案内:『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』 平形明人教授の紹介
2017年2月4日

案内:『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』 平形明人教授の紹介
  日時;2017年02月25日(土)
     開場:14時30分、公開講座:15時~18時
  会場:新潟大学医学部 有壬記念館(ゆうじんきねんかん)2階会議室
 テーマ:「眼科及び視覚リハビリの現状と将来を語る」
 主催:済生会新潟第二病院眼科 

【パネリスト】
・平形 明人(杏林アイセンター;主任教授)
  日本を代表する網膜硝子体手術術者の一人であり、多くの分野で我が国の眼科をリードするアイセンターの主任教授。眼科治療の最近の眼科治療の進歩を述べ、長年我が国の視覚リハビリを牽引してきた杏林アイセンター・ロービジョン外来の意義を語ります。

・高橋 政代(理化学研究所CDB 網膜再生医療研究開発プロジェクト)
  世界をリードする再生医療の研究者。最近の進歩(視細胞移植など)を紹介します。さらにNext Visionという形で治療、研究のみならず、リハビリ、就労支援、創業、ネットワークハブ、様々な新しいチャレンジを推進しており、今回は視覚リハビリの将来像を語ります。

・清水 美知子(フリーランスの歩行訓練士)
  長年歩行訓練士として多くの方と接し、障がい者からの信頼が厚い。我が国のみでなく海外で学んだ経歴を生かし、わが国の視覚障害リハビリの歴史を俯瞰し、将来のありよう、そして今後眼科医療に期待することを語ります。

【オーガナイザー】
・安藤 伸朗(済生会新潟第二病院眼科) 

 

●参加無料で、どなたでも参加できます。
 ただ会場の準備の都合もありますので、事前登録をお願い致します。
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【事前登録】済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017
 申込期限:平成29年02月23日(木)まで
 申し込み先:済生会新潟第二病院眼科 安藤伸朗
       e-mail gankando@sweet.ocn.ne.jp
       Fax:025-233-6110
 (可能な限り、メールでの連絡先をお願い致します)
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済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017に参加します
 氏名~ 

 所属(勤務先)~ 

 職業~ 

 住所~都道府県名と市町村名のみお願いします 

 連絡方法 e-mailアドレス~
      Fax ~

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注:事前登録をして頂いた方には、一週間以内にお返事致します。
  一週間を過ぎても当方からの連絡がない場合は、問い合わせください。
注:専門の職員はおりません。電話でのお問い合わせには応じることが出来ません。
 

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『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』 プログラム
15:00~はじめに
 安藤 伸朗(済生会新潟第二病院眼科)
15:05~講演1 「杏林アイセンターのロービジョン外来を振り返って」
 平形 明人(杏林アイセンター;主任教授)
  http://andonoburo.net/on/5303 

15:50~講演2 「網膜再生医療とアイセンター」
 高橋 政代(理化学研究所CDB 網膜再生医療研究開発プロジェクト)
  http://andonoburo.net/on/5331 

16:35~ コーヒーブレイク

16:45~講演3 「視覚障害リハビリテーションのこれまでとこれから」
 清水 美知子(フリーランスの歩行訓練士)
  http://andonoburo.net/on/5336 

17:30~ディスカッション「眼科及び視覚リハビリの現状と将来を語る」
 演者間、演者と会場でのディスカッション
18:00~終了

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【平形明人教授の紹介】
 
日本の大学病院では初となるアイセンターの立ち上げに尽力
 http://www.kyorin-u.ac.jp/hospital/doctor/doctor_detail-20.html
 (杏林大学医学部付属病院ホームページからロービジョンケアの部分のみ抜粋)
 

『ただ治療するだけではない。生活拡大につながるケアを大切にしています』

●杏林アイセンターの特徴であるロービジョンクリニックについて教えてください。

 手術をして治すだけではなく、術後にちゃんとした眼鏡や補助具を処方したり、歩行訓練をして、患者さんの生活が拡大するような手段を提供したり助言をすることが、患者さんの行動の拡大にもつながります。いくら網膜剥離を治しても、腫瘍を治療しても、患者さんの生活範囲が治療前と変わりなければ治療した甲斐がありません。 

