研究会/勉強会・告知

 

2016年9月17日

『新潟ロービジョン研究会2016』 第13回案内 

 2001年から新潟でロービジョン研究会を、毎年開催しています。毎回、「この人にお話してもらいたい」という方に講演をお願いしていますが、今回も最高のメンバーにお集まり頂くことになりました。
 興味のある方は、どなたでも参加できます。ただし、会場の準備の都合もありますので事前登録をお願い致します。 

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『新潟ロービジョン研究会2016』
  日時:平成28年10月23日(日)
       開場:8時15分 研究会:8時45分~13時10分
  場所:有壬記念館(ゆうじんきねんかん)
     2階会議室(新潟大学医学部同窓会館)
      新潟市中央区旭町通1-757 TEL. 025-227-2037
  主催:済生会新潟第二病院眼科
  参加無料/要事前登録 

0.8:45~8:50
 はじめに  安藤伸朗(済生会新潟第二病院;眼科医)
1.8:50~10:20【第1部 連携を求めて】
 座長:仲泊 聡(神戸理化学研究所;眼科医)
    安藤伸朗(済生会新潟第二病院;眼科医)
1-1)  20分(講演17分+質疑3分)
 看護師が関わると、こんなに変わるロービジョンケア
   橋本伸子(しらお眼科;石川県白山市、看護師)
  http://andonoburo.net/on/4915
1-2)  30分(講演25分+質疑5分)
 情報障害に情報保障の光を、患者に学ぶビジョンケア
  三宅 琢(東京大学先端科学技術研究センター特任研究員;眼科医)
  http://andonoburo.net/on/4907
1-3) 30分(講演25分+質疑5分)
 視覚障害者のための転倒予防・体力増進教室
   ○山田 幸男 田村瑞穂 嶋田美恵子 久保尚人
   (新潟県視覚障害者のリハビリテーションを推進する会;NPOオアシス)
  http://andonoburo.net/on/4931
 質疑応答 10分
 

2.10:20~12:20【第2部 眼科医療と視覚リハビリ】
 座長:加藤 聡(ロービジョン学会理事長:東京大学、眼科医)
    安藤伸朗(済生会新潟第二病院;眼科医)
2-1) 30分(講演25分+質疑5分)
 最大のロービジョン対策は予防と治療:私の緑内障との闘い
  岩瀬愛子(たじみ岩瀬眼科;岐阜県多治見市、眼科医)
  http://andonoburo.net/on/4866
2-2) 20分(講演17分+質疑3分)
 新潟県の訓矇・盲唖学校設立に尽力した眼科医
  小西 明(済生会新潟第二病院医療福祉相談室、前新潟盲学校長)
  http://andonoburo.net/on/4922
-3) 30分(講演25分+質疑5分)
 我が国初の眼科リハビリテーションクリニック(順天堂大学)
 
 ー開設当時を振り返ってー
  佐渡一成(さど眼科;仙台市、眼科医)
  http://andonoburo.net/on/4880
2-4) 30分(講演25分+質疑5分)
 眼科医・原田政美の障害者福祉理念と功績
  香川スミ子(元 浦和大学)
   http://andonoburo.net/on/4903
 質疑応答 10分
 

3.12:20~13;05 【第3部 熊本地震を考える】
 座長:加藤 聡(ロービジョン学会理事長:東京大学、眼科医)
    仲泊 聡(神戸理化学研究所;眼科医)
3-1)  30分(講演25分+質疑5分)
 熊本地震と災害時視覚障害者支援
  出田隆一 (出田眼科院長;熊本)
  http://andonoburo.net/on/4935
 質疑討論 15分
 

4.13:05~13:10 
   おわりに   仲泊 聡(神戸理化学研究所;眼科医)
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【事前登録】新潟ロービジョン研究会2016
 申込期間:10月15日(土)まで
 申し込み先:済生会新潟第二病院眼科 安藤伸朗 
  e-mail gankando@sweet.ocn.ne.jp
  Fax 025-233-6220 
 (可能な限り、メールでの連絡先をお願い致します)
***************************************************
 新潟ロービジョン研究会2016 参加申し込み 

