勉強会報告

2014年10月28日

特別講演3
 「本邦におけるロービジョンケアの課題と将来への展望」
   加藤 聡(東京大学眼科准教授;日本ロービジョン学会第3代理事長)  

【講演要約】
 日本ロービジョン学会が設立され、田淵前々理事長、高橋前理事長の功績により、ロービジョンケアが眼科医にも認識されるようになり、昨年には保険点数も付くようになった。しかし、本邦におけるロービジョンケアを取り巻く問題点の多さに未だ愕然とする思いがある。本講演では、はじめに日本ロービジョン学会について説明し、次にロービジョンケアを取り巻く課題と解決法、そして最後にロービジョンケアの将来についてお話しする。 

1.日本ロービジョン学会
 日本眼科学会のその関連学会23学会の一つであり、2000年に発足し、毎年学術総会を開催しており、その総会長は眼科医のみならず、ロービジョンケアにたずさわる多くの関係者が行っている。学会員の総数は現在約720名で、その三分の一ずつが眼科医と視能訓練士で、残りの三分の一をその他の医療関係者、教育関係、福祉関係の方々で構成されている。 

2.現在のロービジョンケアを取り巻く6つの問題
 ①眼科医療に携わる者(眼科医、視能訓練士)に対して、ロービジョンケアに関して系統だった教育法が確立されていない
 ②補助具の眼科診療室内での整備が難しい
 ③保険点数が認められたものの未だ、請求しづらい点がある
 ④視覚障害による身体障害者等級の線引きの妥当性の検証が未だ不十分なこと、
 ⑤関連団体との情報の共有性が充分なされていないこと、
 ⑥本邦内でのロービジョンケアの地域間格差があることである。 

 ①では、眼科医療の携わる指導者がロービジョンケアの教育を受けていないことが現状では問題であり、指導者層のロービジョンケアへの関心の向上が必要である。①の影響もあり、一通りの治療が済んだ失明者が眼科医を受診した時に、眼科医そのものが戸惑ってしまうこともある。②では、眼科内では補助具の販売ができず、そのために充分なトライアルセットが完備されていない現状がある。安価で正確なトライアルセットの出現が待たれる。③では、未だロービジョンケアに携わる眼科医が非常勤の場合に算定できないことがある。④では、身体障害者等級決定には科学的に裏打ちされた日常生活の不自由度によるものが理想だが、請求の簡便性とは相容れない物があり、その妥協点を見つけることが必要である。⑤では、ロービジョンケアを実施している施設の取りまとめが、各団体により異なり、視覚障害者に必ずしも正しい情報を提供しているとは言い難いのが現状である。⑥では県によってはロービジョンケアを行っている施設が充足されているのか疑問のところがある。全てにおいて解決策を示すことはできないが、そのような問題点があることをロービジョンケアに携わる者が知っておくことは意義があると考える。 

3.今後の展望として
 私が最も期待していることは、再生医療やiPS細胞などの最新治療により得られることになるであろう今まで経験したことのない新たな視機能に対するロービジョンケアの研究である。本来、それらの研究は、最新医療の研究と並行して行われていかなければ、最新治療により受けられる患者の恩恵は最小限のものになってしまう危険性がある。

 それに各県単位であるが、スマートサイトのようなネットワークができ始めていることが、ロービジョンケアの充実に不可欠であることを説明する。また、将来のロービジョンケアの中で今後、重要視すべきことは、視覚障害者の就労の問題である。JAMA Ophthalmolという雑誌の最新号に視力障害者には無職者が多いことが証明されており、この問題が重要性がわかる。

 最後に、私自身が考える本邦でのロービジョンケアのあり方についていくつか提言したい。それらは、
 ①ロービジョンケアにおいては眼科医のみならずあらゆる職種に協力を仰ぐこと、
 ②眼鏡店のロービジョンケアへのさらなる介入と全国展開への期待、
 ③補助具関連企業の世界的標準化、
 ④特殊支援学校や視覚障害者団体との情報の共有化、
 ⑤ロービジョンケアに関する研究の推進である。
 どれもすぐに実現できるものではないが、私自身はその実現に向けて努力を惜しまない考えである。
 

【略歴】 加藤 聡 (カトウ サトシ)
 1987年 新潟大学医学部医学科卒業
     東京大学医学部附属病院眼科入局
 1990年 東京逓信病院眼科
 1996年   東京女子医科大学糖尿病センター眼科講師
 1999年 東京大学医学部附属病院分院眼科講師
 2000年 King’s College London, St. Thomas’ Hospital研究員 
 2001年 東京大学医学部眼科講師
 2007年 東京大学医学部眼科准教授
 2013年 日本ロービジョン学会理事長
 2014年 東大病院眼科科長兼任
  現在に至る

 

【後記】
穏やかな表情ではあったが、思いや熱意のこもった講演でした。 〜 本当の治療はケアも含む。ケアができなければ専門家とは言えない。再生医療等の最新医療の研究と並行して行われていかなければ、最新治療により受けられる患者の恩恵は最小限のものになってしまう危険性がある。医療の変革に伴い、ロービジョンケアそのものの改革も必要となる。そうした事態にも備えていかねばならない。。。。

2014年10月27日

特別講演2
 日本におけるロービジョンケアの流れ:ロービジョンケアからロービジョン
  リハビリテーションへ-平成24年度診療報酬改定の意味するところ-
 高橋 広(北九州市立総合療育センター;日本ロービジョン学会第2代理事長) 

【講演要約】
 私のロービジョンケア(LVC)にかける思いを端的に表現すると、保有視機能を最大限に活用してQOLの向上を目指すものが私のLVCである。 

 1994年ある一人の成人緑内障患者との出会いからLVCを知った。日々治療に明け暮れていた私は、患者が希望する社会復帰を支援することができず煩悶していた。その時、知人の紹介で一人の歩行訓練士がこの患者に接したことで、患者は精神的にも立ち直り、社会復帰を果たしていった。その状況をつぶさに見た私は、LVCの真髄を垣間見る思いであった。これを機に、1996年産業医大病院眼科にロービジョンクリニックを開設した。当時は教育や福祉が主にLVCを担当しており、患者の多くはLVCの名すら知らず、眼科は経過観察や治療を提供する場でしかなかった。 

