2014年5月4日

 「学問のすすめ」講演会は済生会新潟第二病院眼科で2010年2月より開始した企画です。若い医師とそれを支える指導者に、夢と希望を持って学問そして臨床に励んでもらおうと始めました。
 講師の先生には、若い人へのメッセージを添えて、取り組んでこられた研究テーマを中心に、これまでの学究生活について自叙伝風に語って頂きます。
 どなたでも参加できます。第9回講演会を予定しました。今のうちにカレンダーへのチェックをお願いします。


「学問のすすめ」 第9回講演会
  「摩訶まか緑内障」
 
   木内良明(広島大学眼科教授) 
 
「学問はしたくはないけれど・・・」
 
   加藤 聡(東京大学眼科准教授)
 日時:2014年7月6日(日) 10時~13時
 会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
 主催:済生会新潟第二病院 眼科
 講演時間1時間、質疑応答30分 

 

 

@「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」の意味
 福沢諭吉の「学問のすすめ」の一説としてあまりに有名ですが、本当に意味するところは以下の通りです。 「人は生まれながら貴賎上下の差別ない。けれども今広くこの人間世界を見渡すと、賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。その違いは何だろう?。それは甚だ明らかだ。賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれどただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるのだ。」

 

参考までに
過去の「学問のすすめ」講演会プログラム
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「学問のすすめ」 第8回講演会
   日時:2012年9月15日(土) 15時~18時
   会場:済生会新潟第二病院  10階会議室A
 「疫学を基礎とした眼科学の展開」
    山下 英俊 (山形大学眼科教授、医学部長)
 「2型糖尿病の成因と治療戦略」
    門脇 孝(東京大学内科教授、日本糖尿病学会理事長)
 http://andonoburo.net/on/2423
 

「学問のすすめ」 第7回講演会
   日時:2012年6月10日(日) 9時~12時
   会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
 「遺伝性網膜変性疾患の分子遺伝学」
    中沢 満(弘前大学大学院医学研究科眼科学講座教授)
 「iPS細胞-基礎研究から臨床、産業へ」
    高橋 政代 (理化学研究所)
 http://andonoburo.net/on/2420

 
「学問のすすめ」 第6回講演会
   日時:2012年3月17日(土)15:00~18:00
   会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
 「糖尿病網膜症と全身状態
   
 どの位のHbA1cが何年位続けば網膜症は発症するのか?」
     廣瀬 晶 (東京女子医大糖尿病センター眼科)
 「私の歩いた一筋の道
   糖尿病と妊娠の分野を開拓しながら学んだ事」
     大森安恵 (海老名総合病院 糖尿病センター長)
          (東京女子医科大学名誉教授;内科)
 http://andonoburo.net/on/2411

「学問のすすめ」 第5回講演会 
   日時:2011年10月29日(土)16時30分~19時30分
   会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
 「神経再生の最前線ー神経成長円錐の機能解明に向けてー」
    栂野 哲哉 (新潟大学)
 「私と緑内障」 
    岩瀬 愛子 (たじみ岩瀬眼科)
 http://andonoburo.net/on/2407

 

「学問のすすめ」 第4回講演会
   日時:2011年6月12日(日) 9:00~12:00
   会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
 「経角膜電気刺激治療について」
      畑瀬哲尚 (新潟大学)
 「臨床研究における『運・鈍・根』」
     三宅養三 (愛知医大理事長 名古屋大学名誉教授)
 http://andonoburo.net/on/2404

「学問のすすめ」 第3回講演会
   日時:2011年4月2日(土)15時~18時
   場所:済生会新潟第二病院 10階会議室
 「眼の恒常性の不思議 “Immune privilege” の謎を解く
  ―亡き恩師からのミッション」
    堀 純子 (日本医大眼科;准教授)
 「わがGlaucomatologyの歩みから」
    岩田 和雄 (新潟大学眼科;名誉教授)
 http://andonoburo.net/on/2397

「学問のすすめ」 第2回講演会
   日時:2010年10月9日(土)15時30分~18時30分
   場所:済生会新潟第二病院 10階会議室
 「拡散強調MRIによる視神経軸索障害の定量的評価」
    植木 智志 (新潟大学眼科)
 「強度近視の臨床研究を通してのメッセージ
   ~clinical scientistを目指して」
    大野 京子(東京医科歯科大学眼科 准教授)
 http://andonoburo.net/on/2393

「学問のすすめ」 第1回講演会
   日時:2010年2月6日(土) 14時~17時
   場所:済生会新潟第二病院 10階会議室
 「留学のススメ-留学を決めたワケと向こうでしてきたこと-
   (人工網膜、上脈絡膜腔刺激電極による網膜再構築、
   次世代の硝子体手術器機開発、
   マイクロバブルを使用した超音波治療などについて)」
    松岡 尚気 (新潟大学)
 「網膜・視神経疾患における神経保護治療のあり方は?
   -神経栄養因子とグルタミン酸毒性に注目して-」
    関 正明 (新潟大学)
  http://andonoburo.net/on/2391

2014年5月2日

案内:第219回(14‐05月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会
 演題:「視覚障がい者支援センター・ひかりの森」の過去・現在・未来
         ~地域生活支援の拠点として~
 講師:松田和子(NPO法人 視覚障がい者支援協会・ひかりの森 理事長)
  日時:平成26年5月14日(水)16:30 ~ 18:00 
  場所:済生会新潟第二病院 眼科外来

【講演抄録】
 私達は、平成17年4月ついに拠点を得る事が出来ました。視覚障がい者主体のデイケア施設ひかりの森の開設は話題になりましたが、活動室には古い机と数点の福祉機器があるだけで当所はたっぷりの時間をどう使って良いのか分かりませんでした。まず、とにかく始めた歩行訓練は、商店街の注目を集め、駅周辺のバリアフリー化が一気に進み、大きな動きとなりました。当事者のニーズに合わせた活動プログラムに取り組みながらも、手探りと手応えを繰り返しながらの開拓期でした。

 開所から5年後私達は、NPO法人 視覚障がい者支援協会を立ち上げ、ひかりの森は地域活動支援センターに移行しました。自立と生活訓練に加え、授産や地域交流へと活動は拡大し、地域ネットとの連携プレイが必要となりました。地域での就労支援やロービジョンのアピール、フェアやサロンなどと利用者の地域デビューの場が増えました。光の道標となる様、情報発信や相談支援も行っています。また、国リハや関連施設を希望する当事者の方にも体験者として受入れをし、中間施設としての役割も担っています。

 ひかりの森は、未来に向けて常に行動し、地域福祉の担い手としても認知されて来ました。ロービジョンへの理解と啓発も拡がり、街作りや職場開拓にも貢献出来ています。これらの活動を通し一人ひとりの当事者への生活支援があると実感しています。

 たとえ障がいがあっても、生活基盤であるコミュニティに参加出来る力を付ける拠点が、全国に拡がる事を望みながら、明日への発信を続けて行きます。


【略歴】
 松田和子(NPO法人 視覚障がい者支援協会・ひかりの森 理事長)
 1995年 JRPS埼玉支部の立ち上げに関り、副会長
 1996年 網膜色素変性症と事故により殆どの視力を失う
 2001年 ロービジョン友の会アリスの設立 会長
 2006年 身体障がい者デイケア施設・ひかりの森 施設長
 2010年 越谷市委託事業の地域活動支援センター ひかりの森 施設長
 2010年~NPO法人 視覚障がい者支援協会・ひかりの森 理事長

 2006年 越谷市障がい者施策推進協議員

 

【今後の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
 平成26年 6月11日(水)16:30~18:00
  「生きていてよかった!」
   上林 洋子(社福:新潟県視覚障害者福祉協会副理事長 同女性部長)

 平成26年7月
  新潟盲学校弁論大会 イン 済生会

 「学問のすすめ」 第9回講演会
  「摩訶まか緑内障」
    木内良明(広島大学眼科教授)  
  「学問はしたくはないけれど・・・」
    加藤 聡(東京大学眼科准教授)
     日時:2014年7月6日(日) 10時~13時
     会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
  主催:済生会新潟第二病院眼科

 平成26年8月6日(水)16:30~18:00
  「視覚障害によって希望を失わないために」
   竹下 義樹
    (社会福祉法人日本盲人会連合会長、弁護士)

 平成26年9月10日(水)16:30~18:00
  「地域における連携コーディネーターの役割」
   斎川克之(済生会新潟第二病院 地域医療連携室)