  氏名~  

  所属(勤務先)~  

  職業~  

 住所~都道府県名と市町村名をお願いします
  記載例~○○都道府県、○○市町村 

 連絡方法
   e-mailアドレス~

   Fax番号~

 **************************************************** 

注:事前登録をして頂いた方には、一週間以内にお返事致します。
  一週間を過ぎても当方からの連絡がない場合は、問い合わせください。
注:専門の職員はおりません。電話でのお問い合わせには応じることが出来ません。

2016年9月12日

案内 第2回【なでしこ会】 (済生会新潟第二病院眼科 病診連携の会) 

「なでしこ会」(済生会新潟第二病院眼科 病診連携の会)を行います。
 今回は、糖尿病網膜症をテーマに、眼科と内科の両面から討論してみたいと思います。ご存じの通り、我が国における視覚障害の原因として糖尿病網膜症は代表的な疾患の一つです。眼科では長い間、網膜症による視覚障害との戦いがあり、網膜光凝固・硝子体手術・薬物(抗VEGF)等々、年々進歩してきています。一方内科でも急増する糖尿病患者に対する治療は、1921年インスリンの発見を契機に進み、殊に近年はインクレチン製剤、SGLT2阻害剤等々糖尿病治療が年々進歩してきています。眼科・内科での糖尿病網膜症に対する治療の現状を語り、皆様からの疑問にお答えし、討論したいと思います。期待してご参加下さい。 

【第2回なでしこ会】 済生会新潟第二病院眼科 病診連携の会
  日時:2016年9月13日(火) 19:00~21:00
  会場:ホテルオークラ新潟 5階メイフェア
 テーマ:「糖尿病網膜症の管理」
 総合座長 安藤伸朗(済生会新潟第二病院 眼科部長)
 1.眼科から 安藤伸朗(済生会新潟第二病院眼科)
 2.内科から 津田晶子(木戸病院内科)
共催:済生会新潟第二病院眼科
     
ノバルティス  ファーマ㈱

お弁当を用意致します。

当日参加もOKですが、準備の都合上事前連絡を頂けると嬉しいです。
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【事前登録】第2回なでしこ会(済生会新潟第二病院眼科病診連携の会)
(参加する 参加しない)

 氏名

 所属の病院・医院

 専門診療科 〜 眼科・内科・小児科・その他

 メールアドレス

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@「なでしこ会」命名の由来
 大正1年以来、撫子(なでしこ)は済生会の紋章として用いられています。
 http://www.saiseikai.or.jp/about/reason/

 

講演1 座長 中村裕介(済生会新潟第二病院 眼科)
 演 題:糖尿病網膜症治療の変遷と最近の話題
 講 師:安藤伸朗(済生会新潟第二病院 眼科)

