2017年11月13日

案内:『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』~人生の味わいはこころを通わすことから~

 日 時:平成29年11月18日(土)
      開場:14時 公開講座:14時30分~17時30分
 会 場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室
 参加無料 要事前登録 (当日正午まで受け付けます)

 宮坂道夫先生(新潟大学大学院教授)と、細井順先生(ヴォーリズ記念病院ホスピス長)に講演して頂き、その後お二人に対談して頂きます。 

【プログラム】
14時30分 開会のあいさつ
     安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
14時35分 講演
  演題:対話とケア 〜人が人と向き合うということ〜
  講師:宮坂道夫(新潟大学大学院教授 医療倫理・生命倫理)
  http://andonoburo.net/on/6180
15時35分 講演
  演題:人生の手応えを共にさがし求めて〜死にゆく人たちと語り合った20年〜
  講師:細井 順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市)
  http://andonoburo.net/on/6186
16時35分 対談 宮坂vs細井
17時30分 閉会 

会場準備の都合で、参加の方には事前登録をお願いしています
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【事前登録】 済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017
  申し込み先:済生会新潟第二病院眼科 安藤伸朗
   e-mail  gankando@sweet.ocn.ne.jp
   Fax 025-233-6220
  (可能な限り、メールでの連絡をお願い致します)
  当日正午まで受け付けます。 

 参加申し込み 済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017
***************************************************
  氏名~   

  所属(勤務先)~  

  職業~   

  住所~都道府県名
     新潟県の方は、市町村名をお願いします。 

 連絡方法
      e-mailアドレス~ 

      Fax番号~
****************************************************
注:事前登録をして頂いた方には、2日以内にお返事致します。
  3日を過ぎても当方からの連絡がない場合は、問い合わせください。
注:専門の職員はおりません。
  電話でのお問い合わせには応じることが出来ません。 

2017年11月7日

案内:『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』
    ~人生の味わいはこころを通わすことから~
 日 時:平成29年11月18日(土)
      開場:14時 公開講座:14時30分~17時30分
 会 場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室
 参加無料 要事前登録  

 生命倫理に造詣の深い宮坂道夫先生(新潟大学大学院教授)と、ホスピスで活躍している細井順先生(ヴォーリズ記念病院ホスピス長)に講演して頂き、その後お二人に対談して頂きます。 

【プログラム】
14時30分 開会のあいさつ
     安藤伸朗(済生会新潟第二病院眼科)
14時35分 講演
  演題:対話とケア 〜人が人と向き合うということ〜
  講師:宮坂道夫(新潟大学大学院教授 医療倫理・生命倫理)
  http://andonoburo.net/on/6180
15時35分 講演
  演題:人生の手応えを共にさがし求めて〜死にゆく人たちと語り合った20年〜
  講師:細井 順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市)
  http://andonoburo.net/on/6186
16時35分 対談 宮坂vs細井
17時30分 閉会 


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会場準備の都合で事前登録をお願いしています
【事前登録】 済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017
  11月11日(土)まで、下記に申し込みください。
  申し込み先:済生会新潟第二病院眼科 安藤伸朗
   e-mail  gankando@sweet.ocn.ne.jp
   Fax 025-233-6220
  (可能な限り、メールでの連絡をお願い致します)  

 参加申し込み 済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017
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  所属(勤務先)~   

  職業~  

  住所~都道府県名
     新潟県の方は、市町村名をお願いします。 

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      e-mailアドレス~ 

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注:事前登録をして頂いた方には、一週間以内にお返事致します。
  一週間を過ぎても当方からの連絡がない場合は、問い合わせください。
注:専門の職員はおりません。
  電話でのお問い合わせには応じることが出来ません。

 

2017年10月26日

案内 第261回(17-11)済生会新潟第二病院眼科勉強会    仲泊 聡
  日時:平成29年11月08日(水)16:30 ~ 18:00
  場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 
 演題:「視覚障害者支援における課題の変遷」
 講師:仲泊 聡(理化学研究所 研究員;眼科医) 

【抄 録】 
 私は、平成元年に東京慈恵会医科大学を卒業して、平成7年7月に神奈川リハビリテーション病院に赴任しました。これが、視覚障害業界への入り口となりました。したがいまして、今年の7月に満20歳を迎えたわけです。 

 その前半は、周りにいる専門家の皆さんにくっついていただけで、人前では「視覚障害については素人で。。」とか言ってごまかしてきましたが、国立のリハセンターに異動することになった頃から、もう素人ではいられないという自覚が生まれました。そして、それまでの10年に教わったこと、経験したことを肥やしにして、視覚障害者にとって少しでもよい未来にしていかなければと思いを巡らせて後半の10年を過ごして参りました。 

 本勉強会では、このような稀有な経歴をもった眼科医として、自分が見聞きし、考えてきた視覚障害者支援における課題とその変遷についてお話できればと考えています。ざっと分けて、周囲の専門家に聞いたり、書物から知った1990年代以前のこと、神奈川リハ時代の体験から感じた2000年代のこと、国リハ以降での体験から確信した2010年代のこと、そして、これらを素にして2020年代での課題について推察したいと思います。 

【略 歴】
 1989年 東京慈恵会医科大学医学部卒業
 1995年 神奈川リハビリテーション病院
 2003年 東京慈恵会医科大学医学部眼科講師
 2004年 スタンフォード大学心理学科留学
 2007年 東京慈恵会医科大学医学部眼科講師準教授
 2008年 国立リハ病院 第三機能回復訓練部長
 2010年 国立リハ病院 第二診療部長
 2016年 神戸理化学研究所 研究員 

