『第14回 越後眼科研究会』  案内
2013年10月5日

『第14回 越後眼科研究会』  案内
  日時:平成25年10月19日(土)17:00~19:30

  場所:チサンホテル&コンファランスセンター(越後東の間)
     新潟市中央区笹口 1-1 ℡:025-240-1111(代表)
  会費:1,000円

  新潟県の眼科勤務医が中心となって「越後眼科研究会」を、平成19年5月に立ち上げ、年に2回開催しています。日頃抱えている問題や症例を話し合い、また全国で活躍している先生をお呼びして最新・最前線のお話を伺っています。 

 今回は、極小切開である27G硝子体手術の開発者で、国内はおろか海外でも難治な症例を手術している超多忙な大島佑介先生(西葛西 井上眼科病院)をお招きして、開催致します。最新の硝子体手術関係のテクニックを拝見できるものと期待しています。一般演題も新潟県内から4題集まりました。どの演題も熱い討論が期待できます。 

 病院勤務医のみならず、開業医、大学勤務医、研修医、視能訓練士、看護師など多くの方々に参加して頂きたいと存じます。フランクな会でありますので、万障お繰り合わせの上、お気軽にお出かけ下されば幸いと存じます。

 

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 『第14回 越後眼科研究会』 プログラム 

17:00~ 一般演題     座長:橋本 薫(長岡赤十字病院眼科)
                  (講演10分.質疑5分)

1)アイファガン点眼液0.1%について
  ○千寿製薬株式会社 

2) 術中に腫瘍だと判明した急性涙嚢炎の1例
  ○橋本 薫、田中 玲子、武田 啓治(長岡赤十字病院眼科)
 症例は79歳女性。近医で急性涙嚢炎として複数回排膿処置を施行されていた。手術目的に当科紹介受診され、涙嚢摘出術を施行した。切開直後に充実性の組織を認め、腫瘍除去術を施行した。術後の病理検査で上顎洞癌由来のSCCと診断された。急性涙嚢炎でも術前のCT検査は必要であると思われた。

3) 網膜色素変性症のOCT所見
  ○安藤伸朗、大矢佳美、中村裕介(済生会新潟第二病院)
 網膜色素変性の治療については、人工網膜や再生医療、遺伝子治療などが話題になっているが実用化には、まだ数年あるいは数十年かかりそうである。現在臨床の現場では、白内障手術や黄斑浮腫など克服できる課題がある。今回は特にOCT所見を中心に臨床現場での問題を掘り下げる。 

4) 硝子体手術に至った網膜血管腫の1例
  ○ 村上健治(新潟市民病院)
 症例は15歳女性、網膜血管腫を伴う網膜剥離の診断で当科を紹介されて受診した。流入血管および血管腫本体に光凝固を施行し病勢は鎮静化したが徐々に黄斑上膜が出現し再び視力低下を来したため硝子体手術を施行し た。黄斑上膜が出現した場合は早期の硝子体手術が望ましい。 

5) 白内障手術術後合併症に対する網膜硝子体治療
  ○吉澤豊久(三条眼科)
 白内障手術には術中の核落下、眼内レンズ破損などに加えて、術後黄斑浮腫などの合併症がある。今回、術後に増悪したMPPE、網膜硝子体牽引症候 群により黄斑浮腫が悪化した2例を経験したので報告する。MPPEに対しては ranibizumabの硝子体注射、硝子体網膜牽引に対しては硝子体手術により視機能を改善させた。術後合 併症の原因・発症機序を見極め、それに応じた対処法を行うことが重要である。 

 (コーヒーブレーク) 

18:30~ 特別講演  座長:安藤 伸朗(済生会新潟第二病院)

 『重症増殖糖尿病網膜症に対する外科的治療のアップデート:小切開硝子体手術の進化と補助薬剤ベバシズマブの功罪』
  大島 佑介(西葛西 井上眼科病院)

 

尚、講演会終了後、19:30より情報交換会を予定しております。

 

【越後眼科研究会世話人】
 安藤 伸朗(済生会新潟第二病院:当番幹事) 村上 健治(新潟市民病院) 
 鈴木 恵子(新潟県立吉田病院) 橋本 薫(長岡赤十字病院)
 福島 淳志(長岡中央綜合病院)

 

【共催】 越後眼科研究会  千寿製薬株式会社

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【特別講演 抄録】

『重症増殖糖尿病網膜症に対する外科的治療のアップデート:小切開硝子体手術の進化と補助薬剤ベバシズマブの功罪』

 大島佑介(西葛西・井上眼科病院) 

 血管内皮増殖因子(VEGF)は増殖糖尿病網膜症などの虚血性網膜疾患における病態進行(眼内血管新生ならびに血管透過性亢進)にかかわる重要な生理活性タンパクであることが1994年にAielloらのグループによって初めて報告されて以来、眼内血管新生に対する種々の分子標的治療(抗VEGF療法)が考案され、今や実際の日常臨床の場において様々な疾患でその効果が試みられている。

 とりわけ、増殖糖尿病網膜症に合併するもっとも重篤な病態である血管新生緑内障(NVG)ならびに牽引性網膜剥離(TRD)に対する抗VEGF抗体(bevacizumab)の硝子体内投与(IVB)は、虹彩や網膜の新生血管の退縮や黄斑浮腫の軽減に著効を示し、しかも即効性であることが最大の魅力であり、まるで魔法の治療法が如く期待されていた。

 しかし、虚血性変化によるVEGFの分泌亢進を根本的に断ち切らない限り、IVB単独だけではNVGの病態進行や再燃を免れることはできないことが次第にわかってきた。さらにはTRDに対する手術の補助薬剤として用いるIVBであっても、これまで経験しないような合併症を経験することが新たに確認された。IVBは従来の網膜光凝固や手術治療とうまく組み合わせることで、より低侵襲な治療を実現できる可能性がある一方で、眼科領域においての使用がoff-labelであるだけに、生理活性として神経保護作用も有するVEGFに対する過剰抑制がもたらす危険性も十分に認識する必要性があると考えられる。 

 本口演では、NVGならびにTRDに対するIVB併用療法の利点と注意点を解説し、IVB前後の前房水VEGFの濃度変化に基づいて考察したbevacizumabの適正投与について私見を述べたい。さらにはTRDに対する治療の基本である硝子体手術における結膜を温存する小切開手術システムの意義とその開発の最先端について紹介したい。 

【略歴】
 1992 大阪大学医学部・卒業  大阪大学医学部眼科学教室・入局
 1993 多根記念眼科病院
 1995 淀川キリスト教病院眼科
 1997 大阪労災病院眼科
 1999 大阪大学大学院医学系研究科臓器制御学専攻(博士課程)
 2003 大阪大学大学院医学系研究科眼科学教室・助手
 2010 大阪大学大学院医学系研究科眼科学教室・講師
 2012 中国南開大学医学院・客員教授
 2013 西葛西井上眼科病院・副院長
    京都府立医科大学および近畿大学医学部眼科・客員講師 

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 *越後眼科研究会事務局**************
 950-1104 新潟市西区寺地280-7
 済生会新潟第二病院眼科
  安藤 伸朗  Noburo Ando,MD
    phone 025-233-6161
    Fax  025-233-6220
   e-mail gankando@sweet.ocn.ne.jp
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