演題:「歩行訓練40余年を振り返る」
講師:清水 美知子 (フリーランスの歩行訓練士;埼玉県)
日時:平成25年2月13日(水)16:30 ~ 18:00
場所:済生会新潟第二病院 眼科外来
【抄録】
1970年、米国から歩行訓練士Robert C. Jaekle氏を講師に迎え、日本ライトハウスでわが国初の歩行訓練指導員講習会が開催されました。それから40余年にわたる年月の中で、歩行(オリエンテーションとモビリティ)は、コミュニケーション、日常生活動作(ADL)と共に、視覚障害のある人への社会適応訓練の主要な訓練分野として今日まで続いています。
この間、視覚障害のある人の年齢構成、失明原因は大きく変わりました。また、視覚障害リハビリテーション関連の法制度、社会の障害(者)観も変わりました。一歩外へ足を踏み出せば、街の交通や道路環境も変わってきました。これらの視覚障害のある人を取り巻く状況は、今後も変わっていくのかも知れません。
一方、「歩行訓練」はどうでしょう。半世紀近い歴史の中で、どのような変化があったでしょうか。私はその歴史のほとんどを、歩行訓練士として視覚障害のある方と関わってきました。今回の勉強会では、これまでの自身の経験や見聞してきたことを中心に、皆さんの「歩行訓練観」のようなものをお聞きしながら、歩行訓練の歴史を振り返ってみたいと思います。
【略歴】
1979年〜2002年 視覚障害者更生訓練施設に勤務、その後在宅視覚障害者の訪問訓練事業に関わる。
1988年〜 新潟市社会事業協会「信楽園病院」にて、視覚障害リハビリテーション外来担当。
2002年〜 フリーランスの歩行訓練士
現在に至る
案内:第55回 (2000年12月) 済生会新潟第二病院 眼科勉強会 宮坂道夫
演題:「生命倫理って何だろう?」
講師:宮坂道夫 (新潟大学医学部保健学科)
日時:平成12年12月13日16:00~17:30
場所: 済生会新潟第二病院 眼科外来
【抄 録】
生命倫理という言葉を耳にした事はありますか? 今回は、新潟大学医学部保健学科の宮坂道夫先生(看護学専攻・基礎看護学講座)に「生命倫理って何だろう?」という題でお話して頂きます。先生は知る人ぞ知るこの方面の大家で、著書が幾つもある日本で有名な先生です。感染症で多くの方が亡くなられていた頃は医者の仕事は、抗生剤を処方する事でした。結核に対しては抗結核剤、癌に対しては抗がん剤の処方や手術をすることが医者の仕事でした。しかしクローン人間などという領域になると、必ずしも医学医療の進歩が人間の幸福と結びつくかどうか判らなくなってきます。今回の講演に際し先生から次のようなコメントを頂きました。「生命倫理とはそもそも何なのか、どんな風に成立し、推移してきたのか、何が言われているのか、という話に重心を置き、その上で、皆さんにとってできるだけ身近な眼科の問題を、事例ディスカッションのような形で話し合いたいと思っています。」
【略 歴】
早大卒業後、阪大で修士、東大で医学博士を取得。
現在は新潟大学医学部講師。生命倫理・医療倫理の専門家。