 その頃、LVCに関心を持つ眼科医が公に学ぶ場は厚生省主催視覚障害者用補装具適合判定医師研修会しかなく、LVCに関する和文の教科書もほとんどなく、須く私の師匠は患者であり、視覚障害者の方々であった。一方、視覚障害者の方々が持つ問題が医療だけでは全て解決できないのは自明のことであり、多くの他職種の人たちとの学際的連携が重要であると考え、北九州視覚障害研究会や九州ロービジョンフォーラムを発足させた。そして、この仲間との体験を一冊にまとめたものが「ロービジョンケアの実際 視覚障害者のQOL向上のために」(医学書院)である。 

 そもそも、眼科医療は眼疾患や視機能障害を診るのだから、そこから発生する不自由さや日常生活動作の支障を考えると、私たち眼科医は患者の目の使い方、適切な視覚補助具や視環境等々のアドバイスはごく普通にできるはずである。場合によっては心のケアを行いながら、「できなくなった」日常生活動作を一つひとつ「できる」ようにすることで自信が回復し、それが学校や職場など社会復帰へ繋がっていくことを当事者や家族が実感できることが大切である。 

 そのためには、寄り添いながらニーズに対応していくLVCでは十分でないことも多々あり、それを包含してもなお余りあるものが必要と考えた。それは、寄り添うところから一歩踏み出し、患者の抵抗を知りつつも患者の背中を押すことの必要性である。これは患者の意に沿わぬことを押し付けているように傍からは見え、医療スタッフに誤解を生じることも時にはあるが私はこれをロービジョンリハビリテーション(LVR)と呼び、これこそが眼科医療の役割と認識している。 

 また、他の身体障害では早期リハビリテーションがその予後を左右するといわれており、LVRでも同様と考える。これには、視能訓練士や看護師などのコメディカルとともに生活支援の立場から展開させていくことが大切である。 

 以上のような考え方をベースに、眼科医療にLVC、LVRを広く普及させなければならない重要性を痛感した私は“LVCの診療報酬化”を積極的に進めた。その結果、日本眼科学会や日本眼科医会の協力が得られ、厚生労働省の担当者にもご理解いただけ、当事者の方々からの大きな声が追い風となって、私が日本ロービジョン学会理事長在任中の2012年に、ロービジョンの診療報酬化はロービジョン検査判断料の名称で実現した。このロービジョン検査判断料は、繋ぎ目のない連携を求めており、医療がその任を果たすべきであることを示している。このようにLVRの意味を明確にした。したがって、今後のLVCはLVRを担う眼科医療が中心となり、如何に患者主導の医療に展開していくべきかである。
 

【略 歴】 高橋 広(北九州市立総合療育センター眼科部長)
 1975年 慶應義塾大学医学部卒業
 1986年 カナダ・ブリティッシュコロンビア大学留学
 1989年 産業医科大学医学部眼科学講座講師
 1993年 同大学助教授
 2000年 柳川リハビリテーション病院眼科部長
 2008年 北九州市立総合療育センター眼科部長(現在に至る)
 2012年 獨協医科大学越谷病院特任教授
役職:日本ロービジョン学会理事長:2010年4月~2013年3月

 

【後記】
ご自身のロービジョンケアを必要としている患者との出会いから、平成24年度診療報酬改定でLVケア検査判断料の成立までの獅子奮迅の奮闘を裏話も含めて披露して頂きました。
眼科医への期待は、「見える質の向上(QOV)」。眼科医は治すことが仕事で、福祉がケアを行うのか?LVケアは生活支援を目指す。当時、参考となる図書は少なく患者に学びながらやってきた。支える仲間が重要。福祉と教育に繋げるのが眼科医の仕事。「眼科医が行うLVケアには、寄り添うLVケアと、背中を押すLVケア(=LVリハビリテーション)がある。今後のロービジョンケアは眼科医療が中心となり、如何に患者主導の医療に展開していくべきかが課題である。

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『新潟ロービジョン研究会2014】
 日時:平成26年年9月27日(土)14:00~18:40
 会場:済生会新潟第二病院 10階会議室 
  主催:済生会新潟第二病院眼科  

開会の挨拶 安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
1)特別講演 (各講演40分)
1.日本におけるロービジョンケアの流れ:日本ロービジョン学会の設立前
   田淵昭雄(川崎医療福祉大学感覚矯正学科;日本ロービジョン学会初代理事長)
 http://andonoburo.net/on/3222

2.日本におけるロービジョンケアの流れ:ロービジョンケアからロービジョンリハビリテーションへ-平成24年度診療報酬改定の意味するところ-
   高橋 広(北九州市立総合療育センター;日本ロービジョン学会第2代理事長)
 
 http://andonoburo.net/on/3234

3.本邦におけるロービジョンケアの課題と将来への展望
   加藤 聡(東京大学眼科准教授;日本ロービジョン学会第3代(現)理事長)  

2)シンポジウム「我が国のロービジョンケアを語ろう」
 座長 仲泊 聡(国立障害者リハビリセンター病院)
    安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
 シンポジスト (各講演20分)
 1.吉野 由美子 (視覚障害リハビリテーション協会)
   「ロービジョン当事者として相談支援専門家として我が国のロービジョンケアの未来に対する夢を語る」
 2.八子恵子 (北福島医療センター)
   「一眼科医としてロービジョンケアを考える」
 3.山田 幸男 (新潟県保健衛生センター;信楽園病院 内科)
   「私たちの視覚障害リハビリテーション」
  コメンテーター
     田淵昭雄(日本ロービジョン学会初代理事長)
   高橋 広(日本ロービジョン学会第2代理事長)
   加藤 聡(日本ロービジョン学会第3代理事長)   

閉会の挨拶 仲泊 聡(国立障害者リハビリセンター病院)

 歴代の日本ロービジョン学会理事長3名が一堂に会して「我が国のロービジョンケア 過去・現在・未来」の特別講演、各地でロービジョンケアを実践している3名にシンポジウム「我が国のロービジョンケアを語ろう」で語って頂きました。各講師の講演が素晴らしく、また実りあるディスカッションと充実した時を過ごすことが出来ました。

 研究会には、新潟県内はもちろんのこと、全国(香川県・東京都・埼玉県・愛媛県・兵庫県・宮城県・茨城県・福島県・大阪府・滋賀県・奈良県・山形県・京都府・千葉県・岐阜県・神奈川県・和歌山県・福岡県・岡山県;参加申し込み順)から、約80名(医師・視能訓練士・教員・学生・心理カウンセラー・社会福祉士・ガイドヘルパー・市民の方々・当事者・家族等々)が参加し、大いに盛り上がりました。

 講師の方々に講演要約を書いて頂いたので、順次、ご報告致します。

 