 【新潟ロービジョン研究会2014】
   日時:2014年9月27日(土)開場14:00 14:30~18:30
   会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
  テーマ:「我が国のロービジョンケア 過去・現在・未来」
  1)特別講演
   座長:仲泊 聡(国立障害者センター眼科)
       安藤伸朗(済生会新潟第二病院眼科)
   1.ロービジョンケアの歴史(仮題)
     田淵昭雄(初代ロービジョン学会理事長;川崎医療福祉大学)
   2.ロービジョンケアの現状(仮題)
     高橋 広(2代目ロービジョン学会理事長;北九州市総合療育セ)
   3.ロービジョンケアの展望(仮題)
     加藤 聡(3代目ロービジョン学会理事長;東京大学眼科准教授)
  2)シンポジウム「我が国のロービジョンケアを語る」
   座長:仲泊 聡(国立障害者センター眼科)
       安藤伸朗(済生会新潟第二病院眼科)
   シンポジスト
    田淵昭雄(初代ロービジョン学会理事長)
    高橋 広(2代目ロービジョン学会理事長)
    加藤 聡(3代目ロービジョン学会理事長)

 【目の愛護デー記念講演会 2014】 
  (兼 第224回(14‐10月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会)
   講師:若倉雅登 (井上眼科病院 名誉院長)
   演題:「視力では語れない眼と視覚の愛護」
  日時:2014年10月8日(水)17:00 ~ 18:30 
  場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 

2014年4月16日

第218回(14‐04月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会
  演題:「視覚障害とゲームとQOLと…」
  講師:前田 義信 (新潟大学工学部福祉人間工学科)
    日時:平成26年4月9日(水)16:30 ~ 18:00 
    場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 

【講演要旨】
 こんにちは,新潟大学のマエダです.こんな私を,第141回(2007年11月),第164回(2009年10月),第218回(2014年4月.今回)と,計3回も話題提供者として本勉強会にご招待下さりまして,安藤先生に深く感謝申し上げます.いつも話ばかりでは面白くないかと思いまして,新潟大学大学院生のマツバヒロシ君に協力してもらい,今回はゲームを持ってきました.皆さんで一緒に遊びましょう!どうでしたか?楽しかったですか?楽しかったけど,時折飛び出すマエダのボケとツッコミが邪魔でしたって?こりゃ失礼しました. 

 今回持ってきましたゲームは,私の共同研究者でもある大阪電気通信大学のニイカワ先生(漢字では新しい川,シンカワと書いて新川先生です)のところで開発したキキミミと呼ばれるゲームシステムです.このシステムの中に,トランプゲームのような体裁のゲームをプログラムすると,音声だけで楽しめるゲームが出来上がります.あまり褒めるとニイカワ先生から「褒め殺しか!」とツッコミ食らいそうですが,何を隠そう!いや,全く隠してませんけど,キキミミは本当に良く出来ています.あまりに完成度が高いので,新潟大学の私の研究室ではこのゲームシステムをオンライン化させてもらっています. 

 さて,キキミミもそうですし,私の研究室で作っているスゴロクとかザトウイチゲームとかもそうですが,これらは「視覚障害者が晴眼者と“対等”にプレイ可能なゲーム」であることを謳っています.「対等」という漢字は「タイトウ」と読みますが,これを「駘蕩」と表記しても全く構いません.今は春ですしね.春風駘蕩たる雰囲気の中,視覚障害者も晴眼者も老若男女も関係なく全員が楽しめたら,それが一番です. 

 閑話休題.失礼しました.“対等”の話でした.なぜ対等に拘泥したかと言えば,それはゲームなんかなくても日常生活では何も困らない,まぁ,ゲームというものは,あってもなくても,基本は困らない“役に立たない”ものだからです.逆に役に立つものであれば,例えば,白杖であれ,何らかの音声装置であれ,視覚障害者はそれらの使い方を教えて貰う際にどうしても晴眼者より立場的には下になってしまいます.なぜなら白杖は視覚障害者には必要でも晴眼者には必要ないからです.つまり対等ではないんですね. 

 これまでの私は「エンジニアとして役に立つものを作れないか」と微に入り細を穿って周囲を眺めまわしては「自分の作るものはまだまだ役に立たない!」と憤慨する若者でした.ですが“役に立つ”とは,一体全体,誰の役に立つのか.仮に視覚障害者の役に立つのだとすれば,それを壮語する私は何様だ?と,うっかり考えてしまったのでした. 

 誰かの役に立つ研究をすることは,工学の世界では大変重要なことですし,それを目指さないければ,エンジニアの存在価値は社会的にないのかもしれません.ですが,誰かの役に立つのだ,と,誰かさん側ではなくエンジニア側から発言した時点で,エンジニアである私はその誰かさんを「上から目線」で無意識に見ている構造になると気付きました.そして,そんな自分が,突然,嫌になったんですね. 

 教師と学生の関係も同じ構造ですね.教師が学生を「上から目線」で見ない限り「教育」は成立しない.たとえ人間的あるいは知識的に教師が学生と同じレベルかそれ以下であったとしても「教師が上から目線で学生を見る」構造が成立しない限り講義はできないし教育もできません.そうか!だから私は20年前に大学の先生になるときに悩んだんだなぁと今更ながら自分のことを理解しました.“理解する”の英語は“understand”ですが,理解するときは上ではなく下(under)の立場に立つ(stand)ことなのだと安藤先生から教わりました.なるほど恐れ入りました! 

 大学の先生は立派な仕事をしている.それに異論はない.そんな職業に憧れるのは当たり前の感情だ.なのに,どうして自分は大学の先生になることを20年前に躊躇し悩んだのか.そうか.やっと分かった.まさにアンダースタンド.教育の場では,教師と学生の間で“上から目線”の関係を無理にでも作らねばならない,それが自分には嫌だったのだ.だから悩んだのですね. 

 今ではすっかり「上から目線」に慣れてしまったマエダですが,少なくとも研究に関しては,初心に戻って,視覚障害者を“上から目線”で見るのではなく,同じレベルで“対等”に遊んでみようと思ったのであります.すると“役に立つか否か”という概念はどうでもよくなりました.そして,視覚障害者が誰の力も借りることなく楽しめるためには視覚を使ってはいけない.これが必要条件.そして,たとえ視覚を使わないゲームであっても晴眼者が楽しめないと意味がない.これが十分条件.必要十分なゲームとはどんなものかを考えることになりました.今回,持ってきましたキキミミはまさに上記の必要十分条件を満たしたゲームなんです. 

 よく「その研究にはニーズがあるのか?」ということを学会では問われたりしますが,たとえニーズをくみ取ったとしても,これも「上から目線」の構造であることに変わりはない.本当はニーズなんかあるのかないか誰にも分からない可能性もあるのに,そこから無理にニーズを引き出したとすれば,それも「上から目線」の構造のなせる技ですから.内田樹さんによれば(ちょっと難しいかもしれませんが)「ニーズは“ニーズを満たす制度”が出現した後に,事後的にあたかもずっと以前からそこに存在していたかのように仮象する」ものだからですね. 

 だから,たとえ宮澤賢治のように「みんなからデクノボーと呼ばれて」も,一度“役に立つか否か”とか“ニーズがあるのか否か”いう概念から解放されたエンジニアに私はなってみよう,と思ったのでした.こんな発言をしたら,学会の偉い方々からしっかり怒られて“パコッ!”とデコピンされるかもしれませんが,そのときはデクノボーではなくデコノボーと呼んでくれましたら誠に幸いです.ああ,やっぱりダジャレで話を終えてしまった.
 

【略歴】
 昭和63年 大阪府立 大手前高等学校 卒業
 平成5年 大阪大学 基礎工学部 生物工学科 卒業
 平成7年 日本学術振興会 計測制御工学分野 特別研究員
 平成10年 大阪大学大学院 基礎工学研究科 修了(博士(工学))
      新潟大学 工学部 福祉人間工学科 助手
 平成17年 新潟大学 工学部 福祉人間工学科 助教授
 平成19年 新潟大学 工学部 福祉人間工学科 准教授

【後記】
 講演の冒頭に、「上から目線」「役に立つこととは?」「対等ということ」等々のフレーズについての解釈の紹介がありました。
 何かしてあげるという姿勢は、上から目線ではないか?本当に対等にお付き合いするにはどうすればいいのか?という問い掛けは、いつも気にしていることです。
 こうした考えを背景に考案されたゲームを講演時間大半を費やして行うというこれまでの勉強会にない新鮮な勉強会でした。初めは参加者も戸惑いがちでしたが、そのうちに持ち札に文句を言うもの、「待った」を掛けるもの、ゲーム参加者もそれを見守る観客も、結構マジでエキサイトしていました。
 障碍者の機器開発は、生活に役立つものが優先されがちですが、このような視点でのゲームの開発は本当に必要なことだと、ゲームにのめり込みながら感じました。

 参加者から、「役に立つ」研究かどうかは気にしなくてもいい。ご自身が面白いと思ってやっている研究ならば、きっといつかは何かの「役に立つ」時が来るのではないかという感想も届きました。
 
 前田先生の、そして新川先生大阪電気通信大学)の今後の発展を祈念致します。
 

 

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【次回以降の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】

