パネルディスカッション「ロービジョンケアに携わる人達」では、盲導犬訓練士の多和田悟氏に講演して頂きます。
「盲導犬とローヴィジョン」
多和田 悟
(公益財団法人)日本盲導犬協会 訓練事業本部長 常勤理事
【抄 録】
1993年の第2回リハビリテーション協会の研究発表大会で盲導犬を利用した弱視者の歩行訓練について発表した。当時は(現在でも?)どこの盲導犬協会も盲導犬使用の対象者は全盲に限るとされていた。それはLVの歩行において困るのは全盲であって多少でも見えるLVは困っていない、LVの保有視覚が訓練された犬のパフォーマンスを邪魔するなどという考え方であった。それはよく訓練された犬を信じてついていけばあなたは安全に歩ける、安全に歩けないのは犬の言う事を聞かないからである、との盲導犬歩行観があった。LVの方々も「私はまだ見える」「盲導犬を使うほどではない」という考えの方がほとんどであった。
LVの妻が全盲の夫の手を引いて盲導犬使用の申請に来られた。説明を聞く中で妻は「私も神経をすり減らすことなく楽しく歩きたい」と言われた。その結果、LVの盲導犬使用者と世界で初めて一頭の犬を二人で使う「タンデム」とが出来た。別のLVの方は歩行指導の終了後、夜に興奮して電話をかけてきて「コンサートに行ってきた」と報告してくれた。音楽家を目指していた彼女にとって夜のコンサートに行けたことは彼女自身のセルフエスティーム(自尊感情:self-esteem:自己肯定感)の回復に大いに役立ったことと思う。
現在ではLVの方の盲導犬使用は指導方法の進歩に伴って多くなってきている。今後はより個別のアプローチが出来るように歩行指導が計画され実行されるために歩行指導員の技術向上の機会が与えられることが求められる。
【略 歴】
1974年 青山学院文学部神学科中退
財団法人日本盲導犬協会の小金井訓練センターに入る。
(その後、同協会北陸盲導犬訓練所勤務。)
1982年 財団法人関西盲導犬協会設立時に訓練部長として参加。
1994年 国際盲導犬連盟のアセッサー(査察員)に任命される。
日本人では唯一(現在に至る)
1995年 オーストラリアのクイーンズランド盲導犬協会に
シニア・コーディネーターとして招聘される。
2001年 オーストラリアより帰国
財団法人関西盲導犬協会のシニア・コーディネーターに就任
(2004年2月)勇退。
2004年3月 財団法人日本盲導犬協会付設盲導犬訓練士学校の教務長に就任。
4月 財団法人日本盲導犬協会付設盲導犬訓練士学校 開校
2008年4月 財団法人日本盲導犬協会訓練事業部ゼネラルマネージャーを兼務
2012年6月 盲導犬訓練士学校を休止
公益財団法人日本盲導犬協会訓練技術・職員養成担当常勤理事就任
2015年4月 公益財団法人日本盲導犬協会 訓練事業本部長 常勤理事
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『新潟ロービジョン研究会2015』
日時:平成27年8月1日(土)
開場;13時30分 研究会14時~18時
会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
主催:済生会新潟第二病院眼科
テーマ:「ロービジョンケアに携わる人達」
事前登録制
会費無料、どなたでも参加出来ますが、会場準備の都合上、事前登録が必要です
【事前登録】新潟ロービジョン研究会2015
申込期間 平成27年6月15日(月)~7月19日(日)
ただし、会場の定員制限があり先着100名様までです
申し込み先:済生会新潟第二病院眼科 安藤伸朗
e-mail gankando@sweet.ocn.ne.jp
Fax 025-233-6220
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新潟ロービジョン研究会2015 参加申し込み
氏名~
所属(勤務先)~
職業~
住所~都道府県名と市町村名をお願いします
記載例~○○都道府県、○○市町村
連絡方法
e-mail アドレス~
Fax番号~
(可能な限り、メールでの連絡先をお願い致します)
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注:専門の職員はおりません。電話でのお問い合わせには応じることが出来ません。
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『新潟ロービジョン研究会2015』 概要
http://andonoburo.net/on/3629
14時~はじめに
安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院;眼科医)
14時05分~特別講演
座長:加藤 聡(日本ロービジョン学会理事長 東大眼科准教授)
『世界各国と比べた日本のロービジョンケア』
仲泊 聡(国立障害者リハビリテーションセンター;眼科医)
http://andonoburo.net/on/3638
15時~パネルディスカッション ~ 『ロービジョンケアに携わる人達』
司会:安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院;眼科医)
仲泊 聡(国立障害者リハビリテーションセンター;眼科医)
1)眼科医が行うロービジョンケア
加藤 聡(日本ロービジョン学会理事長 東大眼科准教授)
http://andonoburo.net/on/3646
2)NPOオアシスでやってきたこと、行っていること
山田 幸男 (新潟県保健衛生センター;信楽園病院 内科)
http://andonoburo.net/on/3657
3)ロービジョンケアにおける視能訓練士の関わり
西脇 友紀(国立障害者リハビリテーションセンター病院;視能訓練士)
http://andonoburo.net/on/3661
4)新潟盲学校が取り組む地域支援
渡邉 信子 (新潟県立新潟盲学校;教諭)
http://andonoburo.net/on/3669
5)盲導犬とローヴィジョン
多和田 悟 (公益財団法人:日本盲導犬協会 訓練事業本部長 常勤理事)
6)後悔から始まった看護師によるロービジョンケア
橋本 伸子(石川県;看護師)
7)嬉しかったこと、役立ったこと (患者の立場から)
大島 光芳 (上越市;視覚障がい者)
17時55分~おわりに
仲泊聡(国立障害者リハビリセンター病院 眼科部長)
18時~アジャーン(全員で会場片付け・自由討論)