【抄 録】
 糖尿病網膜症による視覚障害との戦いは、これまで長い間続いている。
1.眼科の糖尿病網膜症治療の歴史
 近代眼科学の発展は、1851年Helmholtzの検眼鏡開発に始まる。その後眼科学は飛躍的に発展した。1869年糖尿病網膜炎の報告、1956年キセノン光凝固、1961年 螢光眼底撮影開発、日本臨床眼科学会GD「糖尿病網膜症」設立、1971年硝子体手術、1976年日本初の硝子体手術と続く。
2.眼科医になってから40年間 第一線での糖尿病網膜症との戦い
 私の父も眼科医であるが、昭和30年代から40年代前半までは、視覚障害を来す疾患の中で、糖尿病網膜症はそれほど重要な疾患とは認識されていなかったという。しかし私が1977年(昭和52年)新潟大学医学部を卒業し、眼科医になった頃は、糖尿病網膜症は我が国における視覚障害を来す代表的な疾患であった。眼科医になっても全身的な疾患と関わっていたいという思いもあり、1979年より新潟大学眼科で糖尿病外来を担当した。当時の網膜症外来では蛍光眼底撮影と光凝固(当初はキセノン凝固、その後アルゴンレーザー凝固)の日々であった。
 1980年ごろからは、硝子体手術に取り組んだ。当時は手術器具も稚拙で、術中術後合併症が多く、手術時間も2~3時間を超えることもしばしばであった。少しずつ成功例を増やし、硝子体手術症例が1500例を超えた1991年、米国Duke大学に留学(血液眼関門の研究)。わずか1年の留学であったが、Machemerらの手術を毎週見学し、術後回診にも参加することができた。
 糖尿病網膜症に関する医学の進歩は著しく、1991年OCT 開発、1994年糖尿病網膜症の発症進展にVEGF(血管内皮細胞増殖因子)の関与が明らかになり、糖尿病網膜症の治療に抗VEGFの効果が明らかになった。1995年に糖尿病眼学会設立、1996年私は大学での18年9か月の大学で生活を経て、済生会新潟第二病院に就職し今日まで20年6か月を超えるに至っている。
3.糖尿病網膜症治療の話題の変遷
 我が国の眼科における糖尿病網膜症に関する研究の動向を知るため、毎年秋に開催される日本臨床眼科学会における一般講演・学術展示の演題を1995年より10年毎に調べた。糖尿病網膜症に関する演題は、1995年25題、2005年30題、2015年23題であった。主な演題の内容は、1995年:増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術、2005年:糖尿病黄斑症に対する硝子体手術、2015年:糖尿病黄斑浮腫に対する抗VEGF療法と変遷してきた。
4.今日的課題
 2014年日本で認可された抗VEGF療法は、糖尿病網膜症治療を一変させたが、多くの問題を抱えている。抗VEGFの適正な使用法を含め、新しい治療法の確立が今後の課題である。 

【略 歴】 安藤伸朗(あんどう のぶろう)
      済生会新潟第二病院 第4診療部長、眼科部長
 1977年(昭和52年)新潟大学医学部卒業
   
   新潟大学眼科学教室入局
         浜松聖隷病院勤務(1年6ヶ月)
 1982年(昭和57年)新潟大学医学部助手(眼科)
 1987年(昭和62年)新潟大学医学部講師(眼科)
      米国Duke大学留学(1年間)
 1996年(平成8年)済生会新潟第二病院眼科部長
 2014年(平成26年)杏林大学医学部非常勤講師(眼科)
  日本糖尿病眼学会理事、日本眼循環学会理事、日本ロービジョン学会理事
  公益社団法人日本眼科医会「日本の眼科」編集委員
  新潟大学医学部医学科臨床准教授
  杏林大学非常勤講師

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講演2 座長 安藤伸朗(済生会新潟第二病院 眼科部長)
 演 題:内科医からみた糖尿病治療と網膜症治療の進歩と課題
 講 師:津田晶子(木戸病院 内科)
【抄 録】
 1982年、新潟大学病院通院中の1型糖尿病患者さんの網膜症は直線的な進行が認められていました。インスリン強化療法や汎網膜光凝固療法などが始まったばかりの頃です。「これではいけない」と1981年、新潟でも血糖自己測定・ポンプ治療・インスリン強化療法開始。同年ようやく、インスリン自己注射やHbA1が保健適用。1986年血糖自己測定保険適用。
 35年後の現在では、通院をきちんとされている患者さんでは1型糖尿病であっても、網膜症がほとんど見られなくなりました。また進行しかかった網膜症が鎮静化できた方も大勢いらっしゃいます。眼科治療の進歩は目覚ましく、本当にお世話になっております。
 一方、今、問われているのは、細小血管症だけでなく、動脈硬化症や認知症やロコモティブ シンドローム(locomotive syndrome)や癌などを如何に早期に発見し予防できるかが、という一つの科や医療機関の枠を超えた、課題に思われます。
 健診からの受診率はいまだに低く、若年発症2型糖尿病や高血圧症の治療中断は高率で、特に自営業・非正規労働者・長距離運転業などで目立ちます。38歳にして、脳に心臓に動脈硬化症を進行させた症例、放置期間が長く、腎・眼・神経障害/OHが進行した55歳の症例、をご紹介したいと思います。受診された患者さんを診るだけで終わらせず、受診や通院継続がもっと容易にできるような、病診連携や各科連携、健診とのタイアップを進めてゆく必要を感じています。

