第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 総括
大会長 安藤伸朗 (済生会新潟第二病院)
2013年6月に新潟で、第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会を開催し、無事に終了致しました。大会の参加者数が予想を超えて多数であったこと、大会中特に混乱なく終了できたこと、参加者の評判が概ね好評であったこと等々、先ずは一安心しております。今大会は、「おもてなし」をキーワードに準備して参りました。
プログラムは、一年かけて実行委員会で練り上げたものです。テーマを、「『見えない』を『見える』にする『心・技・体』」としました。
【特別講演】
心:「視覚障害者に対するこころのケア」
山田 幸男(信楽園病院/NPO法人障害者自立支援センターオアシス)
http://andonoburo.net/on/2148
技:「視覚障がい者はどうして支援機器を使わないのか?」
林 豊彦(新潟大学教授 工学部福祉人間工学科)
http://andonoburo.net/on/2144
【招待講演】市民公開講座 (共催 新潟ロービジョン研究会2013)
体:「iPS細胞を用いた網膜再生医療」
高橋 政代 (理化学研究所)
http://andonoburo.net/on/2155
「網膜色素変性、治療への最前線」
山本 修一 (千葉大学眼科教授)
http://andonoburo.net/on/2163
【一般講演】
81演題が集まりました。全ての抄録を抄録作成支援委員会で吟味して頂き、80%以上の抄録に再提出を求めましたが、演題提出者は皆、快く再提出して下さいました。抄録作成支援委員会の皆様の丁寧なお仕事に敬意を表します。
自由演題(5題) ※発表者のみ掲載
1.震災半年後以降に多数が亡くなられていた視覚障害者
加藤 俊和(全国視覚障害者情報提供施設協会)
2.わが国における盲ろう者の実態についての調査-身体障害者手帳の交付状況をもとに
前田 晃秀(東京都盲ろう者支援センター・筑波大学人間総合科学研究科)
3.盲ろう者のより安全な単独歩行を実現するために行った盲導犬貸与の事例報告
益野 健平(公益財団法人 日本盲導犬協会)
4.中間型アウトリーチ支援の実践可能性
西脇 友紀(国立障害者リハビリテーションセンター病院)
5.視覚障害者に対する化粧療法の可能性-社会復帰に有効にはたらいた一例
松下 惠(ケアメイク*リハビリテーション協会)
特集演題「スマートサイト」(4題) ※発表者のみ掲載
1.仙台・宮城版スマートサイトの仕組みと経過
佐渡 一成(さど眼科)
2.北海道地域におけるスマートサイトモデルの展開
永井 春彦(勤医協札幌病院眼科)
3.岡山県版リーフレット「かけはし」の報告
守本 典子(岡山大学眼科・岡山県視覚障害を考える会)
4.アメリカ合衆国の視覚障害リハビリテーション施設における「スマートサイト」活用の現状調査
伊東 良輔(社会福祉法人北九州市福祉事業団)
ポスター演題(72題)
7項目に分類しました~歩行・移動(16題)、読み(7題)、スマートサイト・連携(7題)、視覚障害教育(7題)、支援(20題)、支援機器・ITサポート(9題)、視機能・眼光学・他(6題)
http://andonoburo.net/on/1901
【シンポジウム】
「視覚障害者の就労支援」
司会:星野 恵美子 (新潟医療福祉大学)
小島 紀代子(NPO障害者自立支援センターオアシス)、清水 晃(新潟県上越市)、今野 靖(新潟公共職業安定所)、 工藤 正一(NPO法人タートル)
ttp://andonoburo.net/on/2263
【特別企画】
1)「歩行訓練の将来」
司会:山田 幸男(NPO障害者自立支援センターオアシス)
清水 美知子(歩行訓練士;埼玉県)、松永 秀夫 (新潟県視覚障害者福祉協会)
http://andonoburo.net/on/2010
2)「視覚障害者とスマートフォン」
渡辺 哲也 (新潟大学工学部 福祉人間工学科)
http://andonoburo.net/on/2218
3)「盲学校での中途視覚障害者支援」
司会:小西 明 (新潟県立新潟盲学校 校長)