 平成26年5月14日(水)16:30~18:00
  「視覚障がい者支援センター「ひかりの森」過去・現在・未来
   ~地域生活支援の拠点として」
    松田 和子(視覚障がい者支援センター・ひかりの森 理事長) 

 平成26年 6月11日(水)16:30~18:00
  「生きていてよかった!」
    上林 洋子(社福:新潟県視覚障害者福祉協会副理事長 同女性部長)

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 平成26年7月6日(日)10時~13時
  「学問のすすめ」 第9回講演会
   会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
   講師 加藤 聡(東京大学眼科准教授)
      木内良明(広島大学眼科教授)
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 平成26年7月
   新潟盲学校弁論大会 イン 済生会 

 平成26年8月6日(水)16:30~18:00
  「視覚障害によって希望を失わないために」
    竹下 義樹
     (社会福祉法人日本盲人会連合会長、弁護士)
  @第一水曜日となります 

 平成26年9月10日(水)16:30~18:00
   「地域における連携コーディネーターの役割」
    斎川克之(済生会新潟第二病院 地域医療連携室)

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 平成26年9月27日(土)午後
   新潟ロービジョン研究会2014
   会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
  テーマ:「我が国のロービジョンケア 過去・現在・未来」
 1)特別講演
   座長:仲泊 聡(国立障害者センター眼科)
      安藤伸朗(済生会新潟第二病院眼科)
  1.ロービジョンケアの歴史(仮題)
   田淵昭雄(初代ロービジョン学会理事長;川崎医療福祉大学)
  2.ロービジョンケアの現状(仮題)
   高橋 広(2代目ロービジョン学会理事長;北九州市立総合療育センター)
  3.ロービジョンケアの展望(仮題)
   加藤 聡(3代目ロービジョン学会理事長;東京大学眼科准教授)
 2)シンポジウム「我が国のロービジョンケアを語ろう」
   座長:仲泊 聡(国立障害者センター眼科)
      安藤伸朗(済生会新潟第二病院眼科)
   シンポジスト
    田淵昭雄(初代ロービジョン学会理事長)
    高橋 広(2代目ロービジョン学会理事長)
    加藤 聡(3代目ロービジョン学会理事長)
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 平成26年10月8日(水)17:00 ~ 18:30 
 【目の愛護デー記念講演会2014】 
 (兼 済生会新潟第二病院眼科勉強会)
  演題未定
    若倉雅登 (井上眼科病院)
  @開始時間が17時となります

 

2014年3月30日

案内:第34回国際眼科学会World Ophthalmology Congress(WOC)2014 
 4月2日(水曜日)から6日(日曜日)までの5日間、東京(会場は東京国際フォーラムと帝国ホテル)での開催となります。第29回アジア太平洋眼科学会(Asia Pacific Academy of Ophthalmology:APAO)および第118回日本眼科学会総会との併催です。日本では1978年(昭和53年)以来、36年ぶりの開催ということになります。

 第34回国際眼科学会 World Ophthalmology Congress(WOC)2014
  http://www.woc2014.org/
 第118回日本眼科学会総会(日眼総会)
  http://www.congre.co.jp/jos2014/index.html 

 

“独りよがりな”見どころ・楽しみどころを、以下に開催順に紹介します。
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【4月2日(水)】 

・Retina Subspeciality Day
  8:30~17:00 帝国ホテル3F 富士の間 

・Cataract Subspeciality Day
  8:30~17:00 帝国ホテル2F 孔雀の間(東) 

・Refractive Subspeciality Day
  8:30~17:00 帝国ホテル3F 鶴の間 

・Pediatric Ophthalmology Subspeciality Day
  8:30~17:00 帝国ホテル3F 雅の間 

・Glaucoma Subspeciality Day
 8:30~17:00 東京国際フォーラムB7(1) 

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・Course32 Duke Vitreoretinal Surgical Rounds
  10:30-12:00 東京国際フォーラムG402(Room13)
  What would Machemer,McCuen,Tano,and Hida say?
  A generation of Changes
 
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・オープニングセレモニー(開会式)
 18:10~東京国際フォーラム・ホールA
 ネームカードがあれば、どなたでも無料で入場可能。事前登録は必要なし。
 引き続き、オープニングレセプション 

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【4月3日(木)】 

・シンポジウム 感覚器医療の新戦略
                -人工デバイス・再生医療など次世代の展望-
  8:30-10:00 帝国ホテル 光 中2階 第22会場
  オーガナイザー:石橋 達朗 (九州大/日本眼科学会理事長)
          伊藤 壽一 (京都大・耳鼻咽喉頭頸部外科) 

・シンポジウム 最新緑内障検査機器のアップデート
  10:30-12:00 帝国ホテル 光 中2階 第22会場
  オーガナイザー:富田 剛司 (東邦大・大橋) 、中澤 徹(東北大) 

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・シンポジウム ロービジョンの科学
  13:30-15:00 帝国ホテル 光 中2階 第22会場
  オーガナイザー:仲泊 聡(国立障害者リハ・セ)
          安藤伸朗(済生会新潟第二病院)
   網膜色素変性に対するロービジョンケアの科学的展望 
     山本修一(千葉大)
   アクティブ視野計-定位反応に関わる視覚系の特性 
     仲泊聡(国立障害者リハ・セ)
   2つの入力経路で考える羞明の脳内メカニズム 
     堀口浩史(東京慈恵医大)
   現実世界の視覚と画像統計量 
     本吉勇(東京大・総合文化)
  http://andonoburo.net/on/2609 
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・Ophthalmic Premier League (OPL)
  13:30~ 東京国際フォーラム ホールA
  世界の著名な白内障術者が4チームに分かれ、難症例の手術ビデオとその対処法を紹介 ジャッジと聴衆の支持を最も得たチームが優勝。国際学会で大人気のプログラム。 

・JOS Symposium「Recent Advances in Ophthalmic Microsurgery」
  13:30~ 東京国際フォーラム ホールD7
  日本眼科学会が世界に向けて情報発信するシンポジウム 

・シンポジウム 近視の近未来治療を科学する
 13:30-15:00: 帝国ホテル 孔雀・西 2階 第18会場
 オーガナイザー:長谷部 聡(川崎医大)、大野 京子(医科歯科大) 

・シンポジウム 糖尿病網膜症の分子病態
 15:30-17:00 帝国ホテル 孔雀・西 2階 第18会場
 オーガナイザー:石田 晋(北海道大)、高木 均(聖マリ医大) 

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・シンポジウム 日本医学会総会2015 関西特別企画:
 医学と医療の革新を目指して-健康社会を共に生きるきずなの構築-
 15:30-17:00 帝国ホテル 蘭 2階 第21会場
 オーガナイザー:
      石橋 達朗 九州大/日本眼科学会理事長
   根木 昭 神戸大/日本医学会総会2015プログラム委員会副委員長
  日本眼科学会と日本医学会総会の関係 石橋 達朗(九州大)
  メタボリックシンドロームとは? 門脇 孝(東京大・糖尿病代謝内科)
  クオリティーオブビジョンとは? 坪田 一男(慶應大)
  ロコモティブシンドロームとは? 中村 耕三(国立障害者リハ・セ)
  日本医学会総会2015関西の魅力 木下 茂(京都府医大)
  日本医学会総会プログラム委員会からのメッセージ 根木昭(神戸大)
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・シンポジウム 3D立体映像と弱視斜視
 15:30-17:00 帝国ホテル 光 中2階 第22会場
 オーガナイザー:不二門 尚(大阪大)、仁科 幸子(国立成育医療研究セ) 

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4月4日(金) 

・WOC Update Day
 8:30~17:00 東京国際フォーラム・ホールC
 過去一年間の眼科学の進歩・ハイライトを、一日でレビュー。
 英語→日本語の同時通訳があり 

・シンポジウム 角膜再生医療の幕開け
 8:30-10:00 帝国ホテル 孔雀・西 2階 第18会場
 オーガナイザー:小泉範子(同志社大・生命医科学)、辻川元一(大阪大) 

・JOS Symposium「Tissue Engineering and Regenerative Medicine」
 日本眼科学会が世界に向けて情報発信するシンポジウム
 10:30-12:00 帝国ホテル 扇 3階 第26会場
 オーガナイザー:Nishida, Takahashi 

・シンポジウム 眼科領域の新しいドラッグデリバリー
 10:30-12:00 帝国ホテル 孔雀・西 2階 第18会場
 オーガナイザー:原 英彰(岐阜薬大・薬効解析)、新家 眞(関東中央病院) 

・シンポジウム 網膜の再生治療・人工視覚
 10:30-12:00 帝国ホテル 光 中2F 第22会場
 オーガナイザー:吉村 長久(京都大)、中澤 満(弘前大) 

特別講演 ヘルペスと闘った37年 下村 嘉一 (近畿大)
 13:30-14:30 東京国際フォーラム ホールA 第1会場 

・ジャパンナイト
 夜 懇親会「Japan Night」 東京ビッグサイト
 日本の食と文化を楽しんでいただくブッフェパーティー
 “日本の祭り”をテーマに、伝統と芸能を盛り込んだプログラム
 入場チケット~1万円。学会場で購入可 