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『済生会新潟第二病院 眼科勉強会』
 1996年(平成8年)6月から、毎月欠かさずに続けています。誰でも参加出来ます。
 話題は眼科のことに限らず、何でもありです。参加者は毎回約20から30名くらいです。患者さん、市民の方、医者、看護師、病院スタッフ、学生、その他興味のある方が参加しています。眼科の外来で行いますから、せいぜい5m四方の狭い部屋で、寺子屋的な雰囲気を持った勉強会です。 ゲストの方に約一時間お話して頂き、その後30分の意見交換があります。
  2018年3月で終了の予定。 

  日時:毎月第2水曜日16:30~18:00(原則)
  場所:済生会新潟第二病院眼科外来 

*勉強会のこれまでの報告は、下記でご覧頂けます。
1)ホームページ「すずらん」
 新潟市西蒲区の視覚に障がいのある人とボランティアで構成している音声パソコン教室ホームページ
 http://occhie3.sakura.ne.jp/suzuran/
2)済生会新潟第二病院 ホームページ
   http://www.ngt.saiseikai.or.jp/section/ophthalmology/study.html
3)安藤 伸朗 ホームページ
   http://andonoburo.net/ 

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【今後の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
平成29年11月18日(土) 14時開場 14時30分~17時30分
 『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』
  会場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室
 講師:宮坂道夫(新潟大学医学部教授 医療倫理・生命倫理)
  http://andonoburo.net/on/6180
 講師:細井順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市)
  http://andonoburo.net/on/6186 

平成29年12月13日(水)16:30 ~ 18:00
  第262(17-12)済生会新潟第二病院眼科勉強会
 演題:患者になってからの20年をふり返って私が伝えたいこと
 講師:関 恒子(長野県松本市) 

平成30年01月10日(水)16:30 ~ 18:00
 第263回(18-01)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  演題:ロービジョンケアを始めて分かったこと
  講師:加藤 聡(東京大学眼科准教授;日本ロービジョン学会理事長) 

平成30年02月14日(水)16:00 ~ 18:30
 第264回(18-02)済生会新潟第二病院眼科勉強会「ささえ、ささえられて」
 講師:小林 章(日本点字図書館:歩行訓練士)
   :大石華法(日本ケアメイク協会)
   :橋本伸子(白尾眼科:石川県、看護師)
   :上林洋子(盲導犬ユーザー;新潟市)
   :岩崎深雪(盲導犬ユーザー;新潟市) 

平成30年03月14日(水)16:00~18:00
  第265回(18-03)済生会新潟第二病院眼科勉強会(最終回)
 演題:これまでのこと、これからのこと
 講師:安藤伸朗(済生会新潟第二病院 眼科医)

 

2017年10月20日

案内:『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』 細井順
    ~人生の味わいはこころを通わすことから~
 日時:平成29年11月18日(土)
     開 場:14時 公開講座:14時30分~17時30分
 会場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室
 参加無料 要事前登録  

 生命倫理に造詣の深い宮坂道夫先生(新潟大学大学院教授)と、ホスピスで活躍している細井順先生(ヴォーリズ記念病院ホスピス長)に講演して頂き、その後お二人に対談して頂きます。
  今回は、細井先生の講演抄録を以下に紹介します。 

演題:「人生の手応えを共にさがし求めて〜死にゆく人たちと語り合った20年〜」
 講師:細井順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市) 

【抄 録】
 まずは自己紹介、私の物語をすこしばかりお話ししよう。誰にでも自分ひとりだけの物語があるはずだ。それを綴ることは、自分を理解し、生きていく力を得るために大切なことである。

 私は昭和26年生まれの男である。クリスチャン医師の家庭に生まれた。細井家にとって、また母の実家にとって、戦後初めての赤ん坊だったので大切に育てられた。苦労知らずに幼少年時代を過ごし、大学進学には2年の浪人期間を要した。大学卒業後、外科医になり、結婚して、三人の子どもに恵まれた。外科医の仕事の中から、手術でも助けられない患者さんたちとの関わり方に悩み、ターミナルケアに興味を持つようになった。

 父親が胃がんのためにホスピスで最期を迎えたことが引き金になり、ホスピス医に転向した。それから8年後に私自身も腎臓癌で手術を受けた。ホスピス医として同病の患者さんを看取ることも少なくないが、自分はまだ死なないで生きている。そのことの意味を考えながら手術後13年間を過ごした。いまでは、生死は自分の手の中にはなく、何故かわからないが私は生かされていると考えている。

 振り返れば、生まれてからこの方、自分で道を切り拓いたというより、周りの人たちに生かされてきた。ここに至り、私らしい物語を綴ろうとは思わなくなった。これからは私の如く生きていきたい。

 ひとりでは生きられないという宿命を背負った人間が、与えられた人生を生き切るための力の源は何であろうか。たとえば、「お互いさま」と心から言えるしなやかさ。

 人生に勝ち負けはいらないが、手応えは感じたい。目まぐるしく移り変わる現代社会の中でさえ、我々人間の根本には変えられないことがある。生死の狭間で揺れる人たちから教わったことを皆様と共に深めてゆきたい。

 