特別講演 1
日本におけるロービジョンケアの流れ:日本ロービジョン学会の設立前
 田淵昭雄 (川崎医療福祉大学感覚矯正学科) 

【講演要約】
 2000年4月の第1回日本ロービジョン(以下、LV)学会学術集会での基調講演で、丸尾敏夫帝京大学教授が「・・日本におけるLVへの眼科医の対応は1929年にはじまり、弱視学級が作られた。近代的なLVの医療、教育、社会や行政への対応は40年前から始まり、30年前にはすで確立していた。」と述べられた。すなわち、1929年に小柳美三東北大眼科教授がLV児の特殊教育の必要性を訴え、1933年に南山尋常小学校(東京麻布)に全国初の弱視学級が開設された。戦後になって傷痍軍人など中途LV者のための更生施設開設(松井新二郎の活躍)と共に、1960年前後に原田政美、大山信郎、湖崎克ら眼科医の活動によって学校教育の中に弱視教室が実現した。1960年原田政美による視覚障害福祉、1961年湖崎克による弱視教育に関する学校保健法への働きがあり、1963年には弱視学級が大阪、東京、岡山で創設されている。1964年に文部省補助金交付対象研究団体として日本弱視教育研究会(大山信郎会長)が発足しているのは注目すべきである。同年に順天堂大学や岡山労災病院の眼科外来に今で言う総合リハビリテーションとも呼ばれる(障害の告知、心理相談、進路相談、院内生活訓練なども行う)本格的なLVクリニックが設置されている。LVケアも斜視弱視外来に取り入れられている。 

 それでも当時は眼科医主導のLVケア施設数が少ないこと、何よりもLVケアへの眼科医の関心の低さなどから、全国的には多数のLV者が眼科医療からLVケアへ繋がれることなく放置されていた、と言っても過言ではない。 

 一方、1970年から1980年代は視覚障害を持つ乳幼児の研究が盛んとなり、1979年には第1回乳幼児視覚障がい研究会(対馬貞夫ら)が立ち上げられている。演者が1970年代に兵庫県立こども病院在職中は、LV児は1968年に開設された東京都心身障害者福祉センター(原田政美所長)や1975年に開設された神戸市立総合福祉センターの視力障害幼児生活訓練室などで指導してもらった。何といっても地元でのLVケアが本来的であるが、その必要性を理解していた眼科医はまだ力不足であった。1970年以降の白内障眼内レンズ挿入術や網膜硝子体手術など眼科医療・研究の急速な発展と、それに追付こうとする気運が勝り、一般眼科医にはLVケアは念頭になかったといえる。ところが、高齢者社会の到来と共に中途LV者の増加が次第に地域LVケアへの転換の気運を生み出した。 

 1991年から年1回開催された国立身体障害者リハ・センター(簗島謙次眼科部長)での厚生労働省による「視覚障害者用補装具適正医師研修会」(通称、医師研)を受講した全国各地の眼科医による職場(地域)での活躍が年々活発化した。彼らは毎年大きな学会中に研究会を開き、症例検討や簗島謙次眼科部長から世界のLV研究の状況などを聞いて仲間意識を強めてきた。この研修会が国リハでの5日間の集中研修であったために参加者はそれほど増えなかった。しかし、彼らが核となりLVケアの学術的向上を望み、眼科医療関係者以外の教育、看護、福祉、保健や行政その他など広い領域による学際的組織として「日本LV学会」創設の基盤になっている。幸い2007年から同センターの部長(仲泊聡)が代わったのを機に、医師研の期間が3日間に短縮されて受講しやすくなっている(演者はその最初の受講生20名の一人で第230号の修了証書をもらっているが、この数は今後飛躍的に増加するだろう)。 

 演者(小児眼科医)の立場からみると、今なお、視覚障害乳幼児の早期指導で個々に応じた対応ができていない。とくに、晴眼児とのコミュニケーション不足も大きな問題で、本学会のロゴマークを無償で寄贈された漫画家故赤塚不二夫のような民間人からの支援も受けながら、今後より確実な指導法を開発する必要がある。 

【略歴】 田淵昭雄 
 昭和43年(1968年) 3月 神戸大学医学部卒業
 昭和45年(1970年) 7月 兵庫県立こども病院眼科勤務
 昭和52年(1977年) 5月 川崎医科大学 助教授 (眼科学)
 平成 元年(1989年)  9月 川崎医科大学 教授  (眼科学) 
 平成 4年(1992年)  9月 川崎医療福祉大学 教授(感覚矯正学)併任 
 平成 16年(2004年) 12月 川崎医科大学 教授 退職 
 平成 17年(2005年)  4月 川崎医科大学名誉教授
 平成23年(2011年) 4月 日本眼科学会名誉会員
 平成25年(2013年) 4月 川崎医療福祉大学 特任教授 

役職:日本ロービジョン学会理事長:
  平成12年(2000年)4月~平成22年(2010年)3月

【後記】
我が国のロービジョンケアの歴史を、特に眼科医との関連でお話して頂きました。
ロービジョンケア(LVケア)に眼科医が関与した歴史は、1929年に小柳美三東北大眼科初代教授がLV児の特殊教育の必要性を訴え、1933年に南山尋常小学校(東京麻布)に全国初の弱視学級が開設されたことに始まる。その後、原田政美・大山信郎・湖崎克らの眼科医が活躍したが、眼科医の関与が多いとは言えない。今後、ロービジョン学会を通して眼科医はもっと積極的に関わらなければならない。

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『新潟ロービジョン研究会2014】
 日時:平成26年年9月27日(土)14:00~18:40
 会場:済生会新潟第二病院 10階会議室 
  主催:済生会新潟第二病院眼科  

開会の挨拶 安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
1)特別講演 (各講演40分)
1.日本におけるロービジョンケアの流れ:日本ロービジョン学会の設立前
   田淵昭雄 (川崎医療福祉大学感覚矯正学科;日本ロービジョン学会初代理事長)
 http://andonoburo.net/on/3222

2.日本におけるロービジョンケアの流れ:ロービジョンケアからロービジョンリハビリテーションへ-平成24年度診療報酬改定の意味するところ-
   高橋 広(北九州市立総合療育センター;日本ロービジョン学会第2代理事長)
3.本邦におけるロービジョンケアの課題と将来への展望
   加藤 聡(東京大学眼科准教授;日本ロービジョン学会第3代(現)理事長) 