【略 歴】 津田晶子(つだ あきこ)
       木戸病院 糖尿病内科
 1977年(昭和52年)新潟大学医学部卒業
       木戸病院・長岡赤十字病院で内科研修後
 1979年(昭和54年)新潟大学医学部第一内科入局。
 1985年(昭和60年)       第一内科助手。
 1989年(平成元年)木戸病院勤務。
             内科部長、糖尿病内科科長。
 2013年(平成25年)糖尿病センター長
    メデイカルフイットネスwith所長
日本内科学会  内科認定医 研修指導医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医 糖尿病研修指導医
日本内分泌学会 内分泌専門医
日本糖尿病学会 評議委員
日本先進糖尿病治療研究会 世話人
研究テーマ
  1型糖尿病のインスリン治療
  2型糖尿病のトータルケア
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2016年9月6日

ご案内 『第20回 越後眼科研究会』 

 病院眼科勤務医を中心として有志が平成19年5月に立ち上げた『越後眼科研究会』も今回で20回目を迎えることとなりました。今回は、20回記念として、山本修一先生(千葉大学眼科教授)と堀純子先生(日本医大眼科准教授)のお二人をお迎えし特別講演2題で構成致します。
 フランクな会でありますので、万障お繰り合わせの上、お気軽にご参加ください。病院勤務医のみならず、開業医、大学勤務医、研修医、視能訓練士、看護師、学生など多くの方々の参加を期待しております。 
 

第20回 越後眼科研究会 プログラム
 日 時:平成28年9月24日(土)17:00~19:30
 会 場:ホテルオークラ新潟(3Fクラウンルーム)
     新潟市中央区川端町6-53 電話:025-224-6111(代表) 

17:00~ 薬事説明
17:15~ 特別講演Ⅰ
 『実践!強膜炎診療〜全身性疾患を見抜き、最適治療を選択する〜』
  堀 純子 (日本医科大学 眼科 准教授) 
18:30~ 特別講演Ⅱ
 『網膜疾患の今日、病院眼科の明日』
  山本 修一 (千葉大学医学部附属病院 病院長 眼科教授)    

  尚、講演会終了後 19:30より情報交換会を予定しております。 

 

 

【越後眼科研究会世話人】
 安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院:世話人代表)  
 村上 健治 (新潟市民病院)
 橋本 薫   (長岡赤十字病院:当番幹事) 
 山本 達郎 (亀田眼科クリニック) 

 共催:越後眼科研究会  千寿製薬株式会社

2016年9月2日

 「なでしこ会」(済生会新潟第二病院眼科 病診連携の会)を行います。
 白内障や網膜剥離・眼底疾患を中心に、いつも多くの患者を紹介して頂いておりますが、時に興味深いケースもあります。そこで県内外の専門の先生に協力して頂き、症例検討を中心に病診連携の会を開催することに致しました。開業医の先生方や大学の先生や研修医、眼科に限らず医師や医療関係者であればどなたでも参加することの出来る会です。堅苦しくなく、しかも勉強になる検討会にしたいと思います。 
 今回は、糖尿病網膜症をテーマに、眼科と内科の両面から討論してみたいと思います。ご存じの通り、我が国における視覚障害の原因として糖尿病網膜症は代表的な疾患の一つです。眼科では長い間、網膜症による視覚障害との戦いがあり、網膜光凝固・硝子体手術・薬物(抗VEGF)等々、年々進歩してきています。一方内科でも急増する糖尿病患者に対する治療は、1921年インスリンの発見を契機に進み、殊に近年はインクレチン製剤、SGLT2阻害剤等々糖尿病治療が年々進歩してきています。眼科・内科での糖尿病網膜症に対する治療の現状を語り、皆様からの疑問にお答えし、討論したいと思います。
 期待してご参加下さい。
 