話題提供:中村 信弘(秋田県立盲学校 校長)、情報提供:田邊 佳実
http://andonoburo.net/on/2227
【ランチョンセミナー】今回試みとして、学会が主催して行いました。
「ここまで進化している!眼科の検査と治療の最前線」
長谷部 日 (新潟大学医学部講師;眼科)
http://andonoburo.net/on/2193
「医療のなかでのロービジョンケアの役割」
新井 千賀子 (視能訓練士:杏林大学)
http://andonoburo.net/on/2197
「『生きる』を変える,携帯端末と視覚リハ事情」
三宅 琢(Gift Hands) 氏間 和仁(広島大学)
http://andonoburo.net/on/2166
【関連企画】
「歩行訓練士情報交換会」「視能訓練士講習会」「地域ブロックの会」を開催しました。毎回お馴染みの「盲導犬体験コーナー」も好評でした。
「視能訓練士講習会」(視能訓練士のみ対象)
私はこうやっている-ロービジョンケア症例報告会-
司会:石井 雅子(新潟医療福祉大学医療技術学部)
1)就学前後のロービジョンケア 小笹 一枝(浅ノ川総合病院)
2)盲学校での学齢期ロービジョンケア 田中 敦子(秋田盲学校/秋田大学)
3)高齢者のロービジョンケア 昆 美保(岩手医科大学)
【福祉機器展示】 (一般開放)
福祉機器展示会場は、これまでになく多くの方が訪問し活気がありました。
機器展示企業&団体 (申し込み順)~ ケージーエス株式会社, 東海光学株式会社, 有限会社アットイーズ, 株式会社新潟眼鏡院, 日本テレソフト, 株式会社インサイト,(株) タイムズコーポレーション, シナノケンシ株式会社, (株)ケイメイ, アイネット株式会社,(株)西澤電機計器製作所, Gift Hands, 三菱電機株式会社 (京都製作所営業部),(株)エッシェンバッハ光学ジャパン, パナソニック株式会社・AVCネットワークス社, 日本盲導犬協会, 有限会社読書工房, ケアメイクリハビリテーション協会
【懇親会】
越後瞽女唄の披露や、利き酒コーナーを用意し、200名を超える方々が参加され盛況でした。
http://andonoburo.net/on/2029
【後援】
日本ロービジョン学会、日本視能訓練士協会、新潟大学工学部、新潟県、新潟市、新潟県眼科医会、新潟県視覚障害者福祉協会
【登録なしで参加できるプログラム】
1.機器展示
2.盲導犬体験コーナー
3.『招待講演』共催「新潟ロービジョン研究会2013」市民公開講座
1)「iPS細胞を用いた網膜再生医療」 高橋 政代 (理化学研究所)
2)「網膜色素変性、治療への最前線」 山本 修一 (千葉大学眼科教授)
【その他】
参加登録者数は400名を超えました(例年は200名、前年の所沢で300名)。どの会場もほぼ満員の状態でした。座長の先生には時間厳守で臨んで頂き、大きく時間がずれることなく進行できました。
最終日の招待講演は、どなたでも聴講できる市民公開講座として開催し、また直前にユーストリームを介してのネット配信も決まりました。講演会場(300名)・TV中継会場(100名)、および全国でのネット聴講(400名)での参加者を合計すると、800名超と過去最大規模となりました。
ただ参加者数が予想を超えたため御迷惑もお掛けしてしまいました。会場が狭く立ち見が出たため講演途中でイスを搬入したり、最終日には講演会場を倍の広さに変更したり、何度も予定の変更を余儀なくさせられました。ランチョンセミナーではお弁当が足りなくなったり、懇親会も想定外の200名を超える方々が参加され、食べ物が不足がちでした。ただこうした状況も、実行委員およびスタッフの機転を利かせた献身的な活躍で、何とか乗り切ることが出来ました。そして参加された皆さまの熱心な討論が繰り広げられ、盛り上がった、有意義な大会になったのではないかと思っております。
本大会の成功を握る5つの鍵として、以下の5点を掲げておりました。1)多くの方の参加、2)質の高い実りある議論、3)新潟をアピール、4)収支を赤字にしない、5)発表を原著に。幸いにも、このすべてを全うできそうです。特に最後の点に関しては、招待講演(2題)・特別講演(2題)・ランチョンセミナー(4題)・シンポジウム(1題)・特別企画(2題)の計11題を、総説および報告として、「視覚リハビリテーション研究」に掲載致します。ご期待下さい。
