案内:第252回(17‐02月)済生会新潟第二病院眼科勉強会   附)宮坂道夫先生の講演歴
2017年2月5日

案内:第252回(17‐02月)済生会新潟第二病院眼科勉強会   
                  附)宮坂道夫先生の講演歴
 演題:「物語としての病い」
 講師:宮坂道夫(新潟大学医学部教授)

  日時:平成29年02月08日(水)16:30 ~ 18:00
  場所:済生会新潟第二病院 眼科外来

【抄 録】
 21世紀の医療には、あまり目立ちはしないが「物語論」という静かな潮流がずっと流れ続けている。そこには多様な実践が含まれているが、中でも注目したいのが、「病いの物語」をケアに用いる実践である。これは、1970年代に心理療法の中から誕生したナラティヴ・セラピーと呼ばれる一群の実践に端を発している。 

 そこでは、患者の「自己物語」と「認知・経験」とが矛盾することで心理的問題が生じると見なされ、治療者が患者に「自己物語の書き換え」を促すことが、ケアの目標となる。例えば、アルコール依存症の集団療法では、「自らを律して生きてきた」という自己物語を抱く患者に対して、「飲酒習慣を変えられず、自己破壊的な行動をとっている」という認知を促し、「自らを律せられない無力な自分が、他者の力を借りて困難を乗り越えようとしている」という新しい自己物語に書き換えさせることが目標とされる。 

 さらに近年では、「自己物語の書き換え」を目的とせず、治療者が患者の「自己物語の承認」を促すだけにとどめる実践例も多数報告されており、それらがケア的実践として成りたっていること自体が興味深い。 

 筆者が高齢者やハンセン病回復者に実践しているのは、「人生紙芝居」であるが、これは視覚的な手法なので、眼科領域ではそのままでは使えないかもしれない。たとえば聴覚や触覚、味覚や臭覚に働きかける方法が考案できないものか、参加者と一緒に考えてみたい。 

【略 歴】
 1965年長野県松本市生まれ。
 早稲田大学教育学部理学科生物学専修卒業、大阪大学大学院医学研究科修士課程修了、東京大学大学院医学系研究科博士課程単位取得、博士(医学、東大)。専門は医療倫理、ナラティヴ・アプローチ(医療における物語論)など。
 2011年より新潟大学医学部保健学科教授。
 著書に『医療倫理学の方法 - 原則, 手順, ナラティヴ』,(医学書院)、『ハンセン病 重監房の記録』(集英社)、『専門家をめざす人のための緩和医療学』(共著、南江堂)、『ナラティヴ・アプローチ』(共著、勁草書房)など。 

 宮坂道夫研究室ホームページ
 http://www.clg.niigata-u.ac.jp/~miyasaka/ 

 

宮坂道夫先生の本勉強会での講演歴(過去5回)
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報告:第158回(2009‐04月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会  宮坂道夫
 演題:「医療紛争のソフトな解決について」
 講師:宮坂 道夫(新潟大学医学部准教授)
  日時:平成21年4月8日(水) 17:00~18:30
    場所:済生会新潟第二病院 眼科外来
 http://andonoburo.net/on/5496 

報告:第139回(2007‐09月) 済生会新潟第二病院 眼科勉強会  宮坂道夫
  演題:『かつてハンセン病患者であった人たちとともに』
  講師:宮坂道夫(新潟大学医学部准教授)
     日時:平成19年9月12日(水) 16:30 ~ 18:00
     場所:済生会新潟第二病院 眼科外来
 http://andonoburo.net/on/5492 

報告:第80回(2003-01)済生会新潟第二病院眼科勉強会    宮坂道夫
  演題:『ファミリーハウス』
  講師:宮坂道夫(新潟大学医学部准教授)
     日時:平成15年01月08日(水) 16:30 ~ 18:00
     場所:済生会新潟第二病院 眼科外来
 http://andonoburo.net/on/5486 

報告:第70回(2002年3月) 済生会新潟第二病院 眼科勉強会  宮坂道夫
 演題:NBM(narrative based medicine)-物語論の観点から医療をとらえなおす-
 講師:宮坂道夫(新潟大学医学部保健学科講師)
  日時: 平成14年3月13日(水)16:00~17:30
  場所: 済生会新潟第二病院  眼科外来
 http://andonoburo.net/on/5500

案内:第55回 (2000年12月) 済生会新潟第二病院 眼科勉強会  宮坂道夫
 演題:「生命倫理って何だろう?」
 講師:宮坂道夫 (新潟大学医学部保健学科)
  日時:平成12年12月13日16:00~17:30
  場所: 済生会新潟第二病院  眼科外来
 http://andonoburo.net/on/5533 

 

【今後の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
 平成29年02月25日(土)15時~18時
    済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017
     会場:新潟大学医学部有壬記念館(ゆうじんきねんかん)2階会議室
     テーマ:「眼科及び視覚リハビリの現状と将来を語る」
  http://andonoburo.net/on/5460
  要事前登録(2月23日締め切り)
    パネリスト
     ・平形 明人(杏林アイセンター 主任教授)
      「杏林アイセンターのロービジョン外来を振り返って」
    http://andonoburo.net/on/5303
     ・高橋 政代(理化学研究所 プロジェクトリーダー)
      「演題:「網膜再生医療とアイセンター」
    http://andonoburo.net/on/5331
     ・清水美知子(フリーランスの歩行訓練士)
      「視覚障害リハビリテーションのこれまでとこれから」
    http://andonoburo.net/on/5336
    オーガナイザー
      安藤 伸朗(済生会新潟第二病院眼科) 

 平成29年03月08日(水)16:30 ~ 18:00
    第253回(17-03)済生会新潟第二病院眼科勉強会
     「私たちは生まれてくる子に何を望むのか」
      栗原 隆(新潟大学人文学部教授) 

  平成29年04月12日(水)16:30 ~ 18:00
    第254回(17-04)済生会新潟第二病院眼科勉強会
     「私たちの出前授業 45×2
    ~目の不自由な人の未来のために、子どもたちの“今”のために~」
      小島紀代子、小菅茂、入山豊次、吉井美恵子、三留五百枝
      (NPO法人障害者自立支援センターオアシス) 

  平成29年05月10日(水)16:30 ~ 18:00
    第255回(17-05)済生会新潟第二病院眼科勉強会
    「地域包括ケアシステムってなに?新潟市における医療と介護の連携から
    斎川克之(済生会新潟第二病院 地域連携福祉センター 副センター長
         新潟市医師会在宅医療推進室室長)                 

  平成29年06月07日(水)16:30 ~ 18:00
  第256(17-06)済生会新潟第二病院眼科勉強会
    「視覚障害者とスマホ・タブレット 2017」
      渡辺哲也(新潟大学 准教授:工学部 福祉人間工学科)
   4月から(新潟大学 准教授:工学部 工学科 人間支援感性科学プログラム) 

  平成29年07月
    第257(17-07)済生会新潟第二病院眼科勉強会
     新潟盲学校弁論大会 イン 済生会 (予定) 

 

  平成29年09月02日(土)午後
    新潟ロービジョン研究会2017 予定
     会場:新潟大学医学部有壬記念館(ゆうじんきねんかん)2階会議室
   テーマ:「私と視覚リハビリテーション」
      詳細未定 

 

 平成29年11月18日(土)午後
  済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座
  細井順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市)