【第2回なでしこ会】 済生会新潟第二病院眼科 病診連携の会
 日時:2016年9月13日(火) 19:00~21:00
 会場:ホテルオークラ新潟 5階メイフェア
 テーマ:「糖尿病網膜症の管理」
  総合座長 安藤伸朗(済生会新潟第二病院 眼科部長)
  1.眼科から 安藤伸朗(済生会新潟第二病院眼科)
  2.内科から 津田晶子(木戸病院内科)
 共催:済生会新潟第二病院眼科
    ノバルティス  ファーマ㈱ 

 お弁当を用意致します。 

当日参加もOKですが、準備の都合上事前連絡を頂けると嬉しいです。
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【事前登録】第2回なでしこ会(済生会新潟第二病院眼科病診連携の会)
 (参加する 参加しない)
   氏名
   所属の病院・医院
   専門診療科 〜 眼科・内科・小児科・その他
   メールアドレス
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@「なでしこ会」命名の由来
 大正1年以来、撫子(なでしこ)は済生会の紋章として用いられています。
 http://www.saiseikai.or.jp/about/reason/

 

講演1 座長 中村裕介(済生会新潟第二病院 眼科)
 演 題:糖尿病網膜症治療の変遷と最近の話題
 講 師:安藤伸朗(済生会新潟第二病院 眼科)
【抄 録】
 糖尿病網膜症による視覚障害との戦いは、これまで長い間続いている。
1.眼科の糖尿病網膜症治療の歴史
 近代眼科学の発展は、1851年Helmholtzの検眼鏡開発に始まる。その後眼科学は飛躍的に発展した。1869年糖尿病網膜炎の報告、1956年キセノン光凝固、1961年 螢光眼底撮影開発、日本臨床眼科学会GD「糖尿病網膜症」設立、1971年硝子体手術、1976年日本初の硝子体手術と続く。 

2.眼科医になってから40年間 第一線での糖尿病網膜症との戦い
 私の父も眼科医であるが、昭和30年代から40年代前半までは、視覚障害を来す疾患の中で、糖尿病網膜症はそれほど重要な疾患とは認識されていなかったという。しかし私が1977年(昭和52年)新潟大学医学部を卒業し、眼科医になった頃は、糖尿病網膜症は我が国における視覚障害を来す代表的な疾患であった。眼科医になっても全身的な疾患と関わっていたいという思いもあり、1979年より新潟大学眼科で糖尿病外来を担当した。当時の網膜症外来では蛍光眼底撮影と光凝固(当初はキセノン凝固、その後アルゴンレーザー凝固)の日々であった。

 1980年ごろからは、硝子体手術に取り組んだ。当時は手術器具も稚拙で、術中術後合併症が多く、手術時間も2~3時間を超えることもしばしばであった。少しずつ成功例を増やし、硝子体手術症例が1500例を超えた1991年、米国Duke大学に留学(血液眼関門の研究)。わずか1年の留学であったが、Machemerらの手術を毎週見学し、術後回診にも参加することができた。

 糖尿病網膜症に関する医学の進歩は著しく、1991年OCT 開発、1994年糖尿病網膜症の発症進展にVEGF(血管内皮細胞増殖因子)の関与が明らかになり、糖尿病網膜症の治療に抗VEGFの効果が明らかになった。1995年に糖尿病眼学会設立、1996年私は大学での18年9か月の大学で生活を経て、済生会新潟第二病院に就職し今日まで20年6か月を超えるに至っている。 