何回も準備委員会を開催し苦労もありましたが、笑顔で当日を迎えることが出来、笑顔で無事に大会を終えることが出来たことですべてが報われたと思います。
末筆になりましたが、終始丁寧にご指導頂いた視覚障害リハビリテーション協会、毎月実行委員会で遅くまで討議して頂いた実行委員、アルバイトとして協力頂いた医師(研修医含め)・新潟大学工学部・医学部・新潟医療福祉大学の学生、延べ50名の誘導ボランティアの皆さま、新潟市からの手話通訳の方々、労務提供して頂いた方々、ご寄付を頂いた団体や企業の方々、後援・支援を頂いた方々の全ての皆様に、厚く御礼申し上げます。
第23回大会は、2014年7月19日(土)20日(日)、会場は同志社大学です。今度は京都でお会いしましょう。
http://www.jarvi.org/guests/info/info20140719.html
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第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
大 会 期 間 :2013年6月22日(土)~6月23日(日)
プレカンファレンス:6月21日(金)
大 会 会 場 :
チサンホテル&コンファレンスセンター新潟(4階) 越後の間
新潟大学駅南キャンパスときめいと(2階)
【参加者・機器展示・後援・発表等の状況】
参加者人数 403名 (会員208名、非会員162名、学生33名)
懇親会参加者 235名 (会員・非会員・学生220名、招待者15名)
機器展出展 18企業・団体 (機器展入場者数は未計数なるも大いに賑わう)
後援団体 7
協賛企業・団体 16
発表(一般演題)81題 (一般口演9題、ポスター72題)
発表(企画講演等)15題 (特別講演2題、招待講演2題、シンポジウム1題、特別企画3題、ランチョンセミナー4題、関連企画3題)
取材 4件
【主催】視覚障害リハビリテーション協会
【主管】第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会実行委員会
【事務局】第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会実行委員会事務局
〒950-2181 新潟市西区五十嵐2の町8050番地
新潟大学 工学部 福祉人間工学科 渡辺研究室内
【実行委員会】
大 会 長:安藤 伸朗(済生会新潟第二病院 眼科)
大会実行委員長:渡辺 哲也(新潟大学工学部福祉人間工学科)
大会実行副委員長:松永 秀夫(新潟県視覚障害者福祉協会)
委 員:
伊佐 清 (トプコンメディカル新潟)
石井 雅子 (新潟医療福祉大学医療技術学部)
小島 紀代子(NPO法人障害者自立支援センターオアシス)
小西 明 (新潟県立新潟盲学校)
中野 真範 (株式会社 新潟眼鏡院)
張替 涼子 (新潟大学医学部 眼科)
星野 恵美子(新潟医療福祉大学社会福祉学部)
山口 俊光 (新潟市障がい者ITサポートセンター)
山田 幸男 (信楽園病院内科 新潟県保健衛生センター)
(以上、あいうえお順)
http://andonoburo.net/off/1624
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『視覚障害リハビリテーション協会』 とは?
視覚障害日常生活訓練研究会(1972年)、日本視覚障害歩行訓練士協会(1977年)、日本視覚障害リハビリテーション協会(1987年)、ロービジョン研究会(1988年)が統合して、1992年2月15日に設立されました。
本会は、視覚障害者に対する、福祉・教育・職業・医療等の分野におけるリハビリテーションに関心をもつ者の相互の学際的交流を図り、理解を深めるととも に、指導技術の向上を図る活動を通して、視覚障害者のリハビリテーションの発展・普及に寄与することを目的としています。様々な業種の方が、専門の枠を乗 り越えて討論できるのが魅力です。
視覚障害リハビリテーション協会
http://www.jarvi.org/