」
    吉嶺 文俊(新潟大学大学院 医歯学総合研究科総合地域医療学講座 
          特任准教授)