2)シンポジウム「我が国のロービジョンケアを語ろう」
 座長 仲泊 聡(国立障害者リハビリセンター病院)
    安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
 シンポジスト (各講演20分)
 1.吉野 由美子 (視覚障害リハビリテーション協会)
   「ロービジョン当事者として相談支援専門家として我が国のロービジョンケアの未来に対する夢を語る」
 2.八子恵子 (北福島医療センター)
   「一眼科医としてロービジョンケアを考える」
 3.山田 幸男 (新潟県保健衛生センター;信楽園病院 内科)
   「私たちの視覚障害リハビリテーション」
  コメンテーター
     田淵昭雄(日本ロービジョン学会初代理事長)
   高橋 広(日本ロービジョン学会第2代理事長)
   加藤 聡(日本ロービジョン学会第3代理事長)  

閉会の挨拶 仲泊 聡(国立障害者リハビリセンター病院)
 

 

【過去の新潟ロービジョン研究会 プログラム】
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【新潟ロービジョン研究会2013】
  第22回視覚障害リハビリテーション研究発表大会『招待講演』
  日時:2013年 6月23日(日) 9:00~10:50
  会場:チサンホテル4階 越後の間
    座長 安藤伸朗 (済生会新潟第二病院)
 1)「iPS細胞を用いた網膜再生医療」
     高橋 政代 (理化学研究所)
  http://andonoburo.net/on/2505
 2)「網膜色素変性、治療への最前線」
     山本 修一 (千葉大学眼科教授)
  http://andonoburo.net/on/2508  

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【新潟ロービジョン研究会2012】
  日時:2012年6月9日(土)13時15分~18時50分
  会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
  会費:無料 要;事前登録
1)特別講演  座長:安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院)
 「網膜変性疾患の治療の展望」
   小沢 洋子 (慶応大学眼科 網膜細胞生物学斑)
 http://andonoburo.net/on/2492
2)シンポジウム1『ITを利用したロービジョンケア』
   座長:守本 典子 (岡山大学) 野田 知子 (東京医大)
 1.基調講演
   「 ITの発展と視覚代行技術-利用者の夢、技術者の夢-」
      渡辺 哲也 (新潟大学工学部福祉人間工学科)
 2.私のIT利用法
  「ロービジョンケアにおけるiPadの活用」
     三宅 琢 (眼科医:名古屋市)
  「視覚障害者にとってのICT~今の私があるのはパソコンのおかげ~」
     園 順一  (京都福祉情報ネットワーク代表 京都市)
 http://andonoburo.net/on/2495
3)基調講演  座長:張替 涼子 (新潟大学)
 「明日へつながる告知」
   小川 弓子 (小児科医;福岡市立肢体不自由児施設あゆみ学園 園長)
 シンポジウム2『網膜色素変性の病名告知』
   座長 佐渡 一成 (さど眼科、仙台市) 張替 涼子 (新潟大学)
  「眼科医はどのような告知を目指し、心がけるべきか」
     守本 典子 (眼科医:岡山大学)
  「家族からの告知~環境と時期~」 
     園 順一 (JRPS2代目副会長 京都市)
  「こんな告知をしてほしい」
     竹熊 有可 (旧姓;小野塚 JRPS初代会長、新潟市)
  コメンテーター
    小川 弓子 (小児科医;福岡市立肢体不自由児施設あゆみ学園 延長)
       http://andonoburo.net/on/2502   

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【新潟ロービジョン研究会2011】
 公開講座「高次脳機能と視覚の重複障害を考える~済生会新潟シンポジウム」
  日時:2011年2月5日(土) 15:00~18:00
  会場;済生会新潟第二病院 10階会議室
1)特別講演 
 座長:永井 博子(神経内科医;押木内科神経内科医院)
  「重複障害を負った脳外科医 心のリハビリを楽しみながら生きる」
    佐藤正純(もと脳神経外科専門医;横浜市立大学付属病院
         医療相談員:介護付有料老人ホーム「はなことば新横浜2号館」)
 http://andonoburo.net/on/2479
2)教育講演  座長:安藤 伸朗(眼科医済生会新潟第二病院)
  「高次脳機能障害とは?」 
    仲泊 聡 (国立障害者リハビリセンター病院;眼科医)
  「高次脳機能障害と視覚障害を重複した方へのリハビリ」
    野崎 正和 (京都ライトハウス鳥居寮;リハ指導員)
  「前頭葉機能不全 その先の戦略~Rusk脳損傷通院プログラムと神経心理ピラミッド」
    立神粧子 (フェリス女学院大学)
 http://andonoburo.net/on/2487  

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【新潟ロービジョン研究会2010】
  日時:2010(平成22)年7月17日(土)14時00分 ~ 18時20分
  会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
  テーマ:「『見えない』を『見える』に」
  会費:無料  要、事前登録
1)特別講演 
  「障がい者が支援機器を活用できる社会に」
    座長:安藤 伸朗(済生会新潟第二病院)
    演者:林 豊彦(新潟大学工学部福祉人間工学科・教授)
  「前進する網膜変性の治療」
    座長:加藤 聡 (東京大学眼科)
    演者:山本 修一(千葉大学大学院医学研究院眼科学教授/日本網膜色素変性症協会副会長)
  「ロービジョンで見えるようになる」
     座長:張替 涼子 (新潟大学眼科)
     演者:小田 浩一 (東京女子大学人間科学科教授)
 http://andonoburo.net/on/2470
2)シンポジウム 「『見えない』を『見える』に」
   司会:加藤 聡 (東京大学眼科)張替 涼子 (新潟大学眼科)
      安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院眼科)
   コメンテーター:
     山本 修一 (千葉大学大学院医学研究院眼科学教授)
     林 豊彦  (新潟大学工学部福祉人間工学科・教授)
     小田 浩一 (東京女子大学人間科学科教授)
 「見えないってどんなこと?」
    稲垣 吉彦 (有限会社アットイーズ 取締役社長)
 「見えなくてもできる」
    永井 和子 (視覚障害生活訓練等指導員;
          長崎こども・女性・障害者支援センター)
 「見える喜び・できる喜び~教育の立場から~」 
    田中 宏幸 (教諭;新潟県立新潟盲学校)
 「視野評価とロービジョンケア」
    柳澤 美衣子(視能訓練士;東京大学医学部付属病院)
 「とっても眩しいんです」
    仲泊 聡(眼科医;国立障害者リハ病院第二診療部長) 
 http://andonoburo.net/on/2473   