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【4月5日(土)】 

・シンポジウム 白内障術後の眼内環境変化
 8:30-10:00 帝国ホテル 孔雀・東 2階 第17会場
 オーガナイザー:久保江理(金沢医大)、藤井紀子(京都大・原子炉実験所) 

・シンポジウム 免疫寛容研究の新しい展開
 10:30-12:00 帝国ホテル 孔雀・東 2階 第17会場
 オーガナイザー:園田 康平(山口大)、南場 研一(北海道大) 

・シンポジウム 眼科手術で生じる組織侵襲とその対応策
 10:30-12:00 帝国ホテル 孔雀・西 2階 第18会場
 オーガナイザー:栗 康夫(神戸市立医療セ中央市民病院)、臼井智彦(東京大) 

・シンポジウム 診療報酬改定を終えて
 10:30-12:00 帝国ホテル 蘭 2階 第21会場
 オーガナイザー:大橋 裕一(愛媛大/日本眼科学会)
         山岸直矢(山岸眼科医院/日本眼科医会) 

・シンポジウム 日本での難病対策と眼科診療
 10:30-12:00 帝国ホテル 雅 3階 第24会場
 オーガナイザー:西嶋康浩(厚労省・健康:疾病対策)、山下英俊(山形大) 

・RETINAWS: Retinal Misadventures in the Operating Room
 網膜硝子体の手術テクニックや新しいアイデアをビデオで紹介する教育プログラム
 多くの国際学会で開催されている人気コース。
 13:30~ 東京国際フォーラム・ホールC 

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・2014年 国際網脈絡膜変性フォーラム
 ~ 網膜色素変性症の治療法研究の最前線を知ろう~
 http://andonoburo.net/on/2467
 14 時~17時 東京国際フォーラム・ホールB7-1
 〈コーディネーター〉
   村上 晶(順天堂大学)、山本修一(千葉大学)、近藤峰生(三重大学)
 第 1部:疾患メカニズムと臨床試験
 第 2部:網膜色素変性研究の最新情報 
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・特別講演 黄斑と硝子体 岸 章治 (群馬大)
 14:00-15:00 東京国際フォーラム ホールA 第1会場
  

・評議員会指名講演 眼疾患メカニズムの新しい理解
 15:15-17:45 東京国際フォーラム ホールA 第1会場
  失明ゼロを目指して 中澤 徹(東北大)
  加齢黄斑変性:新知見によるパラダイムシフト 柳 靖雄(東京大)
  網膜血管障害の新しい理解 鈴間 潔(長崎大) 

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【4月6日(日)】 

・シンポジウム 基礎研究セミナー<他分野の基礎研究から学ぶ>
 10:10-11:40 東京国際フォーラム G502 ガラス棟5階 第11会場
 オーガナイザー:中村 誠(神戸大)、加治 優一(筑波大) 

・サブスペシャリティサンデー
 Ⅰ.緑内障・視神経症 
       ディレクター:杉山 和久(金沢大)
   8:30-11:50 東京国際フォーラム ホールC 第2会場
 Ⅱ.後眼部疾患
    ディレクター:園田 康平(山口大)
   8:30-11:50 東京国際フォーラム ホールB7(1)7階 第3会場
 Ⅲ.前眼部疾患
    ディレクター:宮田 和典(宮田眼科病院)
   8:30-11:50 東京国際フォーラム ホールB7(2)7階 第4会場
 Ⅳ.小児眼科・眼腫瘍・視機能
    ディレクター:辻 英貴(がん研有明病院)、根岸 一乃(慶應大)
   8:30-11:50 東京国際フォーラム ホールD7 7階 第5会場 

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・市民公開講座
 14:00~16:00(開場/13:00)東京国際フォーラム ホールC
  テーマ 「生活習慣と目」
 司会・進行:大鹿 哲郎
 ・「ここまで進んだ白内障治療」黒坂 大次郎(岩手医大眼科・教授)
 ・「最近増えている加齢黄斑変性」湯澤 美都子(日本大眼科・教授)
 参加費 無料 

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・日眼プログラムとして、上記の他、教育セミナー、スキルトランスファーあり
・モーニングセミナー、ランチョンセミナー、イブニングセミナー 

@コングレスバック
 “学会後も長くお使いいただける”バック  自信を持ってWOC2014仕様のバックを作製
 付属品:特製のPCケース(5種類のカラー)
 

附)国際眼科学会の歴史
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 1857 ブリュッセル
 1862 パリ
 1867 パリ
 1872 ロンドン
 1876 ニューヨーク
 1880 ミラノ
 1888 ハイデルベルク
 1894 エディンバラ
 1899 ユトレヒト
 1904 ルツェルン
 1909 ナポリ
 1922 ワシントンDC
 1929 アムステルダム、ハーグ
 1933 マドリード
 1937 カイロ
 1950 ロンドン
 1954 モントリオール、ニューヨーク 1958 ブリュッセル
 1962 ニューデリー
 1966 ミュンヘン
 1970 メキシコ
 1974 パリ
 1978 京都
 1982 サンフランシスコ
 1986 ローマ
 1990 シンガポール
 1994 トロント
 1998 アムステルダム
 2002 シドニー
 2006 サンパウロ
 2008 香港
 2010 ベルリン
 2012 アブダビ
 2014 東京

 
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番外編 特別展「医は仁術」
 会期 2014年3月15日(土)~6月15日(日)
 会場 国立科学博物館(東京・上野公園)
 http://ihajin.jp/  
 開館時間 午前9時~午後5時(金曜日は午後8時まで)
 ※4月26日(土)〜5月6日(火・休)の間は午後6時まで
 休館日 毎週月曜日
 主催 国立科学博物館・TBS・朝日新聞
 入場料 一般・大学生 1,500円(1,300円)
     小・中・高校生 600円(500円)
  ※( )内は前売および各20名様以上の団体料金

案内:第118回日本眼科学会総会
 シンポジウム6 『ロービジョンの科学』
  日時 2014年4月3日(木) 13:30-15:00 
  会場 帝国ホテル 光(中2階) 第22会場
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  オーガナイザー   
    仲泊 聡 (国立障害者リハセンター)   
    安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院)
1.山本 修一 (千葉大) 
   網膜色素変性に対するロービジョンケアの科学的展望
2.仲泊 聡 (国立障害者リハセンター) 
   アクティブ視野計-定位反応に関わる視覚系の特性
3.堀口 浩史 (東京慈恵医大) 
   2つの入力経路で考える羞明の脳内メカニズム
4.本吉 勇 (東京大・総合文学) 
   現実世界の視覚と画像統計量


ロービジョンの科学
 オーガナイザーのことば
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 平成24年4月からロービジョン検査判断料が算定可能となり、わが国の眼科医のロービジョンケアへの関心はいくらか増大した。しかし、ロービジョンに対する診療アプローチには科学的根拠に欠けるものが多いという批判は以前よりあり、これが、ロービジョンケアをEBMとして現代の眼科医療に定着させるための障壁の一つになっていることは否めない。

 そこで当シンポジウムでは、可能な限り科学的切り口でのロービジョンの捉え方について各方面からご紹介いただくこととした。まず、山本氏には、ロービジョンケアの対象となる最多の疾患である網膜色素変性症に焦点をあてて頂き、現代のみならず近未来においてもロービジョンケアが重要であるということについて解説して頂く。そして、仲泊氏には、これまでに患者の日常動作における障害の判定根拠とされてこなかった定位反射における眼球運動に関連する視覚の測定法について述べて頂く。また、堀口氏には、これまで曖昧模糊となっている羞明のメカニズムについて、現在どこまでわかっているのかについてまとめて頂く。そして、最後に「そもそも視覚とは如何なるものであるか」という根本的命題にせまる最新の心理物理学的モデルについて、本吉氏にご紹介頂く。

 ロービジョンケアは、ロービジョンを有する患者の極めて個人差の大きな視機能と当然個々の事情によって異なる社会環境の双方を加味して行わなければならない。これらについて科学的なモデルを持ち、科学的な手法でこれを検証することで、初めて一般化されたロービジョンケアが医療の中に定着するものと考える。今回のシンポジウムがそのようなアプローチの端緒となることを祈念したい。

2014年3月28日

案内:第218回(14‐04月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会
  演題:「視覚障害とゲームとQOLと…」
  講師:前田 義信 (新潟大学工学部福祉人間工学科)
    日時:平成26年4月9日(水)16:30 ~ 18:00 
    場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 

【講演抄録】
 誰もが自立生活可能な社会を作るためには「日常生活動作」の向上に貢献する福祉技術の開発が喫緊の課題です.一方で,娯楽や文化活動など「生活の質」を改善するエンターテイメントゲームの開発はどうしても後回しになってきました. 