【細井順プロフィール】
 公益財団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院ホスピス長。
 1951年生まれ。78年大阪医科大学卒業。自治医科大学消化器一般外科講師を経て、93年淀川キリスト教病院外科医長となった。
 父親を胃がんのためにホスピスで看取った後、96年ホスピス医に転向し、同病院ホスピスで学んだ。98年愛知国際病院で愛知県最初のホスピス開設に携わった。
 2004年には自らも腎臓がんで右腎摘出術を受けた。06年から現職。
 自らの体験をふまえ患者目線のホスピスケアに精力的に取り組んでいる。その傍ら、「いのち」の教育にも力を注いでいる。12年ホスピス希望館の日々を追ったドキュメンタリー映画「いのちがいちばん輝く日〜あるホスピス病棟の40日〜」(溝渕雅幸監督)が制作された。

 著書:『こんなに身近なホスピス』(風媒社、2003年)、
    『死をおそれないで生きる〜がんになったホスピス医の人生論ノート』(いのちのことば社、2007年)、
    『希望という名のホスピスで見つけたこと』(いのちのことば社、2014年)など 
 

会場準備の都合で事前登録をお願いしています
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【事前登録】 済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017
  11月11日(土)まで、下記に申し込みください。
  申し込み先:済生会新潟第二病院眼科 安藤伸朗
   e-mail  gankando@sweet.ocn.ne.jp
     Fax 025-233-6220
  (可能な限り、メールでの連絡をお願い致します)  

 参加申し込み 済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017 
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  氏名~   

  所属(勤務先)~   

  職業~   

  住所~都道府県名
     新潟県の方は、市町村名をお願いします。  

 連絡方法
      e-mailアドレス~ 

      Fax番号~
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注:事前登録をして頂いた方には、一週間以内にお返事致します。
  一週間を過ぎても当方からの連絡がない場合は、問い合わせください。
注:専門の職員はおりません。
  電話でのお問い合わせには応じることが出来ません。 
 

『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』 
    ~人生の味わいはこころを通わすことから~
 日時:平成29年11月18日(土)開場14時 公開講座14時30分~17時30分
 会場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室

【プログラム】 
14時30分 開会のあいさつ
     安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
14時35分 講演
  演題:対話とケア 〜人が人と向き合うということ〜
  講師:宮坂道夫(新潟大学大学院教授 医療倫理・生命倫理)
  http://andonoburo.net/on/6180

15時35分 講演
  演題:人生の手応えを共にさがし求めて〜死にゆく人たちと語り合った20年〜
  講師:細井 順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市)
16時35分 対談 宮坂vs細井
17時30分 閉会

 

2017年10月9日

案内:『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』 宮坂道夫
    ~人生の味わいはこころを通わすことから~
 日時:平成29年11月18日(土)
    開  場:14時
    公開講座:14時30分~17時30分
 会場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室
 参加無料 要事前登録 

 生命倫理に造詣の深い宮坂道夫先生(新潟大学大学院教授)と、ホスピスで活躍している細井順先生(ヴォーリズ記念病院ホスピス長)に講演して頂き、その後お二人に対談して頂きます。
  今回は、宮坂先生の講演抄録を以下に紹介します。 

演題:対話とケア 〜人が人と向き合うということ〜
講師:宮坂道夫(新潟大学大学院教授;生命倫理、医療倫理)
【抄 録】
 私は人づきあいが得意ではない。どうやら、そういう人は珍しくもないらしい。人づきあいの苦手なことを表す言葉を並べてみると、人見知り、引っ込み思案、内向的、引きこもり、自閉症等々、性格や個性と見なされるものから、病気や障害と「診断」されて医療ケアの対象となるものまで、様々な種類とグラデーションがある。どこまでが正常で、どこからが異常なのかの「線引き」は、そう簡単ではないらしい。 

 東日本大震災以来、「絆」という言葉が日本社会に高く掲げられてきた。しかし、あれからの数年間で社会のすみずみに行き渡った「ソーシャルメディア」と呼ばれるネットワークは、「絆」という言葉を体現しているものとは到底言えないものになっている。現実の世界でも、人づきあいが綺麗事であり得ないことは、近所、職場、あるいは家庭においてさえも実感されている。 

 医療の現場では、患者の抱える問題に、医療者という「赤の他人」が向き合い、ケアを行う。そこでは対話が鍵になるのだが、その方法論が新しい展開を見せている。フィンランドのある精神科施設で始められ、日本でも大きな注目を集めているオープンダイアローグなどによって、ケアにおける対話がもつ複雑な側面と驚くほどの「力」が明らかになりつつある。それは、精神医療の枠を超えて、患者・家族・医療者という立場の違いを克服する(立場の違いを逆手にとって利用する、と言うべきかもしれない)ための手がかりを与えてくれるように思える。 

【略 歴】
 長野県松本市生まれ。早稲田大学教育学部卒業。
 大阪大学大学院医学研究科修士課程、東京大学大学院医学系研究科博士課程(博士・医学)を経て、新潟大学大学院保健学研究科教授。
 専門は生命倫理、医療倫理、ナラティヴ・アプローチなど。
 

会場準備の都合で事前登録をお願いしています
=========================
【事前登録】 済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017
  11月11日(土)まで、下記に申し込みください。
  申し込み先:済生会新潟第二病院眼科 安藤伸朗
   e-mail  gankando@sweet.ocn.ne.jp
   Fax 025-233-6220
  (可能な限り、メールでの連絡をお願い致します) 

 参加申し込み 済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017 
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  氏名~  

  所属(勤務先)~  

  職業~  

  住所~都道府県名
     新潟県の方は、市町村名をお願いします。 

 連絡方法
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注:事前登録をして頂いた方には、一週間以内にお返事致します。
  一週間を過ぎても当方からの連絡がない場合は、問い合わせください。
注:専門の職員はおりません。
  電話でのお問い合わせには応じることが出来ません。 