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【新潟ロービジョン研究会2009】
  日時:2009年7月4日(土)
  会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
  テーマ「ロービジョンケアは心のケアから」
1)特別講演
  「ロービジョンケアにおける心療眼科の役割」
    気賀沢 一輝(杏林大学;心療眼科)
  「心と病気ー病は気から、とは本当だろうか?」
    櫻井 浩治(新潟大学名誉教授;精神科)
2)「新潟盲学校」
   学校紹介 田中宏幸(新潟盲学校教論)
   盲学校に入学して 竹熊有可(新潟盲学校)
3)シンポジウム「ロービジョンケアは心のケアから」
   司会:加藤 聡(東京大学眼科准教授)安藤 伸朗(済生会新潟第二病院眼科)
   シンポジスト
     西脇 友紀(もり眼科医院;視能訓練士)
     高林 雅子(順天堂大学;心理カウンセラー)
     小島紀代子(NPO法人オアシス・視覚障害リハビリ外来)
     竹熊 有可(新潟盲学校)
     内山 博貴(福祉介護士)
     稲垣 吉彦(アットイーズ;東京)
   コメンテーター
     櫻井 浩治(新潟大学名誉教授;精神科)
     気賀沢 一輝(杏林大学;心療眼科)
 <機器展示>
   東海光学、タイムズコーポレーション、アットイーズ(東京)、新潟眼鏡院
  http://andonoburo.net/on/2464  

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【新潟ロービジョン研究会2008】
  日時:2008年8月2日(土)15時30分~18時30分
  会場:済生会新潟第二病院 10階会議室   参加費 無料
  テーマ「視覚障がい者の就労」
   進行役 張替 涼子(新潟大学) 安藤 伸朗(済生会新潟第二病院)
1)講演
  「新潟県立新潟盲学校における進路指導の現状と課題」
     渡辺 利喜男、仁木 知子(新潟県立新潟盲学校)
  「視覚障害者の就労に私はどうかかわることができるか」
     仲泊 聡(国立身体障害者リハビリ病院眼科部長)
  「視覚障がい者の就労」~NPO法人タートル事務局長の立場から~
     篠島 永一(NPO法人タートル事務局長;
           元日本盲人職能開発センター所長)
  「わが社の障がい者雇用について」
     小野塚 繁基 (小野塚印刷専務取締役;新潟市) 
  「障碍」を持つ教師の働く権利保障をめざして 
     栗川 治(「障碍」を持つ教師・連絡協議会事務局長;
          新潟西高校教諭)
2)パネルディスカッション 皆で考える「視覚障がい者の就労」
    仲泊 聡 (国立身体障害者リハビリ病院眼科部長)
    篠島 永一(NPO法人タートル事務局長;
          元日本盲人職能開発センター所長)
    小野塚 繁基(小野塚印刷専務取締役;新潟市)
    栗川 治 (「障碍」を持つ教師・連絡協議会事務局長;
          新潟西高校教諭)
    渡辺 利喜男、仁木 知子(新潟県立新潟盲学校)
    就労体験者~亀山 智美 (長岡中央病院)
          薬師寺 剛 (新潟県立吉田養護学校教諭)
          轡田 貴子 (国際福祉医療カレッジ)
          小川 良栄 (長岡市自営業)
 機器展示 展示品アピール
    東海光学、タイムズコーポレーション、ナイツ、アットイーズ(新潟)、新潟眼鏡院
 http://andonoburo.net/on/2460   

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【新潟ロービジョン研究会2007】
  日時:2007年9月1日(土) 15時00分~18時45分
  会場:済生会新潟第二病院 10階会議室    会費:1000円
  機器展示メーカーからのPRタイム
    東海光学、ナイツ、タイムズコーポレーション、大活字、おんでこ、新潟眼鏡院
1)特別講演~ 座長:張替涼子(新潟大学) 安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
 「視覚障害リハビリテーション-ボランティア・パワーを集結した医療をめざしてー」
    山田幸男(内科医 信楽園病院 視覚障害リハビリ外来)
 http://andonoburo.net/on/2442
 「ロービジョンケアを考える」
    山田信也(生活支援員、歩行訓練士;国立函館視力障害センター) 
 http://andonoburo.net/on/2449
2) 討論会「眼科に期待すること、眼科が出来ること」
    司会 小野沢裕子(フリーアナウンサー)安藤伸朗(眼科医)
    討論参加者
     山田幸男(内科医)
     山田信也(歩行訓練士)
     張替涼子(眼科医)
     佐藤美恵子(視能訓練士)
     患者さん 会場全員   

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【新潟ロービジョン研究会2006】
  日時:2006年7月29日(土)16時~19時10分
  会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
 1)講演
  「一般外来でのロービジョンケア-QOL向上のための初めの一歩」
     佐藤美恵子 (視能訓練士 新潟県立新発田病院)
  「視覚障害者の就労継続と連携」
     工藤正一 (中途視覚障害者の復職を考える会『タートルの会』)
  「中途視覚障害者の家族としての支援、家族への支援」
     工藤良子 (千葉県医療技術大学校看護学科)
  「失明してしまった手術のこと」 
     荻野誠周 (眼科医 新城眼科)
 2)便利グッズ紹介 県内の皆さんからの紹介コーナー
 3)シンポジウム「皆で考えるロービジョンケア」
   座長 張替涼子(新潟大学) 安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
    佐藤美恵子 (視能訓練士 新潟県立新発田病院)
    工藤正一 (『タートルの会』)
    工藤良子 (千葉県医療技術大学校看護学科)
    荻野誠周 (眼科医 新城眼科)
   http://andonoburo.net/on/2438   

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【第6回新潟ロービジョン研究会】
  日時:2005(平成17)年8月7日(日)
  会場:新潟大学医学部 有壬記念館
  参加費 2000円
1)特別講演
  「ロービジョンと読書」  小田 浩一(東京女子大学)
  「型にはめない対応を」  清水 美知子(歩行訓練士)
  「眼科医の悩み」  松村 美代(関西医大眼科)
2)シンポジウム 「患者の気持ち、医者の心をお互いに聴く」
  司会:小野沢 裕子(フリーアナウンサー)
        松村 美代(関西医大眼科)
     清水 美知子(歩行訓練士)
     伊藤 文子(新潟市)
     内山 博貴(元高校球児、介護福祉士)
     大音 清香(看護師、日本眼科看護研究会理事長)
     福下 公子(眼科開業医、遺伝相談医師カウンセラー)
     安藤 伸朗(眼科勤務医)
3)便利グッズ紹介
   田村 めぐみ(眼科医;東大眼科ロービジョン外来)
   林 豊彦(新潟大学工学部大学院)  