 巷間に普及するエンターテイメントゲームは主に視覚を用いているため,視覚障害者は本当の意味で晴眼者と「対等」にゲームをプレイすることができません.日常生活では晴眼者にお世話になっていても,娯楽等のゲーム空間では能力的に晴眼者と対等あるいは逆転することがとても重要で,それがストレス解消になることもあるし,それこそが生活の質の向上と考えます. 

 この対等性に注目しますと,我々が目指すゲームでは,視覚を用いないことが必要条件です.そして十分条件としては視覚を使わないことによって晴眼者が楽しめなくなることを防ぐことです. 

 このような必要かつ十分条件を備えたゲームを大阪電気通信大学の新川拓也教授と共同で「あーだ,こーだ」と話し合って開発してきました. 

 今回は,大阪電気通信大学が開発したゲームシステム「キキミミ」をネットゲーム化することによって(触覚が使えなくなる不利な点があることは承知のうえで)近場の人だけでなく遠く離れた視覚障害者や晴眼者とも対等にゲームを楽しめるようになることを目指します. 

 さて,皆様,我々のゲームに対して,上述の必要十分条件の観点から手厳しく評価して下さいませ! 

【略歴】
 昭和63年 大阪府立 大手前高等学校 卒業
 平成5年 大阪大学 基礎工学部 生物工学科 卒業
 平成7年 日本学術振興会 計測制御工学分野 特別研究員
 平成10年 大阪大学大学院 基礎工学研究科 修了(博士(工学)
        新潟大学 工学部 福祉人間工学科 助手
 平成17年 新潟大学 工学部 福祉人間工学科 助教授
 平成19年 新潟大学 工学部 福祉人間工学科 准教授  

【次回以降の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
 平成26年5月14日(水)16:30~18:00
  「視覚障がい者支援センター「ひかりの森」
           過去・現在・未来~地域生活支援の拠点として」
    松田 和子(視覚障がい者支援センター・ひかりの森 理事長) 

 平成26年 6月11日(水)16:30~18:00
  「生きていてよかった!」
    上林 洋子(社福:新潟県視覚障害者福祉協会副理事長 同女性部長) 

 平成26年7月6日(日)10時~13時
  「学問のすすめ」 第9回講演会
   会場:済生会新潟第二病院 10階会議室
   講師 加藤 聡(東京大学眼科准教授)
      木内良明(広島大学眼科教授) 

 平成26年7月
   新潟盲学校弁論大会 イン 済生会 

 平成26年8月6日(水)16:30~18:00
  「視覚障害によって希望を失わないために」
    竹下 義樹
     (社会福祉法人日本盲人会連合会長、弁護士)
  @第一水曜日となります 

 平成26年9月10日(水)16:30~18:00
   「地域における連携コーディネーターの役割」
    斎川克之(済生会新潟第二病院 地域医療連携室) 

 平成26年9月27日(土)午後
   新潟ロービジョン研究会2014
   会場:済生会新潟第二病院 10階会議室 

 平成26年10月8日(水)17:00 ~ 18:30 
 【目の愛護デー記念講演会 2014】
  演題未定
    若倉雅登 (井上眼科病院)
  @開始時間が17時となります

2014年3月19日

『済生会新潟第二病院眼科主催 講演会/公開講座』 2002年~2013年 
 誰にでもオープンな講演会を済生会新潟第二病院眼科では、2002年より毎年行って参りました(2011年は大震災節電のため休止)。今まで開催した講演会を列挙してみました。今後は講演会の講演要旨(保存できているもののみですが)を順次公開致します。関心とお時間がある方は、覗いてみて下さい。
 
【目の愛護デー記念講演会 2002】
  演題:「失明予防のためにー緑内障を中心にしてー」
  講師: 岩田和雄 (新潟大学医学部名誉教授 眼科)
   日時: 平成14年10月10日(木) 17:00~18:30
   場所: 済生会新潟第二病院  10階会議室
   主催:済生会新潟第二病院眼科
 

【目の愛護デー記念講演会 2003】
 (第89回済生会新潟第二病院眼科勉強会)
  演題:「なんでだろう目の病気(あなたの疑問に答えます)」
  講師:今井済夫(長野県眼科医会理事、長野県上田市)
   日時:2003年10月8日(水) 18:30~19:30
   場所:済生会新潟第二病院 玄関ホール
   主催:済生会新潟第二病院眼科
 

【目の愛護デー記念講演会 2004】
 (第103回(2004‐10月)済生会新潟第二病院眼科勉強会)
  演題:『眼の話』 
  講師:藤井 青 (新潟医療専門学校教授;前新潟市民病院眼科部長)
   期日:2004年10月13日(水) 17時~18時
   場所:済生会新潟第二病院 10階 会議室
   主催:済生会新潟第二病院眼科
 

【済生会新潟第二病院眼科 市民公開講座 2005】 
 「40歳からの眼の健康」 
    安藤伸朗 (済生会新潟第二病院眼科)
 「ホスピスで生きる人たち」 
    細井順 (財団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院緩和ケア部長)
  期日:平成17年11月26日(土) 15時~17時
  場所:済生会新潟第二病院10階会議室
  主催:済生会新潟第二病院眼科
 

【済生会新潟第二病院眼科 市民公開講座 2006】
 「失明の体験と現在の私」
   西田稔(NPO『眼炎症スタディーグループ』理事長)
 「シルクロード病(ベーチェット病)からの贈り物」 
   西田朋美(眼科医、聖隷横浜病院)
  
   日時:平成18年11月11日(土) 16:00~18:00
  
   場所:済生会新潟第二病院10階会議室
  
   主催:済生会新潟第二病院眼科
 

【済生会新潟第二病院眼科 市民公開講座 2007】
 特別講演 
  「見えているからといって安心できない眼の病気」
    櫻井真彦(埼玉医科大学総合医療センター教授;眼科)
 シンポジウム 
  「患者として思うこと 看護師として思うこと」
    稲垣吉彦(患者;有限会社アットイーズ 取締役社長、千葉県)
    荒川和子(看護師;医療法人社団済安堂 井上眼科病院、東京)
  日時:平成19年11月11日(日) 10時~12時半
  場所:済生会新潟第二病院 10階会議室
  主催:済生会新潟第二病院眼科
 

【済生会新潟第二病院眼科 市民公開講座 2008 細井順 講演会】 
 (第144回(08‐2月)済生会新潟第二病院眼科勉強会)
  演題:「豊かな生き方、納得した終わり方」
  講師:細井順(財団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院ホスピス長)
   日時:2008年(平成20年)2月23日(土) 午後4時~5時半
   場所:済生会新潟第二病院 10階会議室
   主催:済生会新潟第二病院眼科
 

【視覚に障がいのある子どもの発達と支援を考える新潟フォーラム 2008】
  司会進行 新井 千賀子(杏林アイセンター)
 
      安藤 伸朗(済生会新潟第二病院)
 「子どもの視覚の発達と眼疾患」
      三木 淳司(新潟大学眼科)
 「視覚障がい乳幼児の発達」
      香川 スミ子(浦和大学)
 「視覚障がい乳幼児の支援ー新潟盲学校の取り組み」
      田邊 聡子(新潟県立新潟盲学校)
 「視覚障がい乳幼児への早期支援をうけて」 
      近山 智子(新潟盲学校 PTA)
 パネルディスカッション 
   基調講演 「スペシャル子育てを考える」
          新井 千賀子(杏林アイセンター)
   パネリスト 三木 淳司(新潟大学眼科)
          香川 スミ子(浦和大学)
          田邊 聡子(新潟県立新潟盲学校)
          近山 智子(新潟盲学校 PTA)
  日時:平成20年11月15日(土)13:00開場 13:30~17:00
  会場:新潟県立新潟盲学校
    主催:済生会新潟第二病院眼科
    共催:新潟県立新潟盲学校
 

【明日の眼科を考える新潟フォーラム 2009】
 特別講演
  1)「人工の眼は可能か?」 
      仲泊 聡 (国立障害者リハビリセンター病院) 
  2)「網膜色素変性とiPS細胞」
     高橋 政代 (理化学研究所)
 シンポジウム「明日の眼科を考える」
   司会: 西田 朋美 (国立障害者リハビリセンター病院)
       安藤 伸朗 (済生会新潟第二病院)
   シンポジスト
       田中 正四 (新潟県胎内市;患者)
   
    清水 美知子 (埼玉県;歩行訓練士)
       川瀬 和秀 (岐阜大学;眼科医)
   コメンテーター
       高橋 政代 (理化学研究所)
       仲泊 聡 (国立障害者リハビリセンター眼科) 
    日時;2009年(平成21年)11月21日(土) 14時30分 ~ 18時00分
    場所;済生会新潟第二病院 10階会議室
    主催:済生会新潟第二病院眼科
 

