ご案内:『日本医学哲学・倫理学会 第34回大会(新潟)』
2015年11月3日

  日時;2015年11月7日(土)〜 11月8日(日)
   会場;新潟大学医学部保健学科校舎
  (新潟市中央区旭町通2番町746番地 新潟大学医学部保健学科)
大会長 宮坂道夫(新潟大学保健学研究科・教授)
大会テーマ「わたしの病い、あなたの病い」
大会ホームページ:http://www.clg.niigata-u.ac.jp/~miyasaka/itr34/

【大会長の挨拶】
 戦後70年をむかえた日本の保健医療は、荒廃した国土から立ち上がり、高度経済成長期に国民皆保険制度を導入し、世界トップクラスの長寿社会を比較的安いコストによって実現したと評価されています。哲学・倫理学という観点からこの70年間を振り返ってみれば、輝かしい歩みの一方で、医学医療に向けられる社会のまなざしが変化してきた様子も読み取ることができそうです。第二次世界大戦そのものが、医療や科学技術の進展に対する反省的まなざしを決定的なものとした契機であり、そこから数十年の歳月をかけて「患者の権利」が少しずつ認知されていったことは、よくご承知の通りです。日本の医療は、バイオエシックスの波を受けながら「患者中心の医療」を指向し、「患者の声」にますます耳を傾けようとしているように思えます。最近では「ナラティヴ」や「ケア」のような概念が、医療現場で深化しつつあるようです。

 医学哲学・倫理学会第34回大会では、こうした問題意識から、「わたしの病い、あなたの病い」を大会テーマとして掲げることにいたしました。病いを抱え生きる患者、その患者に近しい人として関わる人たち、そして治療・ケアという職に就きかれらに向き合う保健医療の従事者たち——病いの当事者性は、今日の医学医療を考える上で不可欠な視点であり、また多様な研究領域の知見を必要とする学際的なテーマであります。本学会らしく、専門性の異なる多方面の研究者が語り合う場になることを期待しております。

特別講演(11月7日〔土〕15:45~17:00 第1会場D41教室)
 演題:呆けたカントに「理性」はあるか
 講師:大井 玄(東京大学医学部名誉教授)

大会シンポジウム(11月8日〔日〕9:00~11:20 第1会場D41教室)
 テーマ:わたしの病い、あなたの病い ~ 病いの “当事者性” を考える
 パネリスト:
   細井 順(ヴォーリズ記念病院)/ 門林道子(日本女子大学)/
   西村ユミ(首都大学東京)/ 清水哲郎(東京大学)