 

『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』 
    ~人生の味わいはこころを通わすことから~
 日時:平成29年11月18日(土)開場14時 公開講座14時30分~17時30分
 会場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室
【プログラム】 
14時30分 開会のあいさつ
     安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
14時35分 講演
  演題:対話とケア 〜人が人と向き合うということ〜
  講師:宮坂道夫(新潟大学大学院教授 医療倫理・生命倫理)
15時35分 講演
  演題:人生の手応えを共にさがし求めて〜死にゆく人たちと語り合った20年〜
  講師:細井 順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市)
16時35分 対談 宮坂vs細井
17時30分 閉会
 

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【今後の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
平成29年10月18日(水)16:30 ~ 18:00
 第260回(17-10)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  済生会新潟第二病院眼科「目の愛護デー講演会」
   会場:済生会新潟第二病院 眼科外来
  演題:90歳が究め続けた緑内障の素顔と人生と
  講師:岩田和雄 (新潟大学名誉教授)
  http://andonoburo.net/on/6136 

平成29年11月08日(水)16:30 ~ 18:00
 第261回(17-11)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  演題:視覚障害者支援における課題の変遷
  講師:仲泊 聡(理化学研究所 研究員;眼科医) 

平成29年11月18日(土) 午後
 『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』
  ~人生の味わいはこころを通わすことから~
  開場14時  公開講座14時30分~17時30分
 会場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室
 要:事前登録
 司会:安藤伸朗(済生会新潟第二病院 眼科部長)
 講師:宮坂道夫(新潟大学大学院教授 医療倫理・生命倫理)
  演題:対話とケア 〜人が人と向き合うということ〜
 講師:細井順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市)
  演題:生の手応えを共にさがし求めて〜死にゆく人たちと語り合った20年〜
  http://andonoburo.net/on/6155

平成29年12月13日(水)16:30 ~ 18:00
 第262(17-12)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  「患者になってからの20年をふり返って私が伝えたいこと」
  関 恒子(長野県松本市) 

平成30年01月10日(水)16:30 ~ 18:00
 第263回(18-01)済生会新潟第二病院眼科勉強会
  「ロービジョンケアを始めて分かったこと」
  加藤 聡(東京大学眼科准教授) 

平成30年02月14日(水)16:00 ~ 18:30
 第264回(18-02)済生会新潟第二病院眼科勉強会「ささえ、ささえられて」
 講師:小林 章(日本点字図書館:歩行訓練士)
   :大石華法(日本ケアメイク協会)
   :橋本伸子(白尾眼科:石川県、看護師)
   :上林洋子(盲導犬ユーザー;新潟市)
   :岩崎深雪(盲導犬ユーザー;新潟市) 

平成30年03月14日(水)16:00~18:00
  第265回(18-03)済生会新潟第二病院眼科勉強会(最終回)
 演題:これまでのこと、これからのこと
 講師:安藤伸朗(済生会新潟第二病院 眼科医)

2017年10月6日

案内:『眼科治療とロービジョンケアの新時代』
    WEB講演会(アルコンファーマ社 医療関係者向けサイト)
  開催日:2017年10月10日 (火)
   時 間:19:00 ~ 20:00(講演時間60分)
 演 題:眼疾患の変遷と治療の進化
   演者:安藤 伸朗(済生会新潟第二病院 眼科部長)
 演 題:再生医療とロービジョンケアの新たな展開
   演者:高橋 政代(理化学研究所 プロジェクトリーダー) 

【抄 録】
 「医者とはどんな人なのか」を歴史的に眺めてみると面白い。古代エジプトにおいて人の病を治療するのは魔術師の特権であった。古代ギリシャでは、医者は人を助けるより害をなすことの方が多い、各地を遍歴する奇人と見なされた。16世紀までに進取の気概に富む医者たちが、医術と錬金術、占星術、薬草学、鉱物学、心理療法、信仰療法を折衷した施術をおこなっていた。、近代になり医学医療は科学的に確立し、現在はめざましく治療成績を向上させてきている。

 白内障手術は、紀元前800年ごろからインドのベンガル地方の「スシュルタ大医典」に術式が記載されている。17世紀後半になり白内障は水晶体の混濁と判明し硝子体内に墜下するという術式となったが、大変不確実で危険な手術であった。当時の白内障術者は各地を遍歴している。18世紀に嚢外白内障摘出術が開発され、今では小切開超音波白内障手術+眼内レンズ挿入が世界中で行われている。

 疾患には多くの要因が絡んでいる。かつて眼科はred eye clinic(感染症のため目が充血する眼疾患を治療)と言われたが、現在はwhite eye clinic(目の充血のない疾患を治療)と変わってきている。ライフスタイルの変化に伴い糖尿病などが増加してきた。身体やこころの病と眼の病も関連していることがわかってきた。さらには貧困や労働環境等の社会的要因も健康に関わっている。

 治療の進歩は目覚ましく、薬物は抗生剤から抗ウイルス薬、抗アレルギー薬、抗緑内障薬、神経保護薬、免疫抑制剤、生物学的製剤が続々と登場し、さらにレーザー治療や手術療法が飛躍的に発展し、人工網膜・遺伝子治療や再生医療が開発されてきた。