【目の愛護デー記念講演会 2010】
 (第174回(10‐08月) 済生会新潟第二病院 眼科勉強会)
  演題:「今昔白内障治療物語」
  講師:藤井 青 (新潟県眼科医会会長、前新潟市民病院眼科部長)
   日時:平成22年8月11日(水)16:30~18:00
   場所:済生会新潟第二病院 眼科外来
 

【視覚障害児の目や見え方に関する講演会 2012】
 (第199回(12‐09月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会)
  演題:「様々な障害を持つお子さんを通して考えてきたこと」
  講師:富田 香 (東京;平和眼科)
   日時:2012年(平成24年)9月19日(水)17:00 ~ 18:30
   会場:新潟盲学校 会議室
   主催:済生会新潟第二病院眼科
   共催;新潟県立新潟盲学校
 

【目の愛護デー記念講演会 2012】
 (第200回(12‐10月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会)
  演題:「『眼の愛護デー』のルーツを探り、失明予防へ」
  講師: 岩田 和雄 (新潟大学名誉教授)
   日時:2012年(平成24年)10月10日(水)17:00 ~ 18:30
   場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 
 

【目の愛護デー記念講演会 2013】
 (第212回(13‐10月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会)
  演題:「眼科医として私だからできること」
  講師:西田 朋美 
    (国立障害者リハビリテーションセンター病院第二診療部 眼科医長)
   日時:2013年(平成25年)10月9日(水)16:30 ~ 18:00 
   場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 

2014年3月18日

報告:第217回(14‐03月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会
  演題:「私はなぜ健康ファイルを勧めるのか」
  講師:吉嶺 文俊
    (新潟大学大学院医歯学総合研究科総合地域医療学講座特任准教授)
 日時:平成26年3月12日(水)16:30 ~ 18:00 
 場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 


 

【講演要旨】
 「由らしむべし知らしむべからず」 昭和の良き時代における地域の医者ドンはこういうイメージではなかったでしょうか。「赤ひげ先生」というヒーローは、私が医師になって四半世紀の間に消えつつあります。それは、医療(特に治療医学)の進歩と、それを取り巻く社会と住民の意識の変容に大きく関係しています。日本人が世界最高峰の健康長寿社会を造り上げた背景には、国民皆保険制度、フリーアクセス、自由開業医制そして出来高払いを主体とした診療報酬制度などがありますが、グローバル化の流れで見直しを迫られています。 

 新潟県は高速道路も新幹線も国際空港も、そして国際貿易港もあるのに、県外からの転入率や県外への転出率が低い状況が続いています。住めば都ということですが、保守的で新しい変化を起こしにくい風土ということになるでしょうか。また新潟市は日本海側で初めての政令都市であり高齢化率25%と全国平均レベルですが、その他の県内地域は高齢化先進地となっています。すなわちNiigataの行く末は日本および世界の未来を占うといっても過言ではありません。 

 阿賀町は毎年5月3日に催される「つがわ狐の嫁入り行列」で有名ですが、県内で最も高齢化が進んでおり、そこに唯一存在する県立津川病院で私は11年間過ごさせていただきました。病床数67床で病棟は一つ、常勤医師は内科と外科のみという小規模地域病院ですが、いろいろなご支援により14科の外来診療を開設し、在宅療養支援病院として訪問診療に力を入れています。昔ファクシミリが世に出たころに、国のモデル事業として豪雪へき地と津川病院の電話回線を用いた遠隔診療システムが、現在の阿賀町巡回診療の始まりでした。しかしなんとそれ以前にもその地域を訪れた方がいました。 

 「急病人が出ると村落(ムラ)の人たちが何人も加勢に出て、病人を戸板に載せて二十キロの山道を歩いて街の医院まで運んだ。大雪の頃だと丸一日もかかることがあり、途中の集落の家で休ませてもらいながら、街の病院や医院にようやくの思いでたどり着いた。こうした状況の中では長い間病臥している人や老人の場合には、容態が悪化しても医師の診察を受けることを家族は諦めて、生命を見限ったという。」(命の文化人類学 波平恵美子著 新潮選書) 当時は車も通らない雪深いへき地で冬季中心に始まった診療でしたが、今では高齢者が増えて足が不自由なため通年の巡回診療に変わってきました。 

 高齢者の生活機能に注目してみますと、早期の適切な医療や介護等の介入により、急性増悪の回数を減らし重症化を抑制し、元気で長生きを目指すというような政策が推し進められています。具合がとっても悪くなってから病院に救急車で運ばれるのを待っている後手の医療ではなく、とても悪くなる前に早めに手当てを打つ早期介入の姿勢が重要だと思われます。それは高度専門病院に「集める」医療だけではなく、訪問診療、訪問看護、訪問薬剤指導など在宅へ「出向く」医療のバランスが重要ということになります。 

 20世紀は治療医学が優先された時代でしたが(「病院の世紀の理論」猪飼周平著 有斐閣)、これからはQOL(生活の質)を標的とする生活モデルに基づいた包括ケアの時代に入りました。それは医療や介護がサービス提供の場の中心地から支えるメンバーの一員として並び替えられることになります。「赤ひげ先生」時代の終焉から多職種連携協働によるチーム医療の推進は研修医育成や学生教育においても重要です。 

 超高齢社会における地域医療の経験で気づいたことは、住民と医療者(ケアスタッフも含む)の意識改革でした。保健師さんたちと悩みながら創り出した連携ノートや、成人小児にも応用した健康ファイル は、クリニカルパスなどの医療者側からの視点に相対応する、住民(患者)視点からのツールです。自分の健康や疾病に関する情報を自分で管理するという簡単な作業に、みんなが気付きそして実践していくことが、住民と共に医療提供者側の意識変革をもたらし、ひいては両者の良好な信頼関係構築に繋がるものと期待しています。 

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*健康ファイルとは
阿賀町で思いついた自己情報管理ツールです。
構造は極めて簡単、A4サイズの二つ穴で保存する紙製のファイルであり、廉価でどこでも手に入るため幅広い応用が可能です。自分の健康や疾病に関連する情報をはさみながら自分で管理するという単純な仕組みであり、使い方を裏表紙に貼りながら参考にしてもらっています。
ファスナー付クリアファイルも付属しており、そこに保険証やお薬手帳などを保管することにより災害緊急時等にも応用できます。さらに主治医が診療経過のサマリーを作成提供してもらうとさらに有用となります。ファイル管理者(患者・住民・場合により家族)を中心に情報共有を行い、医療や介護スタッフとの連携が十分確立されていれば、個人情報保護に関する問題は生じません。
みなさんもぜひ今日からお試しください。 

 

【略歴】吉嶺 文俊  (よしみね ふみとし)
 昭和35(1960)年3月28日生まれ。本籍鹿児島県大島郡喜界町。
 神奈川県小田原市生まれ⇒佐賀⇒広島⇒千葉を経て中学から新潟市に転入。
 新潟県立新潟高校、自治医科大学医学部を卒業し新潟大学第二内科に入局。
 県立新発田病院、六日町(現在南魚沼市)立国保城内病院、県立六日町病院、県立妙高病院等を経て、県立津川病院長を10年間務める。 
  2013年より新潟大学 総合地域医療学講座(特任准教授)。
 

 新潟医療福祉大学客員教授。
 自治体病院中小病院委員会委員(北陸信越ブロック)。新潟県病院局参事。
 住友生命社会福祉事業団第6回地域医療貢献奨励賞受賞。 

 専門は内科、呼吸器、アレルギー、リハビリテーション、プライマリ・ケア、地域医療。

 

【後記】
 冒頭に新潟県の様々なデータを示して頂きました。離婚率 全国46位、転入率 46位、転出率 46位、後期高齢者医療費 全国一安い、、、 ぐぐっと興味を増したところで、「新潟から世界を変えよう」とキャッチフレーズを唱え、高齢化先進地の阿賀町での活動を紹介して頂きました。吉嶺先生の手に掛ると、僻地医療が先進医療に変貌してしまいます。

 波平恵美子(お茶の水大学、「いのちの文化人類学」)の引用もあり、テーマは重かったのですが、何故か明るく楽しかったのです。曰く、昭和の「赤ひげ」たちの時代は消えつつある。時代と共に問題は、「克雪から高齢化へ」。病院に患者を集める「集約医療」も大事だが、医療者が「出向く医療」も大事。病歴や紹介状、投薬資料、入院時のクリニカルパス等をまとめた「健康ファイル」が重要となる。この普及には住民ばかりでなく医療者の意識改革が必要。。。。高齢化社会を先取りしている先進地・阿賀町での豊富な体験を伝えて頂きました。 

 迫力ある講演のみならず、寸劇も加えた見事なステージ?でした。拝聴しながら、重い話のはずなのに、何か楽しくお話している様を見て、この明るさが吉嶺先生の魅力と素直に納得しました。不可能を可能にするには。この明るさが大事なんだと、、、
 吉嶺先生のますますのご活躍を祈念致します。
 