3.糖尿病網膜症治療の話題の変遷
 我が国の眼科における糖尿病網膜症に関する研究の動向を知るため、毎年秋に開催される日本臨床眼科学会における一般講演・学術展示の演題を1995年より10年毎に調べた。糖尿病網膜症に関する演題は、1995年25題、2005年30題、2015年23題であった。主な演題の内容は、1995年:増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術、2005年:糖尿病黄斑症に対する硝子体手術、2015年:糖尿病黄斑浮腫に対する抗VEGF療法と変遷してきた。 

4.今日的課題
 2014年日本で認可された抗VEGF療法は、糖尿病網膜症治療を一変させたが、多くの問題を抱えている。抗VEGFの適正な使用法を含め、新しい治療法の確立が今後の課題である。 

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講演2 座長 安藤伸朗(済生会新潟第二病院 眼科部長)
 演 題:内科医からみた糖尿病治療と網膜症治療の進歩と課題
 講 師:津田晶子(木戸病院 内科)
【抄 録】
 1982年、新潟大学病院通院中の1型糖尿病患者さんの網膜症は直線的な進行が認められていました。インスリン強化療法や汎網膜光凝固療法などが始まったばかりの頃です。「これではいけない」と1981年、新潟でも血糖自己測定・ポンプ治療・インスリン強化療法開始。同年ようやく、インスリン自己注射やHbA1が保健適用。1986年血糖自己測定保険適用。 

 35年後の現在では、通院をきちんとされている患者さんでは1型糖尿病であっても、網膜症がほとんど見られなくなりました。また進行しかかった網膜症が鎮静化できた方も大勢いらっしゃいます。眼科治療の進歩は目覚ましく、本当にお世話になっております。 

 一方、今、問われているのは、細小血管症だけでなく、動脈硬化症や認知症やロコモティブ シンドローム(locomotive syndrome)や癌などを如何に早期に発見し予防できるかが、という一つの科や医療機関の枠を超えた、課題に思われます。 

 健診からの受診率はいまだに低く、若年発症2型糖尿病や高血圧症の治療中断は高率で、特に自営業・非正規労働者・長距離運転業などで目立ちます。38歳にして、脳に心臓に動脈硬化症を進行させた症例、放置期間が長く、腎・眼・神経障害/OHが進行した55歳の症例、をご紹介したいと思います。受診された患者さんを診るだけで終わらせず、受診や通院継続がもっと容易にできるような、病診連携や各科連携、健診とのタイアップを進めてゆく必要を感じています。
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2016年9月1日

案内 第247回(16-09)済生会新潟第二病院眼科勉強会 (林 豊彦) 

 演題:新潟市障がい者ITサポートセンターの8年間の挑戦
    〜障がい者・高齢者の技術支援の社会資源化をめざして〜
 講師:林 豊彦(新潟大学工学部教授/新潟市障がい者ITサポートセンター長)
  日時:平成28年09月14日(水)16:30 ~ 18:00
  場所:済生会新潟第二病院眼科外来 

【抄 録】
 新潟市に障がい者ITサポートセンターは2008年10月に設立された。20世紀後半以降、電子情報通信技術(ICT)は革新的な進歩をとげ、社会の仕組みを大きく変えた。世界中を同時に結び、かつ双方向に情報を送受信できるこの技術は、移動・コミュニケーションに問題をもつことが多い障がい者にとっても画期的な技術である。ところが障がい者はその恩恵を受けていなかった。理由は、障がい者が関わる医療・福祉関係者がICT支援機器を知らないからである。その結果、設立当初の調査によれば、90%以上の障がい者が代表的な支援機器を知らなかった。そこで我々がとった戦略は、障がい者が必ずかかわる学校と病院と積極的に連携することであった。設立から8年経った今、新潟市教育センター、市内のほとんどの特別支援学校、多くの病院や訪問看護・看護ステーションと連携しながら活動している。その結果、設立当初、半年で81件だった支援件数は、2015年度月平均81件となり、年度全体の支援件数が千件を超えた。 