 一方で残存視機能を活用するロービジョンケアも大きく変化してきた。拡大鏡や遮光眼鏡・白杖の時代から、デジタル媒体を利用する視覚リハビリテーションが大きく取り上げられるようになってきた。将来的には車の自動運転や、人工知能(AI)が視覚に障害を持つ方々の生活を大きく変える可能性も見えてきた。

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【略歴】 安藤 伸朗(済生会新潟第二病院)
 1977年3月 新潟大学医学部 卒業
 1977年5月 新潟大学眼科学教室 入局
 1979年1月 浜松聖隷病院勤務(1年6ヶ月)
 1987年2月 新潟大学医学部 講師
 1991年7月 米国Duke大学眼科留学(1年間)
 1992年7月 新潟大学医学部講師(復職)
 1996年2月 済生会新潟第二病院 眼科部長
 2004年4月 済生会新潟第二病院 第4診療部長

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【略歴】高橋 政代(理化学研究所)
 1986年 京都大学医学部 卒業
 1986年~1987年 京都大学医学部附属病院眼科 研修医
 1987年~1988年 関西電力病院眼科 研修医
 1992年 京都大学大学院医学研究科博士課程(視覚病態学)修了
 1992年~1994年 京都大学医学部附属病院眼科 助手
 1995年~1996年 米国サンディエゴソーク研究所 研究員
 1997年~2001年 京都大学医学部附属病院眼科 助手
 2001年~2006年
  京都大学医学部附属病院探索医療センター開発部 助教授
 2006年~2012年 
  理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
  網膜再生医療研究チーム チームリーダー兼任(2006年10月より専任)
 2012年~2014年 
  理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
  網膜再生医療研究チーム プロジェクトリーダー(*)
 2012年~2014年 
  理化学研究所 多細胞システム形成研究センター
  網膜再生医療研究チーム プロジェクトリーダー(*)
  (*)組織改正により変更

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※本WEB講演会Alcon Pharma Retina Web Symposiumの視聴にはノバルティス ファーマの医療関係者向けサイトに会員登録し、ログインが必要です。
 @DR’s Net – Pharmacist Net
 https://drs-net.novartis.co.jp/login/ 「セミナー情報」からお入りください。

*本講演会は医薬品(他社製品を含む)のプロモーションを目的としていません。これに基づき、薬剤に関する製品名の言及を控え、特定の薬剤に偏らない情報提供をしています。

 

2017年10月4日
案内『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』 事前登録開始
    ~人生の味わいはこころを通わすことから~
 日時:平成29年11月18日(土)14時30分~17時30分
 会場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室
 参加無料 要事前登録
 オーガナイザー:安藤伸朗(済生会新潟第二病院 眼科部長)
 済生会新潟第二病院眼科がお贈りするお贈りする市民公開講座です。どなたでも参加できます。生命倫理に造詣の深い宮坂道夫先生(新潟大学大学院教授)と、ホスピスで活躍している細井順先生(ヴォーリズ記念病院ホスピス長)に講演して頂き、その後、お二人に対談して頂きます。
 物語論の個別性(細井先生)と全体性(宮坂先生)とが融合した場になり、主体性を持つ個人として生きる個別性と人類として生きる全体性とを俎上に乗せ、最後には人類に通底している弱さとか限界、そこから生まれる人間愛にも言及することができたら、トランプ大統領出現に象徴される人間の質の低下に歯止めをかけることができるかもしれません。
 ご期待下さい。
【当日 プログラム】 
14時30分 開会のあいさつ
     安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
14時35分 講演
  演題:対話とケア 〜人が人と向き合うということ〜
  講師:宮坂道夫(新潟大学大学院教授 医療倫理・生命倫理)
15時35分 講演
  演題:人生の手応えを共にさがし求めて〜死にゆく人たちと語り合った20年〜
  講師:細井 順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市)
16時35分 対談 宮坂vs細井
17時30分 閉会
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【事前登録】済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017
  11月11日(土)までに、申し込みください。
   申し込み先:済生会新潟第二病院眼科 安藤伸朗
   e-mail  gankando@sweet.ocn.ne.jp
   Fax 025-233-6220
   (可能な限り、メールでの連絡先をお願い致します)
 済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017
 参加申し込み
***************************************************
  氏名~ 
  所属(勤務先)~ 
  職業~ 
  住所~都道府県名をお願いします。
       新潟県の方は、町村名をお願いします。
 連絡方法
      e-mailアドレス~
      Fax番号~
****************************************************
注:事前登録をして頂いた方には、一週間以内にお返事致します。
  一週間を過ぎても当方からの連絡がない場合は、問い合わせください。
注:専門の職員はおりません。電話でのお問い合わせには応じることが出来ません。
2017年9月27日

案内『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』~人生の味わいはこころを通わすことから~

 日時:平成29年11月18日(土)14時30分~17時30分
 会場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室
 参加無料 要事前登録

   司会:安藤伸朗(済生会新潟第二病院 眼科部長)
 講師:宮坂道夫(新潟大学大学院教授 医療倫理・生命倫理)
 講師:細井 順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市) 

 済生会新潟第二病院眼科がお送りする市民公開講座です。どなたでも参加できます。
 生命倫理に造詣の深い宮坂道夫先生(新潟大学大学院教授)と、ホスピスで活躍している細井順先生(ヴォーリズ記念病院ホスピス長)に講演して頂き、その後、お二人に対談して頂きます。
 物語論の個別性(細井先生)と全体性(宮坂先生)とが融合した場になり、主体性を持つ個人として生きる個別性と人類として生きる全体性とを俎上に乗せ、最後には人類に通底している弱さとか限界、そこから生まれる人間愛にも言及することができたら、トランプ大統領出現に象徴される人間の質の低下に歯止めをかけることができるかもしれません。
 ご期待下さい。 