 

【次回以降の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
 平成26年4月9日(水)16:30~18:00
 「視覚障害とゲームとQOLと…」 
   前田 義信 (新潟大学工学部福祉人間工学科) 

 平成26年5月14日(水)16:30~18:00
 「視覚障がい者支援センター「ひかりの森」
    過去・現在・未来 
~ 地域生活支援の拠点として」
   松田和子(視覚障がい者支援センター・ひかりの森 理事長) 

 平成26年 6月11日(水)16:30~18:00
 「生きていてよかった!」
   上林洋子(社福:新潟県視覚障害者福祉協会副理事長 女性部長) 

 平成26年7月
  新潟盲学校弁論大会 イン 済生会 

 平成26年8月6日(水)16:30~18:00
  演題未定
   竹下義樹(日盲連会長)

2014年3月15日

報告:第216回(14‐02月)済生会新潟第二病院 眼科勉強会
 演題:「黄斑変性患者になって18年ー私の心の変遷」
 講師:関 恒子 (松本市)
  日時:平成26年2月12日(水)16:30 ~ 18:00 
  場所:済生会新潟第二病院 眼科外来 

 

【講演要約】
 黄斑変性症の発症から18年が経過した今、診断から入院治療、そして日常に戻って現在に至るまでを振り返る。心のうちに感じてきた一人の患者の想いに共感と理解を戴けたら幸いである。 

私の病歴
 1996年1月、先ず左眼に、その10ヶ月後右眼にも近視性血管新生黄斑症を発症し、左眼は1997年に強膜短縮の黄斑移動術を受け、右眼は1999年に全周切開の黄斑移動術を受けた。手術後も6年間は合併症や再発のために数度の入院手術を行い、様々な治療を受けている。現在は左眼0.3~0.4、右眼0.1~0.2、網膜の委縮のために視野の欠落が進行中である。 

診断当時のこと ー 家族の支えと良き協力者の存在
 発端は起床時左眼に見つけた小さな歪みだった。目の病気に対する知識が皆無だったため、一時的なものかもしれないと様子を見ていたが、歪みは解消せず、拡大したため、1週間後開業医を受診した。直ちに大学病院を紹介され、検査の結果、近視性血管新生黄斑症と診断された。その際「視力は低下していくだろう」ということと、「確立した治療法はない」ということが告げられた。 

 視力が低下すると聞いた時、先ず私の脳裏に浮かんだのは失明した自分の姿だった。そして字も読めなくなったら、これから先どうやって生きていったらいいのだろうと、思ってもいなかった診断結果に呆然とした。失明への不安と自分の将来への失望はとても大きく、有効な治療法がないということが更に私に打撃を与えた。 

 私は強度近視を持っていたが、それまで眼で特に苦労したことはなく、眼に特別な注意を払ったこともなかった。視力が低下すると言われて初めて眼の大切さに気付いた程だったが、その思いは「視力を失うくらいなら命を失うほうがましだ。私の眼は命より大切だ」というようになっていた。その私に夫は「命がなくなるわけではないからいいではないか」と言ってくれたが、その時の私には何の慰めにもならなかった。しかし期せずして私の二人の子供がそれぞれ夫と同じ様なことを言い、更に「世の中には全盲の人たちもいて、みんな元気に生きているよ」と息子に言われた時、初めて死んだほうがましだと考えた自分を恥じる気持になった。 

 動揺している私に対して、家族が少しも動揺を見せず、「生きていればいいではないか」と言ってくれた家族には今でも感謝している。もし家族までが動揺したり、悲しんだりする様子を見せたら、私の心痛は増していたに違いない。 

 次回の来院の時、開業医の先生は私に近視について書かれた一冊の本をくださった。私はその本によって自分の病気を理解し、冷静に見ることができるようになったと思う。後に症状が進行して行く過程においても、その知識は非常に役立った。過剰な心配や不安を抑えるためにも正しい知識は必要だ。この開業医の先生は、後に手術を決意する際にも多大な協力を惜しまず、現在に至るまで身近な先生として相談にのってくれている。私が発症した当時は黄斑変性症の情報はほとんどなかったが、この先生のような良い協力者がいてくれたことはこの上ない幸せなことであり、大変感謝している。 

入院治療の日々 ― 自分が選択したことには責任を持たねばならない
 発症から10ヶ月経つ頃には左眼で見る景色は何もかもがひどく屈折し、視野の中心にリング状の霞ができ、視力も0.3~0.4に落ちていた。右眼にも発症したのはそんな時だった。右眼の発症についてはある程度の覚悟はあったが、やはり衝撃を受け、何らかの治療を受けたいと切に願った。有効な治療法がないとされる中、通院していた大学病院から提案されたのは左眼の新生血管抜去術だった。しかし呈示された手術成績に不安を持った私は、開業医の先生に相談して転院し、そこで選択したのは、まだ確立していない最先端の黄斑移動術を受けることだった。 

 網膜手術の危険性など思い及ばなかった私は、視力改善の可能性があるとだけを聞いて手術を承諾してしまったが、病院を紹介してくれた開業医の先生にそれを報告すると、手術の決断をするには情報が不十分であるとの指摘を受けた。私たちは参考となる論文を取り寄せ、手術医にも説明をお願いし、そして最後の決断は私に任されたが、結局私は手術を受けることを決意した。視力の低下を認識しながら何の治療も受けずにいることの不安と苛立ちは、予後のわからない新しい手術を受けることの不安よりも遥かに大きかったからである。 

 この手術の結果は期待通りにはならず、不測の事態も様々起きたが、私は手術を受けたことを後悔したことはない。何もせずにいることは私にはできなかっただろうし、手術は当時の私に大きな希望を与えてくれた。選択が正しかったかどうかは見方によって異なるであろう。だが当時の私にとって最善の選択であったと信じ、自分自身の選択には責任を持たなければならないと思っている。 

 手術後の左眼は合併症や繰り返す再発で入院も長引き、更に数度の入院手術を繰り返したが、2年後には0.1~0.2になった右眼にも黄斑移動術を勧められた。しかし左眼の術中に生じた耳側の視野の欠損や、見え方の質の大切さを考えると、両眼に移動術を受けることは大いにためらわれた。たとえ視力0.1であっても、中心窩の暗点以外は正常だったので、私は右眼に頼って生活していたからである。右眼に施されようとしている手術は左眼のものと手法が異なる事、早いほうが効果的である事など主治医の熱い説得によって、結局私は手術を承諾した。幸い術後の経過は良好で、合併症や再発は起こらず、視力は0.6に改善し、私は見えるということに感動した。 

日常に戻って ― 目は見えるうちに…だが目には見えない大切な物もある
 6年間に渡る治療が終わり、日常に戻ってみると、右眼には淡色系の色の判別や遠近感、暗順応、両眼視などの問題があったものの、生活の質は向上し、私は感謝の日々を送った。しかし再び視力が低下することが考えられたので、視力が保たれている間に視力を最大限に活用しようと、拡大鏡を使って読書に励み、大学に通ってドイツ文学を学び始めた。これは私の「見える喜び」を更に大きくしてくれた。病を得たことによって失ったものは確かにある。しかし失ったものの数を数えても仕方がないから私は今何ができるかを考えて生きたい。病という負の要素は私に奮起する力を与えてくれた。ドイツ文学も、このところ毎年行っている単身の海外旅行もこれによるものである。 

 現在私の両眼は網膜萎縮による視野狭窄が進行して術前より状態は悪く、かなり生活を脅かしている。本当の困難はむしろこれからだろうと思っている。 

 最後に、「見える」ということについて考えてみたい。人は情報の80%を目から得ているという。これを聞く度に低視力者はどうなるのだろうと心配になる。だが、たとえ見えていたとしても本当に見たと言える物はどれだけあるだろうか。人は見える物全てを記憶にとどめる訳ではなく、自分に有用な情報だけを選別している。これは聞こえる物についても同じで、意識の違いによって見える物も聞こえる物も変わってくるはずだ。サン=テグジュペリは『星の王子様』の中で、「物事は心でしか見えない。大切な物は目には見えない」と言っている。私は視覚障害を持って以来、見える世界をとても大切にしてきた。しかしこれからは目には見えない大切な物の世界を探しながら生きたいと思う。 


【略歴】
 名古屋市で生まれ、松本市で育つ。
 富山大学薬学部卒業後、信州大学研修生を経て結婚。一男一女の母となる。
 1996年左眼に続き右眼にも近視性の血管新生黄斑症を発症。
 2003年『豊かに老いる眼』翻訳。松本市在住。
 趣味は音楽と旅行。フルートの演奏を楽しんでいる。地元の大学に通ってドイツ文学を勉強。眼は使えるうちにとばかり、読書に励んでいる。 