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【第5回新潟ロービジョン研究会】
  日時:2004年6月5日(土)午後
  会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
  対象:医療関係者&ロービジョンケア専門家
  会費:一人1000円
 特別講演
 1)「糖尿病網膜症患者さんのロービジョンケア」
    田中恵津子(杏林大学眼科ロービジョン外来)
 2)網膜色素変性症治療の最前線
  1.「網膜色素変性症治療としての神経網膜移植」
     荒井紳一(新潟大学眼科) 
  2.「網膜色素変性の研究あれこれー再生医療を中心に」
     高橋政代(京都大学医学部付属病院 探索医療センター助教授) 

 講演会
   対象:どなたでも 会費:一人1000円 
 1)「網膜色素変性―病気とうまくつきあっていくために」
    高橋政代(京都大学医学部付属病院 探索医療センター開発部助教授)
 2)便利グッズの選び方・使い方」
    市橋竜正(株:大活字)   

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【第4回新潟ロービジョン研究会(兼 症例検討会)】
  日時:2003年4月26日(土) 午後2時~6時
  会場:済生会新潟第二病院10階会議室  参加費:1000円
1)講演「ロービジョン機器の最新情報」
     山中幸宏(アサクラ)
2)講演&実習「拡大読書器の使い方」 
     森田茂樹(京都府)   

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【第3回新潟ロービジョン勉強会】
  日時:2002年11月30日(土)15時40分~18時10分
  会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
1)特別講演   座長:大石正夫(信楽園病院ロービジョン)
 「小児眼科診療 私のやり方」
    富田 香 (平和眼科;東京都)
2)講演   座長:張替涼子(新潟大学眼科ロービジョン)
  「当院のロービジョンサービス」 
    藤田昭子(新潟臨港総合病院視能訓練士)
  「子育て体験とボランティア活動」
    小松郁子 (神奈川県)   

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【第2回新潟ロービジョン勉強会】
  日時:2001年9月29日(土)14:30~17:00
  会場:済生会新潟第二病院 10F 会議室AB 参加料無料
 1)特別講演  座長 大石正夫(信楽園病院眼科リハビリ外来)
  「福祉機器を起点とした商品開発のために」
    牧野秀夫  (新大工学部情報工学科教授)
 2)症例報告  座長 張替涼子(新大眼科ロービジョン外来)
  「私の経験した症例から」
    佐藤美恵子 (県立加茂病院眼科視能訓練士)
 3)実践的講習会  座長 安藤伸朗 (済生会新潟第二病院)
  「遮光眼鏡の処方の実際」
    小山哲矢 (東海光学株式会社)   

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【第1回新潟ロービジョン勉強会】
  日時:2001年4月7日(土)14:00~17:00
  会場:済生会新潟第二病院 10F会議室  参加料無料
 1)講演
  「ロービジョン外来の実際」
     張替涼子(新潟大学眼科ロービジョン外来)
  「視覚補助具(特に拡大読書器)の正しい選び方」
     土田重一(ナイツ)
 2)実習
  「擬似体験と視覚補助具の選び方」
     土田重一(ナイツ) 

2014年10月10日

済生会新潟第二病院眼科勉強会は、毎年10月は眼科の先生をお招きして、「目の愛護デー記念講演」を開催しています。

目の愛護デーの起源が記されている『明治天皇聖徳記念碑』(新潟市)
http://andonoburo.net/off/1790

 

「目の愛護デー記念講演会 2013」
  (第212回(13‐10月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会)
   演題:「眼科医として私だからできること」
   講師:西田 朋美 
     (国立障害者リハビリテーションセンター病院第二診療部 眼科医長)
    日時:2013年(平成25年)10月9日(水)16:30 ~ 18:00 
    場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 
  http://andonoburo.net/on/2600

 

 「目の愛護デー記念講演会 2012」
  (第200回(12‐10月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会)
   演題:「『眼の愛護デー』のルーツを探り、失明予防へ」  
   講師: 岩田 和雄 (新潟大学名誉教授)
    日時:2012年(平成24年)10月10日(水)17:00 ~ 18:30 
    場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 
  http://andonoburo.net/on/2595

 

 「目の愛護デー記念講演会 2010」
  (第174回(10‐08月) 済生会新潟第二病院 眼科勉強会)
   演題:「今昔白内障治療物語」
   講師:藤井 青 (新潟県眼科医会会長、前新潟市民病院眼科部長)
    日時:平成22年8月11日(水)16:30~18:00  
    場所:済生会新潟第二病院 眼科外来
  http://andonoburo.net/on/2589

 

 
 「目の愛護デー記念講演会2009(公開講座)明日の眼科を考える新潟フォーラム」 
  特別講演
   1)「人工の眼は可能か?」 
       仲泊 聡 (国立障害者リハビリセンター病院) 
   2)「網膜色素変性とiPS細胞」
      高橋 政代 (理化学研究所)
  シンポジウム「明日の眼科を考える」
    司会: 西田 朋美 (国立障害者リハビリセンター病院) 
        安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院)
    シンポジスト
        田中 正四 (新潟県胎内市;患者)
        清水 美知子 (埼玉県;歩行訓練士)
        川瀬 和秀 (岐阜大学;眼科医)
    コメンテーター
        高橋 政代 (理化学研究所)
        仲泊 聡 (国立障害者リハビリセンター眼科) 
     日時;2009年(平成21年)11月21日(土)14時30分~18時00分
     場所;済生会新潟第二病院 10階会議室
     主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2577

 

 

 「済生会新潟第二病院眼科 市民公開講座2008(細井順 講演会)」 
  (第144回(08‐2月)済生会新潟第二病院眼科勉強会)
   演題:「豊かな生き方、納得した終わり方」
   講師:細井順(財団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院ホスピス長)
    日時:2008年(平成20年)2月23日(土) 午後4時~5時半
    場所:済生会新潟第二病院 10階会議室
    主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2573

 

 「目の愛護デー記念講演会(市民公開講座)2007」
  特別講演 
   「見えているからといって安心できない眼の病気」
     櫻井真彦(埼玉医科大学総合医療センター教授;眼科) 
  シンポジウム 
   「患者として思うこと 看護師として思うこと」
     稲垣吉彦(患者;有限会社アットイーズ 取締役社長、千葉県)
     荒川和子(看護師;医療法人社団済安堂 井上眼科病院、東京)
   日時:平成19年11月11日(日) 10時~12時半
   場所:済生会新潟第二病院 10階会議室
   主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2556

 

 