 

『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』
 ~人生の味わいはこころを通わすことから~
14時30分 開会のあいさつ
  安藤伸朗(済生会新潟第二病院)

14時35分 講演
  演題:対話とケア 〜人が人と向き合うということ〜
  講師:宮坂道夫(新潟大学大学院教授 医療倫理・生命倫理)

15時35分 講演
  演題:人生の手応えを共にさがし求めて〜死にゆく人たちと語り合った20年〜
  講師:細井 順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市)

16時35分 対談 宮坂vs細井

17時30分 閉会 

 

【略歴】宮坂道夫(新潟大学大学院教授 医療倫理・生命倫理)
 長野県松本市生まれ。早稲田大学教育学部卒業。大阪大学大学院医学研究科修士課程、東京大学大学院医学系研究科博士課程(博士・医学)を経て、新潟大学大学院保健学研究科教授。専門は生命倫理、医療倫理、ナラティヴ・アプローチなど。 

【略歴】細井 順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市)
 1951年生まれ。78年大阪医科大学卒業。自治医科大学消化器一般外科講師を経て、93年淀川キリスト教病院外科医長。96年ホスピス医に転向。98年愛知国際病院で愛知県最初のホスピス開設に携わる。06年から現職。

 

2017年9月23日
案内 第260回(17-10)済生会新潟第二病院眼科勉強会   岩田和雄
 済生会新潟第二病院眼科「目の愛護デー講演会」
  日時:平成29年10月18日(水)16:30 ~ 18:00
  場所:済生会新潟第二病院眼科外来
 演題:「90歳が究め続けた緑内障の素顔と人生と」
 講師:岩田和雄(新潟大学名誉教授)
【抄 録】
 90歳の自覚が全くない自分が、その話をする矛盾にむしろ興味があるか。
 研究歴60有余年、永くもあり短くもあり。世に「風評」という現象がある。「流行」という現象もある。「情に棹させばながされる」は漱石の有名な言葉である。人間がすることであるから、学問にも類似の現象がある。華やかで、分かりよく、人口に膾炙しやすい安易な流れは、一世を風靡するかにみえるが、桃山文化の如くやがて消える宿命にある。そして、歴史の本流は何ら影響なく、決して流れの本態を変えることはない。それが真実というものだ。但し、教育は別だ。
 90歳を迎え、一途にやってきた緑内障の病態研究では、常に自身を叱咤激励して「白紙主義」。つまり、敢えて既成概念を無視して真実にせまる主義に徹してきた。その結果、抵抗やら、無視やら、敬遠やら、いろいろと経験させられたが、究極的には正道が次第に理解されるようになるものだ。
 永い人生のこと、専門領閾を超えて過去に経験したいくつかの成功やら失敗やら、興味のありそうな裏話などを紹介し、何かの参考にしていただければと思う。
 能力は誰にも潜在しており、意欲を持ち続けることがすべてではないかと改めて思う。
【略 歴】
 1954年    新潟大学眼科入局
 1961-3年   BONN 大学眼科留学(フォン・フンボルト奨学生)
 1972年    新潟大学眼科教授
 1993年    同定年退官、名誉教授
  日眼総会宿題報告、日眼総会特別講演、臨眼総会特別講演
  日本緑内障学会須田記念講演、国際緑内障研究グループ、メンバー

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『済生会新潟第二病院 眼科勉強会』
 1996年(平成8年)6月から、毎月欠かさずに続けています。誰でも参加出来ます。
 話題は眼科のことに限らず、何でもありです。参加者は毎回約20から30名くらいです。患者さん、市民の方、医者、看護師、病院スタッフ、学生、その他興味のある方が参加しています。眼科の外来で行いますから、せいぜい5m四方の狭い部屋で、寺子屋的な雰囲気を持った勉強会です。 ゲストの方に約一時間お話して頂き、その後30分の意見交換があります。
  2018年3月で終了の予定。

  日時:毎月第2水曜日16:30~18:00(原則)
  場所:済生会新潟第二病院眼科外来    

*勉強会のこれまでの報告は、下記でご覧頂けます。
 1)ホームページ「すずらん」
  新潟市西蒲区の視覚に障がいのある人とボランティアで構成している音声パソコン教室ホームページ
  http://occhie3.sakura.ne.jp/suzuran/
 2)済生会新潟第二病院 ホームページ
   http://www.ngt.saiseikai.or.jp/section/ophthalmology/study.html
 3)安藤 伸朗 ホームページ
   http://andonoburo.net/


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【今後の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】

平成29年11月08日(水)16:30 ~ 18:00
  第261回(17-11)済生会新潟第二病院眼科勉強会
 演題:視覚障害者支援における課題の変遷
 講師:仲泊 聡(理化学研究所 研究員;眼科医) 

平成29年11月18日(土)午後
  『済生会新潟第二病院眼科-市民公開講座2017』
   会場:済生会新潟第二病院 10階 多目的室
   日時:平成29年11月18日(土)午後
 講師:宮坂道夫(新潟大学医学部教授 医療倫理・生命倫理)
 講師:細井順(ヴォーリズ記念病院ホスピス長;滋賀県近江八幡市) 

平成29年12月13日(水)16:30 ~ 18:00
  第262(17-12)済生会新潟第二病院眼科勉強会
 演題:患者になってからの20年をふり返って私が伝えたいこと
 講師:関 恒子(長野県松本市) 