【後記】
 壮絶な18年間のドラマを拝聴した。18年前までは、ごく普通に見える生活を送っていた関さんが、眼科で「近視性血管新生黄斑症」と診断されて以来、生活も人生も大きく変わった。その後の長い闘病生活、治療はまだ手探り状態、そうした中で地元の主治医と相談し、当時最先端の治療を受ける。手術を何度も繰り返した。
 そうした過程で、治療を受ける患者の哲学(充分な告知・インフォームドコンセントを受けて、治療法について他人任せにせず自己責任のもとで自己決定しする)を学んでいく。
最後に、物事は心でしか見えない。大切なものは目には見えないという境地に至る。今後は眼に見えない大切な世界を探して生きていくと結んだ。
 関さんが歩んでこられたこれまでの人生を尊敬し、この勉強会で語って頂いたことに感謝致します。今後、ますます有意義な日々を過ごされることを祈念致します。 

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『済生会新潟第二病院 眼科勉強会』
 1996年(平成8年)6月から、毎月欠かさずに続けています。誰でも参加出来ます。話題は眼科のことに限らず、何でもありです。参加者は毎回約20から30名くらいです。患者さん、市民の方、医者、看護師、病院スタッフ、学生、その他興味のある方が参加しています。
 眼科の外来で行いますから、せいぜい5m四方の狭い部屋で、寺子屋的な雰囲気を持った勉強会です。ゲストの方に約一時間お話して頂き、その後30分の意見交換があります。
  日時:毎月第2水曜日16:30~18:00(原則として)
  場所:済生会新潟第二病院眼科外来 

*勉強会のこれまでの報告は、下記でご覧頂けます。
 1)ホームページ「すずらん」
  新潟市西蒲区の視覚に障がいのある人とボランティアで構成している音声パソコン教室ホームページ
  http://www11.ocn.ne.jp/~suzuran/saisei.html

 2)済生会新潟第二病院 ホームページ
  http://www.ngt.saiseikai.or.jp/02/ganka/index5.html

 3)安藤 伸朗 ホームページ
  http://andonoburo.net/

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【次回以降の済生会新潟第二病院眼科 勉強会 & 研究会】
 平成26年4月9日(水)16:30~18:00
  「視覚障害とゲームとQOLと…」
     前田 義信 (新潟大学工学部福祉人間工学科) 

 平成26年5月14日(水)16:30~18:00
  「視覚障がい者支援センター「ひかりの森」の過去・現在・未来
                  ~地域生活支援の拠点として~」
     松田和子(視覚障がい者支援センター・ひかりの森 理事長) 

 平成26年 6月11日(水)16:30~18:00
   「生きていてよかった!」
   上林洋子(社福:新潟県視覚障害者福祉協会副理事長 同女性部長) 

 平成26年7月
   新潟盲学校弁論大会 イン 済生会

2014年3月7日

 日本網膜色素変性症協会(JRPS)と網膜変性研究基金(もうまく基金)は共同で、網膜色素変性症の研究発表の場を提供する事業として、網脈絡膜変性フォーラムを開催してきましたが、2014 年は国際眼科学会World Ophthalmology Congress®(WOC)が日本で開催されるのを機に、日本眼科学会の協力を得て国際網脈絡膜変性フォーラムを開催いたします。
 
海外からの演者は、Retina International会長のFasser女史、NEI所長のSieving教授、ドイツから人工網膜のZrenner教授、もちろん日本からは高橋政代先生など、網脈絡膜変性研究の第一人者が勢ぞろいします。治療への期待が高まる網膜変性の最新情報に触れる絶好の機会をお見逃しなく!
 フォーラムは市民公開講座ですが、一般の方が参加する場合は事前の入場登録が必要です。WOCに登録されている先生はそのまま入場できます。また同時通訳も用意しております。 

 World Ophthalmology Congress®(WOC)2014
  http://www.woc2014.org/ 

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2014年 国際網脈絡膜変性フォーラム
~ 網膜色素変性症の治療法研究の最前線を知ろう~
 

 開催日時
   2014 年4月5日(土) 14 時~17時
 開催場所
   東京国際フォーラム・ホールB7-1
     東京都千代田区丸の内3-5-1 TEL 03-5221-9000
 主 催 
   一般社団法人日本網膜色素変性症協会(JRPS)
 共 催
   NPO 法人網膜変性研究基金(もうまく基金) 
  

公開講座のご案内
〈コーディネーター〉
   村上 晶(順天堂大学教授)、山本 修一(千葉大学教授)、近藤 峰生(三重大学教授)
 

第 1 部
 疾患メカニズムと臨床試験Disease mechanisms and clinical trials
〈座 長〉
   三宅 養三(愛知医大理事長)、エバハルト・ツレンナー(ドイツ・チュービンゲン大学教授)
〈講 演〉Speakers

1.クリスティーナ・ファッサー Christina Fasser  Retina International 会長
   “ Where do we go? ”
 Retina International(国際網膜協会)会長のファッサー女史は、自らが網膜色素変性により全盲となりながらも、網脈絡膜変性疾患の治療法の確立のために世界中を飛び回っている。このフォーラムのイントロダクションとして、世界における臨床研究の状況を概括するとともに、研究促進に果たすべき患者の役割について講演する。 

2.イザベル・アウド  Isabelle Audo  仏国立パリ眼科病院助教授
 “ New horizon in gene analysis ”
 Audo 医師は網膜色素変性に関する遺伝子研究の第一人者であり、このフォーラムでは、遺伝子研究の最新情報と遺伝子研究によってもたらされる病態解明や治療法の開発について講演する。 

3.ポール・シービングPaul Sieving  米国NEI 所長
 “ CNTF trial ”
 米国NEI(国立眼研究所)所長のシービング医師は、欧米で臨床研究が進められているCNTF-ECT 研究で主導的役割を担っている。これは、CNTF(毛様神経栄養因子)を持続的に産生するよう遺伝子操作された細胞を特殊なカプセルに詰め、このカプセルを眼内に移植することで網膜色素変性の進行を抑えようという画期的な治療法である。これまでの研究の経緯と今後の展望について講演する。 

4.山本 修一Shuichi Yamamoto千葉大学眼科教授
 “ Topical unoprostone trial ”
 日本網膜色素変性症協会の副会長を務める山本医師は、ウノプロストン点眼の臨床研究に医学専門家として参加している。ウノプロストンは日本で開発された薬剤で、世界初の点眼による網膜色素変性の治療薬として期待されている。このフォーラムでは、これまでの臨床研究の経緯について講演する。

 

第 2 部
 網膜色素変性研究の最新情報 Current topics in retinitis pigmentosa
(座 長)
 ポール・シービングPaul Sieving(米国NEI所長)、村上晶(順天堂大学眼科教授)
〈講 演〉Speakers
1.富田 浩史 Hiroshi Tomita 岩手大学工学部教授
“ Channelrhodopsin-2: Application of optogenetic technologies to vision

 藻の一種には光刺激に反応するチャネルロドプシンと呼ばれるタンパク質が存在する。富田氏らは、このチャネルロドプシン遺伝子を網膜神経細胞に導入して、変性した視細胞の代わりとすることを試みており、すでに実験動物で成功させている。これまでの研究結果と今後の展望について講演する。 

2.アルツ・シデシアン Artur V. Cideciyan 米国シェイエ眼研究所教授
“ Human retinal gene therapy : Realistic interpretation of results to date

 レーベル先天盲は網膜色素変性の特殊な病型であるが、欧米でこの疾患を対象に遺伝子治療が試みられ、劇的な視機能改善が得られ、世界的に注目を集めている。この臨床研究で中心的立場にいるシデシアン教授が、これまでの研究結果や今後の展望について講演する。  

3.エバハルト・ツレンナー Eberhart Zrenner 独チュービンゲン大学教授
“ Electronic retina implants : Bene¬t to blind patients
 ツレンナー医師は人工網膜研究の第一人者であり、常にこの分野の研究をリードし続けている。彼らが開発した人工網膜は、すでに臨床研究として実際の患者に移植されており、全盲の患者が視機能を回復したことが報告されている。このフォーラムでは、人工網膜研究の現状と今後の展望について講演する。 

4.高橋 政代 Masayo Takahashi 理化学研究所プロジェクトリーダー
“ Retinal cell therapy

 高橋医師は、網膜再生研究の世界のトップランナーであり、iPS 細胞を用いた加齢黄斑変性に対する世界初の臨床研究が先ごろ承認され、世界的に注目されている。このフォーラムでは、iPS細胞による網膜再生研究の最前線について講演する。 

 

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照  会  先
 一般社団法人日本網膜色素変性症協会(JRPS)
  TEL.03-5753-5156  FAX.03-5753-5176
  E-mail:info@jrps.org
  URL:http://www.jrps.org 

 NPO 法人網膜色素研究基金(もうまく基金)
  TEL.03-6459-6663  FAX.03-6459-6665
  E-mail:info@moumaku.jp
  URL:http://www.moumaku.jp/