 現在の体制は、センター長以外、支援員1人、事務員1人、作業療法士1人である。これではこれ以上の直接的支援は困難であることから、近年は、保護者、教員、医療・福祉関係者の教育にも力を入れている。昨年度、学校・病院での単発の研修・講座21件、e-AT技術者養成講座(全5回、新潟県作業療法士会・言語聴覚士会との共催)、新潟病院でのミニ研修会(全5回)、市立西特別支援学校での保護者向けiPad講習(全12回)などを実施している。新潟市障がい者ITサポートセンターの挑戦は大きな成果をあげたが、今もまだ続いている。 

【略 歴】
 長岡市出身。
 1977年(S52)新潟大学工学部・電子工学科卒、1979年(S54)同大院・工学研究科修士課程了、同年同大歯学部・助手、1986年(S61)歯学博士(新潟大)、1987(S62)同大歯学部附属病院・講師、1989年(S64)工学博士(東京工業大)、1991年(H3)同大工学部情報工学科・助教授、1996年(H8)米国Johns Hopkins大・客員研究員、1998年(H10)同大工学部福祉人間工学科・教授、2008年(H20)新潟市障がい者ITサポートセンター長(兼任)、2016年(H28)同大地域創生再生機構・副機構長(兼任)。
 2017年(H29)同大工学部工学科・人間支援感性科学プログラム・教授(予定)
 専門は生体医工学、支援技術、人間工学。 

 

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「新潟大学工学部渡辺研究室」と「新潟市障がい者ITサポートセンター」のご協力により実況ネット配信致します。以下のURLにアクセスして下さい。
  http://www.ustream.tv/channel/niigata-saiseikai
 当日の視聴のみ可能です。当方では録画はしておりません。録画することは禁じておりませんが、個人的な使用のみにお願いします。
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『済生会新潟第二病院 眼科勉強会』
 1996年(平成8年)6月から、毎月欠かさずに続けています。誰でも参加出来ます。話題は眼科のことに限らず、何でもありです。参加者は毎回約20から30名くらいです。患者さん、市民の方、医者、看護師、病院スタッフ、学生、その他興味のある方が参加しています。眼科の外来で行いますから、せいぜい5m四方の狭い部屋で、寺子屋的な雰囲気を持った勉強会です。ゲストの方に約一時間お話して頂き、その後30分の意見交換があります。
 日時:毎月第2水曜日16:30~18:00(原則として)
 場所:済生会新潟第二病院眼科外来   

*勉強会のこれまでの報告は、下記でご覧頂けます。
 1)ホームページ「すずらん」
  新潟市西蒲区の視覚に障がいのある人とボランティアで構成している音声パソコン教室ホームページ
 http://occhie3.sakura.ne.jp/suzuran/

 2)済生会新潟第二病院 ホームページ
  http://www.ngt.saiseikai.or.jp/section/ophthalmology/study.html

 3)安藤 伸朗 ホームページ
  http://andonoburo.net/

【今後の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
平成28年10月12日(水)16:30 ~ 18:00
 第248回(16-10)済生会新潟第二病院眼科勉強会
 (目の愛護デー講演会)
  「2020年に向けて、視覚障がい者スポーツを応援しよう」
  大野 建治(上野原市立病院;山梨県、眼科医) 