 杏林大学病院のロービジョンクリニックは、基本的には患者さんのためにあります。低視力の方や失明された方に残存視機能や他の感覚器をうまく使っていただくための、補助具の使い方や道具の紹介、訓練施設の紹介や歩行指導やリハビリを行っています。たとえば、低視力の方が本や新聞を読む際に、文字や写真を大きく表示できる拡大読書機の紹介や実際の使い方などをアドバイスしています。患者さんができるだけ生活圏を広げて、その生活に慣れて喜ばれることが、医師としてもとてもやりがいを感じます。これが眼科医というより臨床医の基本だと思います。 

 このクリニックは研修医や医学生のためにもなっています。眼科医は単なる治療屋ではありません。傷が治った後、生活状況はどうかお話を伺って、生活に必要な物のアドバイスや道具の紹介を行います。杏林の研修医は、このようなロービジョンクリニックの様子や依頼の仕方を自然に身につけ、ただ治療をするだけでなく、患者さんの生活拡大につながる治療後のケアを勧んで行うように成長しています。ロービジョンクリニックのある杏林アイセンターならではの教育になっていると思います。教育病院や重篤な疾患を治療する眼科には、ロービジョン部門は絶対に必要と感じます。
 

●どんな経緯でロービジョンクリニックを導入したのですか?

 正直なところ、ロービジョンクリニックは直接的には医療収入につながりません。保険点数もなく、時間もかかります。しかし、先ほどお話したように、患者さんの生活拡大はとても重要なことです。アイセンターの立ち上げと共に、藤原教授、樋田教授と松田博青理事長へロービジョンクリニックの開設を要望したところ、採算が合わないにも関わらず、松田理事長は患者さんのためになる医療の必要性をご理解いただき開設を許可してくださいました。大変感謝しています。 

 これは、私が医師になってから思ったことですが、私がまだ5歳の頃、私の父の医院に日本で初めて誕生した盲導犬「チャンピィ」の主人となる方が療養していました。その方の娘さんが私と同じ位の年でしたので、ご家族の方とも親しくさせてもらいました。そのときは何も思いませんでしたが、目の見えない方の手を引いたり、歩行練習をしたり、手すりなどの設備を整えたりしていました。今思うとそれはリハビリにつながるのだと思うのですが、そのときの経験が、眼科医になった今とても貴重であると感じます。その経験が今のロービジョンクリニックの私の原点になっていると思います。 

●患者さんへのメッセージをお願いします。

 医療は、医師と患者さんの協力で行われるものです。お互いに相談しながら、治療を受けていただきたいと思います。残念ながら、病気は進行具合などによって、必ずしも完治するものではありませんし、治療できないものもあります。治療をして、完治しないことに苦しまれる方も多くいらっしゃいます。けれど、「見え方にゆがみが残ったけれど、前よりも見え方がずいぶん明るくなった」と前向きに病気を受け入れて生活圏拡大に努めていかれる方もたくさんいらっしゃいます。医師と患者さんとで、どちらか一方に寄りかかるのではなく、お互いに責任をもち相談し合ってよい医療を作っていかれればと思います。
 

【座右の銘】
「流水不濁 忙人不老」
 留学前に、恩師である植村恭夫教授が書いてくださった言葉です。ずっと部屋に飾ってあり、この言葉を掲げています。
 座右の銘ではありませんが、祖母の影響で「人生で信仰・希望・愛が大切である。このうち一番大切なのは愛である。」というキリスト教の教えを大切にしています。 

【プロフィール】
 名前 平形 明人 (ひらかた あきと)
 血液型 B型
 趣味 スポーツ(特にテニス、剣道)
 専門 網膜硝子体疾患

 1956年群馬県渋川市に生まれる。
 1982年慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院、国立東京第2病院、国立栃木病院(医長)などを経て、米国Duke大学アイセンターに留学
 1992年杏林大学医学部講師、1997年助教授、2005年教授、2008年主任教授となる。
 日本眼科学会評議員、日本網膜硝子体学会理事などを務める。