平成30年01月10日(水)16:30 ~ 18:00
  第263回(18-01)済生会新潟第二病院眼科勉強会
 演題:ロービジョンケアを始めて分かったこと
 講師:加藤 聡(東京大学眼科准教授;日本ロービジョン学会理事長)

2017年9月19日
報告:第259回(17-09)済生会新潟第二病院眼科勉強会 小田浩一
  日時:平成29年09月13日(水)16:30 ~ 18:00
  場所:済生会新潟第二病院眼科外来
 演題:視覚障害研究・開発の過去・現在・未来
 講師:小田浩一 (東京女子大学教授)
【講演要約】
1.はじめに
 研究者・大学教員としてのキャリアは、今年で33年。残り10年で定年退職の節目になるので、これまでの自分の仕事を振り返りながら、未来を展望してみた。振り返ってみると、これまでに研究に従事してきたテーマは以下の4つである。ICTと視覚障害、フォントの研究、ロービジョンの視機能と行動の関係、ロービジョン・リハビリテーション。以下、順に述べることとする。
 
2.ICTと視覚障害
 1984年旧国立特殊教育総合研究所に赴任した当時に与えられたテーマは、コンピュータの視覚障害教育への応用であった。これは今流に言えば、ICTと視覚障害という大きなテーマになるだろうが、教育現場にまだPCが普及していない時代であり、テーマを与えた小柳恭治部長は慧眼ではあったが、ほとんどの同僚や研修生の態度は否定的で、PCを操作していると自閉症だの宇宙人だの、マシンが障害児の役に立つはずがないだのと冷たい批判を受けたことをよく覚えている。
 オーストラリア商務省から補助金をもらい、メルボルンに1ヶ月出張してユリーカA4という視覚障害のユーザ専用のPCの開発もした。視覚ディスプレイがなく、点字キーボードというシンプルなデザインはスティービーワンダーのお気に入りになったことで知られている。現場でのICTへの抵抗があまりにも大きいので、普及のためにPC講習会を開催したり、東京女子大学に転職後は大学のサーバをつかって全国規模のメーリングリストや視覚障害補助具のデータベースの公開などもした。
 1996年視覚障害の支援関係の情報資源をまとめたVIRN(Vision Impairment’s Resource Network)というサイトは、当時非常によく閲覧されていたようで、今では、VIRNという略語はnet辞書にも登録され、カナダの団体の名前にも使われている。米国連邦政府調達庁が公開していたWebアクセシビリティのガイドラインを許可を得て日本語訳して公開するなど、VIRNを使って初期の普及活動もした。杏林アイセンターでもロービジョン外来開設時はPC訓練にかなり力を入れていた。
 そのうちどっとブームが来たので、このテーマには少し距離を置いて、自分にしかできない研究に路線を変更していくことにした。現在はスマートフォンやタブレットPCが全盛で、今後はAIやVRがまた新しい可能性を開いていくと思われる。会場でデモをしたアプリ、写した対象をAIで認識して音声読み上げするTapTapSeeなどは、ICTが視覚障害を支援する姿の今後をよく示しているように思われる。
 
3.フォントの研究
 1987年にApple社のMacintoshというGUIのPCが出ると、フォントが自由に変えられることとマウスで図表が簡単につくれることに注目して、触図をつくるシステムを提案した。そのときにオリジナルの点字フォントを開発した。日本ではMS-DOSが全盛でWindows3が出る5年前だったこともあり、日の目は見なかったが、その後意外と海外でもよくつかわれていることをAppleのSpecial Education Officeの人たちに教えてもらった。フォントの研究もそこから研究テーマの1つになった。
 2000年ごろ、国立障害者リハビリテーションセンター研究所との共同研究の中で、後天性の盲ろうの人たちの文字として触覚でも視覚でも読みやすいフォントの開発をした。研究成果はAdobeのフォントデザインをしていた山本明彦さんが形にしてくれて2002年にForeFingerMとして世に出た。2006年にイワタのUDフォントが出る3年前の話である。これはカタカナだけのフォントで一般的には使いにくい仕様だったが、その後、類似のフォントが次第によく使われるようになった。タイプバンクのUDタイポスが一番似ていて使いやすいのではないだろうか。
 2013年ごろから共同印刷との共同研究で新しいUDフォント小春良読体を開発した。これは最近の読み研究の中で少しホットになっている読み分け困難(crowding)を減らすデザインになっている。そのために小さいサイズで読みやすい特徴がある。最近一般に市販することになった。
 
4.ロービジョンの視機能と行動の関係
 テーマの3つ目は、大学・大学院時代からの専門である視覚心理の関心を伸ばしていったもので、全盲の生徒が視覚を活用している様子に衝撃を受けてから、ロービジョンの視機能と行動の関係がどのようになるのかを研究するものになる。1987年にニューヨーク大学に留学してロービジョンと読書の心理学を勉強してもどってから、読書行動をメインの研究テーマにすることになった。
 1998年ミネソタ大学のロービジョン研究室のMNREADという読書評価チャートの日本版の開発を軸にして、多くの研究が生まれている。読書に影響しそうないろいろなパラメータを眼疾患に関連づけて地味に調べてきたが、今年2017年の国際学会では、欧米の研究者から今後そういう研究が必要だという意見が出ていた。
 