 「目の愛護デー記念講演会(市民公開講座)2006」
  「失明の体験と現在の私」 
    西田稔(NPO『眼炎症スタディーグループ』理事長)
  「シルクロード病(ベーチェット病)からの贈り物」 
    西田朋美(眼科医、聖隷横浜病院) 
    日時:平成18年11月11日(土) 16:00~18:00 
    場所:済生会新潟第二病院10階会議室
    主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2552

 

 

 「目の愛護デー記念講演会(市民公開講座)2005」 
  「40歳からの眼の健康」 
    安藤伸朗 (済生会新潟第二病院眼科)
  「ホスピスで生きる人たち」 
    細井順 (財団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院緩和ケア部長)
    期日:平成17年11月26日(土) 15時~17時
    場所:済生会新潟第二病院10階会議室
    主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2548

 

 

 「目の愛護デー記念講演会 2004」
   演題:『眼の話』 
   講師:藤井 青 (新潟医療専門学校教授;前新潟市民病院眼科部長)
    期日:2004年10月13日(水) 17時~18時
    場所:済生会新潟第二病院 10階 会議室
    主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2535

 

 

 「目の愛護デー記念講演会 2003」
  (第89回済生会新潟第二病院眼科勉強会)
   演題:「なんでだろう目の病気(あなたの疑問に答えます)」
   講師:今井済夫(長野県眼科医会理事、長野県上田市)
    日時:2003年10月8日(水) 18:30~19:30
    場所:済生会新潟第二病院 玄関ホール
    主催:済生会新潟第二病院眼科

 

 「目の愛護デー記念講演会 2002」
   演題:「失明予防のためにー緑内障を中心にしてー」
   講師: 岩田和雄 (新潟大学医学部名誉教授 眼科学)
    日時: 平成14年10月10日(木) 17:00~18:30
    場所: 済生会新潟第二病院 10階会議室
    主催:済生会新潟第二病院眼科

2014年10月9日

 演題:「視力では語れない眼と視覚の愛護」
 講師:若倉雅登 (井上眼科病院;名誉院長)
  日時:平成26年10月8日(水)17:00 ~ 18:30 
  場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 

毎年10月の勉強会は、眼科の先生をお招きして、「目の愛護デー記念講演」を開催しています。今回は若倉雅登先生(井上眼科病院 名誉院長)に講演して頂きました。
(本速報版は、私の講演のメモを基に作成したものです。後日、若倉先生に講演要約を執筆して頂き報告する予定です)

 【講演要旨】
 「目の愛護デー」が近くなると、「目を大切に」「視力を大切に」といった標語が目につくようになる。眼球の構造やそこに生じる、ドライアイや白内障や、緑内障など、聞きなれた眼の疾患を思い起こす人も多いだろう。眼科の領域は実は非常に広い。神経眼科、心療眼科を専門として40年近く診療を続けてきている中で、快適な視覚を得るためには、眼球と脳の精緻な共同作業が必要なことを学んできた。しかも、左右眼のバランスは、その機能を発揮する上で非常に大切で、逆にアンバランスは眼精疲労の原因になるだけでなく、日常視、日常生活に甚だしい支障をもたらし、高度な場合には心の問題も惹き起こす。ここには左右眼それぞれの視力がいかに良好でも起きる可能性のある問題が存在し、「目」というと、「視力」のことばかり考える眼科医や、一般人にとっては大きな落とし穴となる。このような例は、決して珍しいことではなく、不都合の原因として気付いてないだけのことが多い。 

 視力・視野に異常がある場合は、視覚障害者として法律に基づいて、保護・ケアされるが、左右眼のアンバランスや高次脳機能障害などは、多くの場合周囲の人には理解されない。眼科医が理解してあげなければならない。 

 視覚情報は、眼球から視路を経て視覚中枢の後頭葉へ、その後は2通りの経路を経て前頭葉に行く。一つは、空間視として頭頂視覚路(whereどこ)、もう一つは、物体視として側頭視覚路(whatなに)。こうしたシステムを用いて「見る」→「笑う」の反応となる。「見る」ためには、眼は眼球運動により絶えずスキャンしている。「見たいもの」を」見つけると、注目attention⇒調節、、、瞳孔も反応して連動する。こうした分野を学問するのが神経眼科。 

 医師が求める医療と患者が求める医療は、必ずしも同じではない。医者は病を医学的に考えて治療する。患者の自覚症状は、診断するための大事な部分ではあるが治すべきは医学的に捉えられている病気、。患者が治して欲しいのは困っているもの(自覚症状)[三流になった日本の医療(2009、PHP研究所)]。 

 一般の眼科では、視力・眼圧や視野の異常を呈する「病気」を治すが、神経眼科・心療眼科では、眼球と脳の共同作業の異常を診る。愁訴が非常に大事なものとなる。「かすむ・ぼける」調節・輻輳、両眼視機能。高次脳機能障害。「複視」核上・核間・核下、外眼筋、機械的(眼窩腫瘍・甲状腺障害・眼窩吹きぬけ骨折)これらの他に「眼窩窮屈病」(強度近視眼;固定内斜視に至る前の段階;Kohmoto:Cli.Ophthalmol5.5-11.2011若倉:臨床眼科2013)(注1)。「眼瞼けいれん」(1911)女性に多い。運動障害・感覚過敏・精神症状。ボツリヌス毒素で著明に改善。睡眠導入剤、特にベンゾジアゼピン(BZ)(注2)が原因となること多し。海外ではBZの長期連用を禁じているが、日本では野放し。睡眠導入剤常用者は、認知症になる確率が1.5~3.5多いことも報告されている(Billioti de Gage S BMJ2012)(注3)。「中枢性羞明」(注4)PET-CTで診断可能。 

 臨床現場におけるスタンス~①常識にとらわれず常に学ぶ、②患者さん目線で、③相手の話を聞く傾聴、④視力視野にとらわれず実生活での視力を重視、⑤判らないことは判らないというが、見立ても添える、⑥患者さんの立場で考える。 

 ロービジョンという概念の中に両眼視や中枢性視覚障害も含めた、「Visual handicap」という概念を導入したい。Visual handicapを伴う方々の精神的ケアを眼の愛護と呼びたい。 
 

注1:「窮屈病」
http://www.painnavi.com/eye011.html 

注2:ベンゾジアゼピン系睡眠薬
 http://www2s.biglobe.ne.jp/~yakujou/memo/bz_suimin.html 

注3:睡眠導入剤常用者は、1.5~3.5倍認知症になり易い
Benzodiazepine use and risk of dementia: prospective population based study.
Billioti de Gage S, Bégaud B, Bazin F, Verdoux H, Dartigues JF, Pérès K, Kurth T, Pariente A.
BMJ. 2012 Sep 27;345:e6231. doi: 10.1136/bmj.e6231.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23045258