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『新潟ロービジョン研究会2016』 プログラム案(暫定)
  日時:平成28年10月23日(日)
    開場:8時15分 研究会:8時45分~13時10分
  場所:有壬記念館(ゆうじんきねんかん)
      2階会議室(新潟大学医学部同窓会館)
      新潟市中央区旭町通1-757 TEL. 025-227-2037
     http://www.med.niigata-u.ac.jp/yujin/
  主催:済生会新潟第二病院眼科
  参加無料/要事前登録
0.8:45~8:50
 はじめに  安藤伸朗(済生会新潟第二病院;眼科医)
1.8:50~10:20
【第1部 連携を求めて】
 座長:仲泊 聡(神戸理化学研究所;眼科医)
    安藤伸朗(済生会新潟第二病院;眼科医)
1-1)  20分(講演17分+質疑3分)
 看護師が関わると、こんなに変わるロービジョンケア
   橋本伸子(しらお眼科;石川県白山市、看護師)
  http://andonoburo.net/on/4915
1-2)  30分(講演25分+質疑5分)
 情報障害に情報保障の光を、患者に学ぶビジョンケア
   三宅 琢(東京大学先端科学技術研究センター特任研究員;眼科医)
  http://andonoburo.net/on/4907
1-3) 30分(講演25分+質疑5分)
 視覚障害者のための転倒予防・体力増進教室
   ○山田 幸男 田村瑞穂 嶋田美恵子 久保尚人
   (新潟県視覚障害者のリハビリテーションを推進する会;NPO法人オアシス)
  http://andonoburo.net/on/4931 

 質疑応答 10分 

2.10:20~12:20
【第2部 眼科医療と視覚リハビリ】
 座長:加藤 聡(ロービジョン学会理事長:東京大学、眼科医)
    安藤伸朗(済生会新潟第二病院;眼科医)
2-1) 30分(講演25分+質疑5分)
 最大のロービジョン対策は予防と治療:私の緑内障との闘い
   岩瀬愛子(たじみ岩瀬眼科;岐阜県多治見市、眼科医)
  http://andonoburo.net/on/4866
2-2) 20分(講演17分+質疑3分)
 新潟県の訓矇・盲唖学校設立に尽力した眼科医
   小西 明(済生会新潟第二病院医療福祉相談室、前新潟盲学校長)
  http://andonoburo.net/on/4922
2-3) 30分(講演25分+質疑5分)
 我が国初の眼科リハビリテーションクリニック(順天堂大学)
 ー開設当時を振り返ってー
   佐渡一成(さど眼科;仙台市、眼科医)
  http://andonoburo.net/on/4880
2-4) 30分(講演25分+質疑5分)
 眼科医・原田政美の障害者福祉理念と功績
   香川スミ子(元 浦和大学)
  http://andonoburo.net/on/4903 

 質疑応答 10分 

3.12:20~13;05
 【第3部 熊本地震を考える】
 座長:加藤 聡(ロービジョン学会理事長:東京大学、眼科医)
    仲泊 聡(神戸理化学研究所;眼科医)
3-1)  30分(講演25分+質疑5分)
 熊本地震と災害時視覚障害者支援
   出田隆一 (出田眼科院長;熊本)
  http://andonoburo.net/on/4935 

 討論 15分 

4.13:05~13:10 
  おわりに  仲泊 聡(神戸理化学研究所;眼科医)
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平成28年11月09日(水)16:30 ~ 18:00
 第249回(16-11)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  視覚障がい者議員としての歩み~社会の変化に手ごたえを感じながら~
  青木 学(新潟市市会議員) 

平成28年12月14日(水)16:30 ~ 18:00
 第250回(16-12)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  杖で歩くこと、犬と歩くこと、人と歩くこと
  清水 美知子(フリーランスの歩行訓練士) 

平成29年01月11日(水)16:30 ~ 18:00
 第251回(17-01)済生会新潟第二病院眼科勉強会
 「ブラインドメイク」は、世界へー視覚障害者である前に一人の女性としてー
  大石 華法(日本ケアメイク協会) 

平成29年02月08日(水)16:30 ~ 18:00
 第252回(17-02)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  演題未定
  宮坂 道夫(新潟大学医学部教授) 

平成29年03月08日(水)16:30 ~ 18:00
 第253回(17-03)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  演題未定
   栗原 隆(新潟大学人文学部教授)