5.ロービジョン・リハビリテーション
 1991年故樋田哲夫教授の肝いりで杏林大学眼科にロービジョン外来が誕生した。1994年教え子の田中恵津子さんがロービジョン外来に関わることになり、ロービジョン・リハビリテーション自体が4つ目のテーマになった。1999年杏林大学付属病院の新外来棟建設に伴って杏林アイセンターが発足、アイセンターの目玉の一つはロービジョン外来であった。

 ロービジョン研究ディレクターという形で、田中恵津子さん、西脇友紀さん、新井千賀子さん、尾形真樹さんらロービジョン外来メンバーの研究・実践を後方支援した。以下のことは実際はこれらの杏林スタッフの仕事で僕はスーパーバイズしていただけである。
 臨床から生まれるさまざまなニーズが重要な研究や実践を導いてくれた。病院内の資源が限られていたので、東京のいろいろな視覚障害支援団体・施設と連絡をとり連携体制をつくり、連携時の個人情報の安全な交換法を決め、病院の内装の見えにくさを複数の患者とチェックして輝度コントラスト50%を確保する建物のアクセシビリティの研究をして、改装をしてもらったりというのが初期の実践研究だった。
 インテーク時にもれのないようにするQOL評価はVFQの初期のものを参考に日本人の生活に合わせたものをつくり、事後評価でどう改善がみられたかも評価できるように改良した。さらに、個々の項目に対して、どういう支援の手立て、外部連携先、情報があるかのリストを整備して、どのニーズにもなんらかの対応ができるような工夫をした。
 QOL評価は、ロービジョンサービスの効果を測定して改善していくPDCAやEBMのための大事なツールとなる重要なものであるが、開発後少しすると杏林でもルーチンで利用されるということがなくなっていた時期がある。そのQOL研究の中では、高齢のロービジョン患者に対する余暇活動の影響がはっきりしてきた。余暇活動のニーズは患者から言い出しにくいものなので丁寧なインテークが求められる。
 これらと並行して、MNREAD-Jを開発し読書評価をして拡大率を決めたり、いろいろな拡大補助具の特性・メガネとの関係を適切に調整する専門的な知識を月例ロービジョン研究会を通して蓄積・学習していった。ロービジョン外来は杏林アイセンターの1つのユニットとして、治療と並行したリハビリの提供や、リハビリを想定した治療方針の設定というように、整形外科とPTのような良い共生関係が生まれている。
 
5.おわりに
 今年2017年の国際ロービジョン学会で見学した、オランダのVisioという組織が提供しているロービジョン・リハビリテーションのあり方を紹介した。月額100ユーロという医療保険の中で提供されるサービスで、車の保険のように、ニーズが生じればいつでも決まった担当者に電話して対応をコーディネートしてもらうことができる。多種多様な専門家が多くは非常勤で所属する組織で、個々の利用者の電話での要望に応えられるようにしている。
 「ユーザーベース」というのは大きな発想の転換だが、考えてみれば無駄のないシステムで日本の今後はこのようにすると良いのではないかと思われた。
 
【略 歴】
 1981年 千葉大学人文学部心理学専攻卒業
 1984年 東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退
 1984年 国立特殊教育総合研究所視覚障害教育研究員
 1987年 アメリカ合衆国ニューヨーク大学在外研究員
 1992年 東京女子大学現代文化学部講師
 2009年~ 東京女子大学現代教養学部教授
 
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【後 記】
 東京女子大学の小田浩一教授にご自身の研究の過去・現在・未来について講演して頂きました。思えば1998年ごろから私が勝手に小田研の研究会に参加するようになり20年近くになります。
 先生は視覚心理物理学の大家で、これまで視覚心理の手法を用いて視覚障害者の抱える問題について先頭に立って学問を進めてこられました。
 講演ではこれまでのそして現在のお仕事をまとめてお話し下さいました。MNREAD-Jを開発し読書速度の評価、視覚障害者にも強いフォントの研究、視覚障碍者のwebアクセシビリティの研究、さらには杏林大学眼科ロービジョン外来立ち上げにも参画しています。
 未来のお話として、2017年国際ロービジョン学会での話題やオランダの視覚障害への対応Visioなども紹介して下さり、目から鱗のお話満載でした。
 日本のロービジョンケアをリードする小田浩一先生の研究の足跡を、直接伺うという贅沢をたっぷりと堪能しました。
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【これまでの小田先生の新潟での講演歴】
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【新潟ロービジョン研究会2010】
 日時:2010(平成22)年7月17日(土)14時00分 ~ 18時20分
 会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
 テーマ:「『見えない』を『見える』に」
 会費:無料 要、事前登録
 1)特別講演
  「障がい者が支援機器を活用できる社会に」
   座長:安藤 伸朗(済生会新潟第二病院)
   演者:林 豊彦(新潟大学工学部福祉人間工学科・教授)
  「前進する網膜変性の治療」
   座長:加藤 聡 (東京大学眼科)
   演者:山本 修一(千葉大学大学院医学研究院眼科学教授
            /日本網膜色素変性症協会副会長)
  「ロービジョンで見えるようになる」
   座長:張替 涼子 (新潟大学眼科)
   演者:小田 浩一 (東京女子大学人間科学科教授)
   http://andonoburo.net/on/2470
 
 
【第6回新潟ロービジョン研究会】
 日時:2005(平成17)年8月7日(日)
 会場:新潟大学医学部 有壬記念館
 参加費 2000円
1)特別講演
 「ロービジョンと読書」 小田 浩一(東京女子大学)
 「型にはめない対応を」 清水 美知子(歩行訓練士)
 「眼科医の悩み」 松村 美代(関西医大眼科)