注4:中枢性羞明
・本態性眼瞼痙攣:視床の活動亢進,上丘の活動抑制、・三叉神経痛、・片頭痛、・脳圧亢進・外傷そのたの頭蓋内病変、・同名半盲(後頭葉損傷)
http://www.med.teikyo-u.ac.jp/~ortho/med/pat/patho2-12.html

 

若倉雅登先生の著書
 目は快適でなくてはいけない(2005、人間と歴史社)
 目力の秘密(2008、同社)
 三流になった日本の医療(2009、PHP研究所)
 目の異常、そのとき(2010,人間と歴史社)
 健康は眼にきけ(2011, 春秋社)
 小説「高津川、日本初の女性眼科医右田アサ」(2012,青志社)
 絶望からはじまる患者力: 視覚障害を超えて(2013, 春秋社0)

@若倉先生のご尊父は、文芸評論家「進藤純孝」本名:若倉雅郎(まさお)。
https://kotobank.jp/word/%E9%80%B2%E8%97%A4%E7%B4%94%E5%AD%9D-1083177

 

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 【過去の済生会新潟第二病院眼科主催の「目の愛護デー講演会」】

 「目の愛護デー記念講演会 2013」
  (第212回(13‐10月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会)
   演題:「眼科医として私だからできること」
   講師:西田 朋美 
     (国立障害者リハビリテーションセンター病院第二診療部 眼科医長)
    日時:2013年(平成25年)10月9日(水)16:30 ~ 18:00 
    場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 
  http://andonoburo.net/on/2600

 

 「目の愛護デー記念講演会 2012」
  (第200回(12‐10月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会)
   演題:「『眼の愛護デー』のルーツを探り、失明予防へ」  
   講師: 岩田 和雄 (新潟大学名誉教授)
    日時:2012年(平成24年)10月10日(水)17:00 ~ 18:30 
    場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 
  http://andonoburo.net/on/2595

 

 「目の愛護デー記念講演会 2010」
  (第174回(10‐08月) 済生会新潟第二病院 眼科勉強会)
   演題:「今昔白内障治療物語」
   講師:藤井 青 (新潟県眼科医会会長、前新潟市民病院眼科部長)
    日時:平成22年8月11日(水)16:30~18:00  
    場所:済生会新潟第二病院 眼科外来
  http://andonoburo.net/on/2589

 

 
 「目の愛護デー記念講演会2009(公開講座)明日の眼科を考える新潟フォーラム」 
  特別講演
   1)「人工の眼は可能か?」 
       仲泊 聡 (国立障害者リハビリセンター病院) 
   2)「網膜色素変性とiPS細胞」
      高橋 政代 (理化学研究所)
  シンポジウム「明日の眼科を考える」
    司会: 西田 朋美 (国立障害者リハビリセンター病院) 
        安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院)
    シンポジスト
        田中 正四 (新潟県胎内市;患者)
        清水 美知子 (埼玉県;歩行訓練士)
        川瀬 和秀 (岐阜大学;眼科医)
    コメンテーター
        高橋 政代 (理化学研究所)
        仲泊 聡 (国立障害者リハビリセンター眼科) 
     日時;2009年(平成21年)11月21日(土) 14時30分 ~ 18時00分
     場所;済生会新潟第二病院 10階会議室
     主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2577

 

 

 「済生会新潟第二病院眼科 市民公開講座2008(細井順 講演会)」 
  (第144回(08‐2月)済生会新潟第二病院眼科勉強会)
 
  演題:「豊かな生き方、納得した終わり方」
   講師:細井順(財団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院ホスピス長)
    日時:2008年(平成20年)2月23日(土) 午後4時~5時半
    場所:済生会新潟第二病院 10階会議室
    主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2573
 

 

 「目の愛護デー記念講演会(市民公開講座)2007」
  特別講演 
   「見えているからといって安心できない眼の病気」
     櫻井真彦(埼玉医科大学総合医療センター教授;眼科) 
  シンポジウム 
   「患者として思うこと 看護師として思うこと」
     稲垣吉彦(患者;有限会社アットイーズ 取締役社長、千葉県)
     荒川和子(看護師;医療法人社団済安堂 井上眼科病院、東京)
   日時:平成19年11月11日(日) 10時~12時半
   場所:済生会新潟第二病院 10階会議室
   主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2556

 

 

 「目の愛護デー記念講演会(市民公開講座)2006」
  「失明の体験と現在の私」 
    西田稔(NPO『眼炎症スタディーグループ』理事長)
  「シルクロード病(ベーチェット病)からの贈り物」 
    西田朋美(眼科医、聖隷横浜病院) 
    日時:平成18年11月11日(土) 16:00~18:00 
    場所:済生会新潟第二病院10階会議室
    主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2552

 

 

 「目の愛護デー記念講演会(市民公開講座)2005」 
  「40歳からの眼の健康」 
    安藤伸朗 (済生会新潟第二病院眼科)
  「ホスピスで生きる人たち」 
    細井順 (財団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院緩和ケア部長)
    期日:平成17年11月26日(土) 15時~17時
    場所:済生会新潟第二病院10階会議室
    主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2548

 

 

 「目の愛護デー記念講演会 2004」
   演題:『眼の話』 
   講師:藤井 青 (新潟医療専門学校教授;前新潟市民病院眼科部長)
    期日:2004年10月13日(水) 17時~18時
    場所:済生会新潟第二病院 10階 会議室
    主催:済生会新潟第二病院眼科
  http://andonoburo.net/on/2535

 

 

 「目の愛護デー記念講演会 2003」
  (第89回済生会新潟第二病院眼科勉強会)
   演題:「なんでだろう目の病気(あなたの疑問に答えます)」
   講師:今井済夫(長野県眼科医会理事、長野県上田市)
    日時:2003年10月8日(水) 18:30~19:30
    場所:済生会新潟第二病院 玄関ホール
    主催:済生会新潟第二病院眼科

 

 「目の愛護デー記念講演会 2002」
   演題:「失明予防のためにー緑内障を中心にしてー」
   講師: 岩田和雄 (新潟大学医学部名誉教授 眼科学)
    日時: 平成14年10月10日(木) 17:00~18:30
    場所: 済生会新潟第二病院 10階会議室
    主催:済生会新潟第二病院眼科